米国高配当株ETFへの投資を通じた配当金生活を目指しているゴンぎつねと申します。現在は1,000万円以上を資産運用中ですが、その資金の大部分を米国高配当株ETF(SPYD・VYM・HDV)で運用しています。
今回は、私も実際に投資しているHDVについて、その特徴を徹底紹介します。
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【HDV】基礎概要(株価・配当金・経費率)
運用会社 | BlackRock社 |
株価(2021年9月) | $90.42(最高値$98.06) |
配当実績(2020) | $3.567859 |
平均配当利回り(2012年〜) | 3.57% |
年平均リターン | 59.5億米ドル(約6,280億円) |
最大下落率 | ▲37.0%(2020年) |
銘柄数 | 75 |
経費率 | 0.08% |
純資産総額 | 73億ドル(約8,000億円) |
設定日 | 2011年3月29日 |
ベンチマーク | Morningstar Dividend Yield Focus TR USD |
(出典)iシェアーズ・コア米国高配当株ETF |
HDVの特徴
HDVの特徴は75銘柄に分散していますが、上位10銘柄で構成比率の半分以上を占めている点です。
上位10銘柄が構成比率に占める割合はVYMが約24%、SPYDは10.3%なので、米国高配当株ETFの兄弟の中では特定の銘柄がパフォーマンスに与える影響が大きくなります。
投資の原則である分散の観点からは、少しきになるところでしょうか。
時価総額加重平均で構成比率が決まるVYMや、企業の時価総額に関係なく1.25%づつ均等に80銘柄保有するSPYDとはポートフォリオの組み方のルールに明確な違いが見て取れます。
高配当化している株式の中には、財務状況がボロボロであり、一時的に高配当している銘柄(今後は減配の可能性が高い)も存在します。HDVはこうしたものを取り除いて、今後も高配当を維持できそうな銘柄に絞る一手間を加えています。
HDVは財務健全性でスクリーニングした高配当である米国大企業に投資するETFです。財務健全性が高いということは、減配リスクが低いことも期待できます。
実際に、コロナショックの暴落局面でもHDVは10%以上も着実に増配を実現しました。
【HDV】上位構成銘柄(2021年10月1日)
HDVは財務状況が良好な企業をスクリーニングしているので、減配の可能性が低い銘柄が中心と紹介しました。個別にその銘柄を見ていくと、ポートフォリオの中心は連続増配銘柄がコアとなっていることが見て取れます。そして、当然ながら財務健全性に優れた銘柄となってますね。
HDVは、これらの銘柄にある程度集中することでVYMよりも高い配当利回りを実現しています。
銘柄名 | S&P格付 | 連続増配年数 | 保有割合 |
Exxon Mobil | AA- | 37年 | 9.05% |
AT&T | BBB | 36年 | 7.97% |
Chevron | AA | 32年 | 6.11% |
Johnson & Johnson | AAA | 57年 | 5.68% |
Verizon Communications | BBB+ | 57年 | 5.60% |
AbbVie | BBB+ | 49年 | 4.95% |
Procter & Gamble (P&G) | AA- | 64年 | 4.48% |
Merk&Co | AA- | 8年 | 3.88% |
Philip Moris International | A | 54年 | 3.78% |
Coca-Cola | A+ | 58年 | 3.34% |
合計 | 54.84% |
【HDV】セクター構成

【HDV】最大下落率
HDVは財務健全性の良好な銘柄を中心にポートフォリオが組まれていますが、コロナショックの当時は37%下落しました。暴落耐性は可もなく不可もなくと言うところです。

【HDV】暴落局面からの回復速度
HDVは2020年3月23日に$61.93(終値)の安値をつけます。そこから約1ヶ月程度で$80程度(+29%)の回復を見せますが、そこから暴落前の株価に戻すには約13ヶ月かかっています。
暴落の80%程度はすぐに取り返しましたが、残りの20%は辛抱が必要という結果でした。因みに、VIGは約6ヶ月、VYMは約11ヶ月で全戻しでした。

【HDV】トータルリターン
HDVは設定以来概ね10%程度の平均リターンで推移しています。ここ10年は米国株市場が非常に好調だったので特別良いと言うわけではありませんが、インカム中心のETFでありながら他の諸外国に投資するよりは高いリターンであったと言えます。
高配当株ETFとの比較では、一番控え目なリターンになっています。

【HDV】配当金実績
HDVは設定以来、概ね右肩上がりの配当金推移を継続しています。コロナショックの最中である2020年に大幅増配を実現したのが最大の評価ポイントです。

【HDV】配当利回り推移
HDVは2011年に設定されました。2012年から現在までの平均配当利回りは3.57%となっており、コロナショック前までの計算期間では3.50%程度となります。
また、通常期においても安定して3.0%以上の配当利回りが確保できるのが魅力です(VYMは2%台であることも珍しくありません)。

【HDV】増配率実績
HDVの増配率は2012年から2020年の8年間で年平均7.92%となっています。増減を繰り返すSPYDと比較すると増配が読みやすいETFです。
しかし、過去の実績的にはVYMには劣る増配率となっています。
HDV | VYM | SPYD | |
2013 | 6.70% | 10.06% | – |
2014 | 9.87% | 9.14% | – |
2015 | 17.55% | 12.57% | – |
2016 | ▲6.25% | 2.79% | – |
2017 | 9.26% | 8.60% | 15.23% |
2018 | 4.75% | 10.42% | ▲6.90% |
2019 | 3.88% | 7.17% | 8.02% |
2020 | 11.21% | 2.46% | ▲6.86% |
平均 | 7.12% | 7.90% | 2.38% |
【HDV】まとめ
HDVは独自のスクリーニングを効かした上で、(ETFにしては)比較的集中投資を行うスタイルが最大の特徴です。つまり、分散性をある程度妥協することで、高い配当利回りを実現しています。
逆説的ですが、集中投資をするための財務健全性を軸にしたスクリーニングの一手間をHDVは行ってるということだと思います。
上位10銘柄がポートフォリオの半分以上を占めているので、この10銘柄に対する信頼感がHDVが欲しいと思えるかの判断ポイントになると思います。
上位銘柄を見てもピンとこない人はVYMのように最大限に銘柄分散を行っているETFの方がおすすめです。
また、どうしてもトータルリターンはVTI・VOO・VYM・HDVに完全劣後するので、あくまでインカム狙いの投資スタイルで検討すべきETFです。
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