<本記事の要旨>
【マーケット関連】
✔︎米国はインフレピークアウトの観測が強まる
✔︎年明けの決算シーズンに注目
【資産運用状況】
運用残高:$163,899(↑7.8%)
運用益:$1,284→$17,005→$26,465(↑55.6%)
11月末時点の資産運用状況の報告を行います。欧州の高インフレが引き続き深刻である一方で、米国はすでにインフレはピークアウトしているという雰囲気が株式市場に感じられたひと月でした。
このような環境下でVYM、HDV、SPYD、SCHDの米国高配当ETFを中心に2,300万円ほど運用している私のポートフォリオがどのような動きを見せているのかを本記事で公開して行きます。なお、私は楽天証券ではインデックスファンドの積立投資を実施中ですのでこちらにも触れます。
2022年11月マーケットの振り返り
欧米先進国におけるインフレと中央銀行の金利動向が引き続き相場の主役であることに変わりなく、特質した話題はないように感じられました。世界各国のインフレデータをいかに載せておきます。
Country | 直近 | 前回 | 参照日 | 単位 |
---|---|---|---|---|
China | 1.6 | 2.1 | Nov/22 | % |
Saudi Arabia | 2.9 | 3 | Nov/22 | % |
Switzerland | 3 | 3 | Nov/22 | % |
Japan | 3.7 | 3 | Oct/22 | % |
South Korea | 5 | 5.7 | Nov/22 | % |
Indonesia | 5.42 | 5.71 | Nov/22 | % |
India | 5.88 | 6.77 | Nov/22 | % |
Brazil | 5.9 | 6.47 | Nov/22 | % |
France | 6.2 | 6.2 | Nov/22 | % |
Singapore | 6.7 | 7.5 | Oct/22 | % |
Spain | 6.8 | 7.3 | Nov/22 | % |
Canada | 6.9 | 6.9 | Oct/22 | % |
United States | 7.1 | 7.7 | Nov/22 | % |
Australia | 7.3 | 6.1 | Sep/22 | % |
South Africa | 7.4 | 7.6 | Nov/22 | % |
Mexico | 7.8 | 8.41 | Nov/22 | % |
Netherlands | 9.9 | 14.3 | Nov/22 | % |
Germany | 10 | 10.4 | Nov/22 | % |
Euro Area | 10.1 | 10.6 | Nov/22 | % |
United Kingdom | 10.7 | 11.1 | Nov/22 | % |
Italy | 11.8 | 11.8 | Nov/22 | % |
Russia | 12 | 12.6 | Nov/22 | % |
Turkey | 84.39 | 85.51 | Nov/22 | % |
Argentina | 92.4 | 88 | Nov/22 | % |
欧州ではまだまだ悲壮的な雰囲気が漂う中で、米国ではインフレがピークアウトしたとの見方が広まっていることや利上げという逆風の中でも米国景気が思ったより強いということで11月は株価回復が目立つ展開となりました。

米国株式市場が上昇相場を演じたことからもインフレや利上げに対しての慣れ(中だるみ)を感じますが、強いてこれまでと違う点を挙げるとすれば、これまでは各FOMCにおける利上げ幅に焦点が当たっていた(75bps or 50bps)ところが、ターミナルレート(利上げ終了時点の政策金利)の水準や、ターミナルレートがどれぐらいの期間維持されるのかに注目の軸足が移ってきているように感じます。
FRBのパウエル議長は『インフレが2%台に低下する確証が得られるまでは、利下げは考えない』という姿勢を明確にしています。一方で、金融市場の一定割合は2023年中に利下げが行われるだろうと期待しています。この期待値のせめぎ合いで株価が上昇と下降を繰り返すような相場になっています。
また、米国の景気後退が意識され始めています(株式市場としてどう景気後退を織り込むのか?)。年明けから米国は決算シーズンに突入します。これをターニングポイントにして金融相場に業績相場が混在していく展開になるかと思います。現在は憶測ベースで株価が動いてますが、憶測が事実として固まっていく中で株式市場がどういう方向に動くのかに注目していきたいところです。なお、上向くのか調整相場になるのかは私には分かりません。
それで良いと思ってはいるのですけどね(シカゴ経済学派が考えるようにランダムウォーク理論が株式市場において有効であるならば、短期的な上がり下がりを予測することに意味はありません)。私の場合は、予測ができないことを前提にワーストシナリオでも問題がないようにリスク管理をしながら、自分の人生と投資をうまく結びつけていくのみです。
長期投資はいかに長く市場にとどまるか。短期中期にフォーカスすればいかに勝つかという発想になりますが、長期投資はいかに負けないか(負けになる要素をいかに取り除くか)。これを意識して相場に向き合っています。
米国高配当ETFの運用状況

9月の下落で含み益が大きく減少していたので10月以降は消滅もあり得るかなと考えていたのですが、相場は上に動いたので含み益は過去最高と言わないまでも無傷というような水準まで回復しています(この間にもドルコスト法的に追加投資をしており、かかる追加投資に対する含み益も乗っていますので運用総額に対する含み益の割合としては過去水準から見ると減少しています)。
11月末時点の含み益は$26,465となっています。今年はバリュー銘柄が強い展開が続いていますので、米国高配当ETF(VYM・HDV・SPYD・SCHD)についてはその恩恵も感じます。もともと大してダメージを受けてない感覚が強いです。HDVに至っては年初来のリターンはプラス圏を保っています。
インデックスファンドの運用状況

インデックスファンドは楽天証券でNISA枠(年間120万円)をうめることを目標に積立しています。ドルコスト平均法で積立をしていますが、こちらも黒字になっています。この下落相場で感じるのは投資経験が豊富でない人は無理に一括投資をしなくても良いのではないかと感じます。そもそもインデックス投資というのは短期的にお金持ちになる投資手法ではなく息の長い旅路になります。投資効率や合理性に投資内容が引っ張られすぎると早晩無理が来るかもしれませんし、その重要性も無理をするほどの価値はないと思います。
この10年は出来過ぎな期間だったので、『インデックスファンドは増えるに決まっている。とにかく早くたくさん買い増すのが正義』という風潮が強いですが、これにのる必要は必ずしもありません。
資産運用は周囲との競争ではありません。各々がゴールを自分で設定して、その進捗が個人的に順調であれば問題はないです。また、それが唯一の正義です。

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