少し遅くなってしまいましたが、2022年6月末時点の資産運用状況報告です(4月と5月分もダイジェストでお伝えします)。私は米国高配当ETF(VYM・SPYD・HDV・SCHD)をコアにインデックス投資でポートフォリオを固めています。
色々とあり、4月と5月の状況報告が出来ておりませんでした。結論から言うと、5月末は含み益が過去最高を更新し、6月末時点では大幅な下落を経験中です。
今後も割安になったと思うタイミングで買い増していくだけなので、心理的には浮き沈みが特にありません。2022年6月時点でマーケットの最大の関心時は米国の8%を超えるインフレとFRBの利上げの行方でしょう。マーケットは金利動向に一喜一憂して株価が動く、ボラティリティ高めの相場になっていますね。金利影響を最も受けやすいNASDAQは1日で3%の値動きを見せるのも珍しくなくなってきました。
それでは、今回もマーケットの振り返りと私のポートフォリオの状況を綴っていきたいと思います。
2022年6月のマーケットの振り返り
2022年6月はなんといっても、FRBのサプライズでの75bpの利上げに集約されるでしょう。前回のFRB会合でパウエル議長は『(今回のように)50bpsを既定路線とは考えていない。利上げペースを早めることに執着していない』と述べたことで、当時は25bpsまたは50bpsのどちらかという雰囲気であったのでハト派的と理解されて、株価が上がりました。したがって、FRB会合の直前までは50bpsが妥当だとの見方が大勢を占めていました。
そこに数日前より、(意図的なリークがあったとされていますが)6月会合では75bpsの利上げが検討されているようだとの観測気球が打ち上がり、会合前にはFed Watchで90%を超える市場関係者が75bpsの利上げが行われることを織り込んでおりました(そして、実際に75bpsが発表されたことで株価は数%の下落を見せました)。
パウエル議長の5月会合のコメントを受けて、趣旨はともかく75bpsはないと少なくとも市場は”勝手に”理解していたので悪い意味でのサプライズになりました。75bpsは1994年11月以来、約28年ぶりという急ピッチの利上げ水準になります。なぜ、ここまでのドタバタになっているかといえば、米国のインフレが全くピークアウトをしないことから、常態化する懸念が高まっているからです。

右肩上がりの米国消費者物価指数(CPI)が2022年4月に前月比で下落をしたことから、ピークアウトしたとの楽観的観測もあったのですが、2022年5月は予想8.3%に対して結果8.6%(←40年5ヶ月ぶりの前年比上昇率であり、米国人も初めて経験する人がほとんどというレベルなのです)とまた伸長したことから『ピークアウトしとらんやんけ!』となったわけです。FRBはインフレ封じ込めへの能力に疑義が生じると、市場から失望されて発言に重みがなくなるので、投資家期待を裏切ってでも一段踏み込んで75bpsの利上げを実行せざるを得なかったということでしょう。
ここにきて急速にリセッションは避けられないという見方も強まっています(景気を熱しも冷やしもしない中立金利(2.4%程度)を超えて利上げしないとインフレはおさまらないと市場関係者が考えているため。また、足元のインフレは世界の工場である中国の上海ロックダウン(生産停止&物流停滞)やロシアによるウクライナ侵攻を契機としたエネルギー輸出停止など物理的供給不足による側面が大きく、金融政策にどこまでインフレ抑制の効果が期待できるのか懐疑的な見方もある)。
パウエル議長も、『ソフトランディグは可能だ』との強気な姿勢から、ここにきて『ソフトランディングは非常に困難。景気後退もあり得る』とかなりトーンダウンをし始めています。
私にも今後の米経済や金融市場がどう動くのかは分かりませんが、QT(量的金融引き締め)はまだ本格化しておらず金融環境はまだ緩和的であることを踏まえると、保守的な姿勢で望みたいと考えています(FRBの金融緩和(引締)に呼応するように株式市場は上下してきた傾向があります)。最近の下げはQTも折り込み始めているのでしょうか、十分かどうかは蓋を開けるまで分かりません。

米国証券口座(Firstrade)の運用状況

運用益ですが、次の通りボラティリティが激しくなっており、6月は落ち込みが大きな月となりました。4月:$20,628⇨5月:$27,041⇨6月:$13,803
なお、現在の資産運用額は1,940万円程度となっております(5月と6月でSCHDを結構買い増ししました)。
落ち込みが大きくなったのは、これまで不安定な株式相場の中にあって逃避先として資金流入があった高配当銘柄からも資金が抜け始めたことが一つ、そして5月に大きく買いましたSCHDがそのまま含み損になりSPYD・VYM・HDVの含み益を食べてしまっていることが大きいです。
個人的にはようやく買い増しを行いたくなる水準になってきましたので、含み益縮小は嬉しくはないものの、そこは仕方がないかなと割り切っています。また、円建で資産評価を見ている人は円安効果でそこまで資産が減ったとの印象を受けていないかもしれないですね。
ただ、こうして冷静に眺めると足元の為替では180万円ほど消し飛んでいます。しかし、平穏な毎日を過ごしています。これは私のリスク許容度が高いというのもあるのでしょうが、私は自分が何に投資しているのかはよく理解しているつもりなので想定範囲の動きであることも大きいです。改めて、目論見書とファクトシートを読んで自分のポートフォリオを構成するETFおよびその運営主体については手触り感を持っておくことが当然ですが非常に重要だと思われます。
バンガード社、ブラックロック社、ステートストリート社、チャールズシュワブ社の低コストファンドだけを厳選してポートフォリオ構築しているので長期にわたって低迷しても問題ありません。投資元本は削られないし、運営主体の財務基盤も強固なことを確認しています。長期投資を前提としてコストにしっかりこだわる基本スタンスでポートフォリオを固めているので一時的な数百万円の含み損は私の中で懸念を生じません(手数料が高い銘柄が長期間低迷すると、回復時の上昇はすり減った元本に対してなので含み損の解消がより困難になりますので高コスト銘柄は個人的に距離を置いてます)。
楽天証券の運用状況

インデックス枠で利用している楽天証券の口座状況ですが、当然のごとく含み損になっていますね。ただ、ドルコスト平均法で積み増しているので下落率は▲1.79%とマイルドです。一括投資の合理性はさておき、投資開始序盤では含み益が作れたという体験が今後のモチベーションや相場低迷期を乗り切る自信になりますのでドルコスト平均法で投資金額を増やしていくのが一般にはおすすめしやすいかなと改めて感じるところです。
あとは、色々な記事で書いてますが、配当金があると下落相場でもそれなりに楽しめます。

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