SPYDとVYM組み合わせ【メリット・デメリット】

VYMとSPYD組み合わせ 米国株ETF
こんな方に向けて書いてますSPYDとVYMを組み合わせるメリットデメリットを知りたい
SPYDとVYM組み合わせの利回りセクター分散性を知りたい
SPYDとVYM組み合わせがどんな人に向いているのかを知りたい

(2021年11月2日更新)

私も実際に、SPYDとVYMを含めて1,200万円以上を投資しています。この経験も踏まえて、SPYDとVYMを組み合わせたポートフォリオに投資するメリットとデメリットをご紹介したいと思います

最後まで、読んでいただけるとこの組み合わせが、どんな方に向いているかご理解頂けると思います。

■本記事を書いている人
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✅米国株ETFと全世界株式インデックスで1,000万円以上運用中。
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SPYDとVYM組み合わせ【メリット・デメリット】

米国高配当株ETFの有名どころは、SPYD・VYM・HDVですね。

いずれも多くの投資家に支持される優良高配当ETFですが、配当利回り・銘柄数・増配率の観点からは各自異なる特徴を持っています

単体で持つ人もいますが、私のように組み合わせてポートフォリオに厚みを持たせる人もいます。

それは組み合わせることで、長所と長所の掛け合わせで自分の投資目的や理念により合致するポートフォリオを作成ることが目的です。

SPYDとVYMの組み合わせには以下のような長所と短所があります。

メリット

SPYDとVYMの長所はズバリ次のようなところにあるでしょう。

<SPYD長所>
■平均4〜5%の高配当利回り
■不動産セクターに投資出来る

<VYM長所>
■400銘柄への超分散性
■優秀な増配率

SPYDとVYMを組み合わせることで、ポートフォリオ全体は以下のようなメリットを享受することができます。

現在と未来の配当率バランスが良い

SPYDの高配当利回りが現在の高配当を支え、VYMの高い増配率が将来の高配当を支えてくれます。

(出典:ETF Replayを基に筆者作成)

上の図はSPYDとVYMの購入時配当利回りを比較したものになります。

やはり、SPYDの高配当ぶりが目立つ結果になっております。SPYDの配当利回りは4〜5%の間を推移しております。

VYMは約400銘柄に分散しながら、3%前後の配当利回りを確保出来るのは魅力ですが、ポートフォリオ全体の配当利回りを確保するにはSPYDが欠かせません

SPYDだけ購入して配当利回りをあげるのは駄目なの?

VYMの400銘柄は魅力だけど、私はSPYDの80銘柄だけでも十分に分散されていると思います。

上のような声が聞こえてきそうです。

確かに、配当利回りだけを見ればSPYD単体の方が良くなりますね。

しかし、長期投資の観点から私は増配率も加味したいと考えています。

購入時は3%の配当利回りでも増配銘柄であれば、保有継続期間が長くなるにつれて、配当利回りも上昇していきます

(出典:Vangard社ホームページを基に筆者作成)
(出典:State Street社ホームページを基に筆者作成)

