米国株投資が、なぜ他の地域に対しての投資に比べて魅力的なのかを考える記事です。本記事は後編ですので、ぜひ以下の前編と合わせてお読みください。
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株主還元が文化として根付いている(増配率✖︎年数)
米国は『企業の使命は株主に報いること』という意識が非常に強いです。
経営者は常に『株主に対してどれだけ利益をもたらしたか』という観点で厳しく評価され、結果が残せない経営者はすぐに首になります。
このため傾向として、米国企業は株主還元意識が大変強いです。この緊張感が米国企業の競争力ひいては株式市場の強さに繋がっています。
この株主還元意識の違いは、株価指数連動型のETFの分配金推移を比較すると良く分かります。
米国はそう簡単に配当金を減らしません。米国では減配は株主に対する背信行為と解釈され無能な経営者と見なされるためです。一方で、欧州や日本は景気動向などにより減配が、簡単に行われます。



こうして比較するとVTI(米国)の右肩上がりの分配金に対してTOPIX(日本)やVGK(欧州)の凸凹具合が目立ちます。
また、増配率においてもVTIは両者に比べて圧倒的です。
直近10年の平均増配率はVTIが9.29%で、ライバルであるVGKの5.75%を大きく上回ります(TOPIXは乱高下が大きすぎる)。
そして、この株主還元意識の差はハッキリと株式市場のパフォーマンスの差として現れています。

米国株投資しか勝たん。その最たる理由は、米国企業の株主還元に対する意識の圧倒的高さです。投資をするということは、我々が株主になるということです。我々の利益を一番に考える米国企業と、そこそこの日本や欧州では、どちらが最大の利益をもたらしてくれるか。
可能性で言えば、米国ではないでしょうか。
株式投資が当たり前のお国柄(米国政府が相場に友好的)
日本では岸田政権の『金融所得課税の増税』が個人投資家の間で注目を集めています。これは現在一律20%である株式利益の税率を引き上げて、分配していくというものです。
岸田首相は『新しい資本主義』と言いますが、内容は至って社会主義的な発想でしょう。岸田政権の支持率は6割もあるそうなので、日本国民はこの動きに対して特に何も感じていないようです。
市場に過度に依存し過ぎたことで生じた、格差や貧困の拡大。自然に負荷をかけ過ぎたことで深刻化した気候変動問題。
こうした、資本主義の弊害に対応し、持続可能な経済を作り上げていく。国家資本主義とも呼べる経済体制からの強力な挑戦に対抗し、これまで以上の力強い成長を実現させていく。
ー岸田首相ー
米国で同じ増税案を発表したらどうなるでしょうか?富裕層だけでなく一般層も反発を示すと思いますよ。それは米国では、一握りの限られた国民だけでなく、普通の人が米国株式市場で引退後のための資金を運用しているからです。

日本は家計資産の割合が、現預金のみで5割以上を占めます。金融市場で運用している家計資産は僅かに15.7%に過ぎません。
ところが米国の場合は、国民の家計資産の45.2%が金融市場で運用されています。つまり、金融市場がダメージを受けるということは国民生活が直接ダメージを受けることになるのです。
多くの米国市民にとって老後生活は米国株式市場と運命共同体なのです。国民の老後生活を破綻させる訳にはいかないので、当然、米国政府には米国株式市場が安定的に成長していくために必要な政策を取るインセンティブが働きます。
このように米国と日本は、政府と国民にとって株式市場の重要性が全く異なります。どちらの国の株価指数が伸びやすいかは自明ではないでしょうか(実際、S&P500は毎年のように最高値を更新しますが、TOPIXは1989年以降一度も最高値を更新できていません)。
米国政府と米国民が世界一真摯に株式市場に向き合っていることが、米国株しか勝たん理由の一つです。米国政府には株式市場を支える理由があるし、(現在も増えている)3億人の米国民は米国株式を今後も買い増していくでしょう。
こんな株式市場は世界広しといえど、アメリカぐらいでしょう。
おまけ(米国株価指数の現状/勢い)
前編・後編と米国株式市場が最強である理由を語ってきましたが、その現状を最後にご紹介します。

リーマンショック以降の株式市場は米国の一人勝ち状態です。世界全体の時価総額に占める米国の比率は50%を超えて、その勢いを増しています。
欧州全体・中国・日本のすべてを足しても、米国一人に勝つことが出来ないのです。そう、まさに『米国株式投資しか勝たん』ということです。
(本記事内容の前編はこちらからお読み頂けます)
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