つみたてNISA✖️米国株インデックス投資(eMAXIS Slim S&P500, 楽天VTI等々)の勢いが止まらないですね。
日経新聞(2021年12月30日)の記事によれば、2021年は個人投資家による海外投信への流入金額が過去最高を記録したようです。その金額は、なんと7兆円。
純流入が大きい上位投信は米国関連が占めているようです。日本の『貯蓄から投資へ』はまだまだ道半ばですが、『米国株投信最強』の雰囲気が日本でも着実に広がってきてますね。
今回は、米国企業群の何が凄いのかを具体的に見ていきたいと思います。はじめに言っておくと、米国企業の競争力が圧倒的すぎて『すごい』より『恐い』との感想を持ちました。
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世界時価総額TOP100社の6割は米国企業

世界時価総額ランキングにランクインしている企業の国籍を見ると、米国が60社と圧倒的1位です。その数は2位の中国12社に5倍の大差をつけています。
加えて、その内容も新興企業から成熟企業までバランスが良いのが、米国の特徴です。古くはExxon Mobil, Verizon, Philip Morisなどの古豪から現代最強のGAFAMまでラインナップが他国には真似の出来ない豪華さです。3位のフランスでさえ4社なので、他国は布陣を揃えようがないのですが。。。
そして、時価総額ランキングのTOP10は、米国新興企業がほぼ独占しています。
日本からはトヨタ(40位/1933年設立)、キーエンス(83位/1974年設立)、ソニー(86位/1946年設立)がランクインしていますが、キーエンスは議論の余地はあるものの基本的には成熟企業です。市場牽引力には疑問符がつきます。この対比からも、米国市場の次世代を牽引する企業が次々に登場する強みが印象的です。
順位 | 創業年 | 企業名 | 国籍 |
1 | 1976 | Apple | 米国 |
2 | 1975 | Microsoft | 米国 |
3 | 1998 | Alphabet (Google) | 米国 |
4 | 1933 | Saudi Aramco | サウジアラビア |
5 | 1994 | Amazon | 米国 |
6 | 2003 | Tesla | 米国 |
7 | 2004 | Meta(Facebook) | 米国 |
8 | 1993 | NVIDIA | 米国 |
9 | 1967 | Berkshire Hathaway | 米国 |
10 | 1987 | TSMC | 台湾 |
この時価総額ランキングへのランクイン数や、ランクイン企業の層の厚さを見ると、改めて米国企業ひいては米国市場自体の強さが際立っています。
この圧倒的層の厚みと、市場牽引役となる新しいエンジンが次々に登場する経済基盤。これを米国株投資しか勝たん理由の一つ目に挙げたいと思います。
米国は人口増加でも勝ち組(世界銀行見通し)

今後の人口成長の中心はアジアやアフリカなどの発展途上地域に移っていくのが自明で、先進国が世界人口に占める割合が低迷していくことは避けようがありません。
人口=消費者ですから、基本的に経済は人口規模に比例します。例えば、米国経済(GDP)の7割は国内消費によるものです。日本は6割程度が国内消費です。GDPの大部分を占める国内消費の減少につながる人口減は経済を停滞させます。
当然、株価も上がりづらくなります。少子高齢社会は先進国共通の悩みと思われがちですが、実際には勝ち組と負け組が存在します。
米国は、ここでも勝ち組で国内市場はこれからも拡大していく見通しです。G7内で圧倒的な経済力を誇る米国ですが、この傾向は今後も続きそうですね。むしろ差を広げそうです。
GDPの7割を占める国内市場(3億人市場)が今後も拡大し続ける。これが米国株投資が今後も勝ち続けるであろう理由の2つ目です。
世界で圧倒的に儲ける米国企業

『全世界派VS米国派』インデックス投資家の間で議論が尽きない話題ですよね
全世界派の主張としては、『新興国市場の成長も無視出来ない。全世界に広く分散して取りこぼしがないようにすべき』というところですね。
一方で、全米派は『今後も米国が世界経済の中心であり続ける(余計なトッピングはいらん!)』といったところでしょうか。
このままだと、想定している前提自体が異なるので議論として成立しませんね。後者の全米派主張は”期待”もだいぶ入り混じっているので、私はこの時点では実は全世界派です。
実際にNISA積立は、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)です。しかしですね、以下の質問設定をすると、全米派に気持ちが揺れることも多々あるんです。
結論から書くと、米国企業が新興国市場の富の増加の恩恵を一番受けると私は考えています。
『新興国市場の成長=新興国株の上昇』という等式を描きがちですが、新興国市場のパイが広がることで恩恵を受けるのは現地企業ばかりではありません。
むしろ、グローバルにステータス・ブランドを確立している企業がより大きな恩恵を受けたりします。例えば、日本人が当たり前のように飲んでいるコカ・コーラを片手にファストフードを食べる生活に憧れている人々が新興国には数多くいたりします。
もう新興国扱いするのも失礼かもですが、タイのバンコクに行けば日本ブランドで溢れています。このように生活水準が向上している人々にとって先進国企業の商品は憧れ(ステータス)なのです。
この事実は統計にもよく現れています。国連の経済組織であるUNCTADが、本国以外に海外資産を持つ企業のランキングを発表しています(海外資産とは製造拠点であったり、販売拠点だったりですので、ここにランクインする企業はグローバルに儲けている企業とほぼ同義です)。
そして、上位100社企業の国籍をカウントしていくと、以下の事実が読み取れます。
欧米企業が本当に強い。そして、米国企業はもはや恐怖を感じるほどに強い。
グローバルに稼ぐ能力で突出している企業が米国に集中している。これが米国株投資しか勝たん理由の3つ目です。
ランクインした米国企業の詳細

UNCTADの海外資産ランキング(上位100社)にランクインした具体的な米国企業のリストです。
成熟企業から新興企業までバランス良くランクインしています。Google Apple Facebook Amazon(GAFA)を筆頭によく知られた米国企業が多いのではないでしょうか。
Exxon MobilやChevronは私たちの日常生活に欠くことのできないエネルギー資源を押さえており、売上の半分以上が海外です。
コロナワクチンで世間一般にも知名度を高めた製薬企業Pfizerや、バンドエイドでお馴染みの(実は最強の医療機器メーカー)Johnson&Johnsonやファブリーズなど日用品の数多く製造しているP&Gなども米国以外での売上が半分近くを占めています。
バフェット銘柄でもあるCoca-Colaに至っては、売上の7割近くが海外です。これらの企業の稼ぎ場は米国に留まりません。新興国市場の富の拡大の何割かが確実に、これらの企業のお財布にこぼれ落ちるのは必然です。
この企業群の勢いを眺めていると、確かに全米株式市場に投資してれば世界経済拡大の恩恵を十二分に受けられるのではないかという気持ちになってきますね。
『米国企業の収益力の恩恵を如何に頂戴していくか』が日本人の資産形成の鍵を握ると思います。そして、王道の市場連動型のインデックスファンドが有効な手段だと思います。
後編はこちらからお読み頂けます。
また、ランクインしている米国企業は『力強い連続増配を続けている』という強みが傾向的に見て取れます。これらの企業のインカム成長に魅力を感じる方はVYMもおすすめです。
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