VYMとSPYDの配当金推移を比較すると、VYMの増配傾向がキレイに見て取れます。VYMは高配当であるだけでなく増配銘柄でもあるのです。

VYMは2012年から2019年にかけて年平均8.7%の毎年増配を記録しました。

これは購入当時の配当利回りが3.0%でも5年後には約5%に到達します。

つまり、VYMは将来の配当利回りを充実させてくれるのです。

筆者
筆者

配当金の現在を充実させるSPYDと将来を充実させるVYMはお互いの役割を十分に補完してくれています。

VYMの増配の威力はこちらの記事でより詳しく検証しています。

高配当と分散性の両立

SPYDは不動産セクターに投資出来る(ゆえに高配当)というメリットもありますが、約70銘柄(2020年5月6日現在)では分散性に少し不安が残ります。

一方で、VYMは400銘柄に分散されておりこのSPYDの弱点を補ってくれます。

下記の図は、SPYDとVYMの保有比率を50%にした場合のポートフォリオ結果になります。

(出典:State Street社Vanguard社

SPYDとVYMを組み合わせることで、ポートフォリオ全体としては不動産資本財セクターを追加することができます。

そして、SPYDとVYM単体ではポートフォリオに偏りが出ていた不動産エネルギー消費サービスヘルスケアテクノロジーへの依存度をマイルドにしてくれています。

高配当利回りを実現しながら、これらのセクター分散(且つ400以上の銘柄分散)を実施出来るのはSPYDとVYM組み合わせの最大の魅力でしょう。

デメリット

お互いの短所を補い合うSPYDとVYM組み合わせは、逆に言えば、お互いの長所も弱くしてしまいます。

配当利回りがSPYD単体よりマイルドになる

上でも少し触れていますが、VYMの3%近辺の配当利回りは全体の利回りを低下させる方向に働いてしまいます。

SPYD(70銘柄)の分散で十分であると考えている高配当選好の投資家にはデメリットです。

(出典:ETF Replay)

増配率および安定度でVYM単体に劣る

VYMの特徴の一つが高い増配率でした。ここに増配傾向の薄いSPYDが追加されることでポートフォリオ全体の増配率を低下させてしまいます。

また、SPYDが5%付近の配当利回りを実現出来るのは、ボラティリティの高い財務健全度が弱めの企業の比重がVYMと比べて高いからです。

3%の配当利回りでも生活に十分なキャッシュフローを生み出せる資産家は、400銘柄に分散されたVYMだけを保有していれば高配当投資の目的を達成できます。

加えて、毎年増配していくのであれば十分に美味しいので、あえてSPYDを追加する理由はありませんね。

SPYDとVYMの組み合わせが向いている人

結論から言えば、次のような人が保有に向いています。

タイプ1 
<VYM派でSPYD追加を検討している人>
■VYMだけでは目標とする期限内に十分な配当金を確保することが難しい。
■年間3.4%(税引後)程度に利回りを上げれば満足いく水準の配当金が得られる。
タイプ2 
<SPYD派でVYM追加を検討している人>
■SPYDの銘柄分散では不安が残る。
■年間3.4%(税引後)程度に利回りを下げても十分満足いく水準の配当金が得られる。

高配当株ETF投資は、『配当金で生活費全てを賄う』または『生活費の足しにする』ことが目的です。

因みに、筆者はタイプ1の投資家です。

例えば、経済的自由達成(配当金>生活費)を投資目的にしている私の場合、資産1億円程度が手元にあるなら、税引後利回り3%の水準でVYMに全額投資します。

年間約240万円20万円/月)の配当金(>生活費)となる計算で、リスクを伴うSPYD追加による配当金増が目的達成のために不要だからです。

しかし、実際には1億円を用意するには長い年月が必要です。

より少ない投資金額で目的を達成するためには、配当利回りの向上が必要となるので、筆者はVYMにSPYDを組み合わせています。

筆者は、SPYDとVYMの配当利回りが、それぞれ5%と3.5%を超えてきた段階での買い増しを目標にしています。

ポートフォリオ全体の配当利回りは4.25%(税引後3.4%)になる計算です。

税引後に約3.4%の利回りを確保できれば、投資額6,000万円で年間約204万円17万円/月)の配当金を受け取れます。

投資額6,000万円であれば1億円に比べてハードルが下がるので実現可能性が高まるという算段です。

筆者は、以上を前提に約3.4%の利回りで十分だと考えて、SPYDとVYMを組み合わせる選択をしました。

この配当利回り水準で満足できない人は、リスクと引き換えにVYMをHDVと置き換えるか、SPYDの比率を高めていくということになります

配当系ETFにご関心がある方向けに、以下の記事も気合いを入れて書いております。

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