投資・消費・浪費のバランスを整え経済的自由を達成する
日本政府調べによれば、『近年の日本人は無駄遣いには非常に慎重であり、買い物前には内容と価格を吟味する』という結果が出ています。
そして、支出に関する意識調査では次のような回答結果になっています。

50%以上の人が『支出を減らすつもり』と回答しており、『支出を増やす』つもりの人はわずか5%程度です。
このように支出管理意識はとても高い日本人ですが、家計はとても厳しい状況です。

年齢別の家庭における貯蓄と負債のバランスを表示しているグラフになりますが、平均値をとると50歳未満の全ての年代で負債>貯蓄(つまり赤字家計)になっています。
このグラフを見ると60歳以上の高齢者層は極端に豊かな一方で、現役世代のほとんどは厳しい家計状況にあるということです。
現役世代が経済的自由を勝ち得るには、正しい知識と行動指針が必要が不可欠(世間一般の普通の暮らしをして豊かになれる時代は過ぎ去りました)。
投資とは何か
投資とは資産を購入する支出です。消費や浪費はその一回限りお金が出て行くだけで完結する支出です。
一方で、資産は購入時にお金が出て行きますが、その後はあなたの財布にお金を運んできてくれるものになります。
つまり、投資とは『お金を増やす仕組み』を購入するための支出です。
株式なら配当金、不動産なら家賃収入という形で、家計の黒字化に貢献します。
生活を豊かにしていきたいなら、収入を一定程度投資に回すことが多くの人にって必須になってきます。
稼ぎが少ない人ほど収入源を増やすために必要な支出なのですが、実際にはお金持ちの方が投資に対しての意識が高いのが現実です。
消費とは何か
消費とは生活する上で避けられない費用のことです。
(例)食事、家賃、衣服費、通勤費用
社会生活を円滑に営むという意味では最低限の交際費もここに含めても良いと筆者は考えています。
例えば、会社の飲み会を全て断るのは普通のサラリーマンには難しいですし、3回に1回は付き合うなどとルール化出来ている範囲なら消費にカウントしても良いということです。
あくまで仕事上の関係を円滑にする目的ですから、他の部分でカバー出来ていて飲み会不参加でも仕事上問題ないのであれば、飲み会代金は全て後述の浪費になります。
生活や社会生活を送る上で必須の支出という視点で判断しましょう。
この消費には少しの工夫で減らせるもの(光熱費・住居費・通信代金)もありますから、本当に無駄がないか見直しましょう。
具体的な見直しの例は最後部の関連記事でも紹介しています。
浪費とは何か
浪費は生活上の必要性はないが、生活の質向上(Quality of Life)のために費やすお金です。
趣味や見栄のための支出が該当しますね。
例えば、高級時計や宝石は生きるのに不要ですが、生活の満足度を向上します。
意外と見落としがちなのは、生活必需品(=消費)と認識している支出の中にも浪費は多く存在しているという点です。
例えば、通勤や日常生活に車が必要という方がいるとします。移動手段として廉価な中古車を購入するのであれば消費です。
しかし、車のデザインや機能性にこだわり人気の新車を購入するのは浪費になります。
また、衣服でも必要最低限にユニクロ等で済ませるのは消費ですが、世間体上の見栄やファッション性を求めてブランド物を選択するのは浪費になります。
昨今では生活必需品であるPCやスマホにおいても高価なApple製品である必要はないですから、これも浪費ですね。
家計の支出を最適化するには、生活必需品に隠れた浪費を把握して支出レベルを消費に変えることは出来ないか検討しましょう。
投資・消費・浪費の適切なバランスを理解する
投資・消費・浪費の違いを理解した人は、浪費をゼロにしようと思うかもしれません。
これが経済的自由を実現する1番の近道です。
実は筆者はそんな一人で収入の9割を投資に回すことをライフワークにしています。
しかし、筆者の場合が異常であって(支出削減をゲーム感覚で楽しんでいる。浪費を削ることが満足感につながる稀有な例です)、人間である以上浪費を完全に切るのは非常に困難です。
人が満足度の高い人生を生きたいと思うのは当然で、実現性を考慮しながら家計のバランスを整えるには感情と上手く付き合える仕組みでなくてはなりません。
浪費が許容範囲内に収まり且つ罪悪感なく支出できる仕組みが必要です
具体的な数字目標を伴うには、本多静六の『私の財産告白』で紹介されていた給与の4分の1を貯金・投資用資金として最初に取り分けて、残りで生活する方法が参考になると考えています。
本田静六は明治時代の林学博士です。人生の前半を強烈な貧乏の中で生きますが、後半はドイツ留学中の恩師の教えに従い、鉄道や林業への投資で巨万の富(現在の価値で100億円程度)を築いた元祖日本人投資家です。
彼の人生の転機になったのは、東大助教授の職を得てなおも貧乏生活を送っていた時で(当時親兄弟親戚9人を養っており生活は困難を極めました)、普通に暮らして残りを貯金するやり方では貧乏生活から脱却出来ないと悟り、給与の4分の1と臨時収入の全てを貯金に回すことを決意したことです。
筆者も経験済ですが、慣れるまでは大変ですが、給与の天引きがルーティーン化してしまうと意外とその生活が普通になります。
貯金が溜まり始めると精神的にもゆとりが生まれ始めます。さらに、投資に回せる資金も蓄積されてくるので、雪だるま式に生活の豊かさが改善していくのです。
本田静六は当時ドイツ留学をしたことで教官から『投資』についての正しい知識を学ぶ幸運を得ましたが、それを具現化出来たのは困窮生活の中でも投資資金を蓄積する本人の努力があったからです(人生を変えられるのは本人の行動だけです)。
我々の生活に応用するなら、収入の25%は将来の豊かさにつながる活動に充てるのです。残りの75%については細かく精査する必要はありません。
行動指針がこのぐらいシンプルであれば、多くの人も真似できるかと思います。
加えて、私達の多くは9人分もの生活費を自分一人で賄う必要はありませんから、ハードルもずっと低いので、実現性はかなり高いはずです。
資産100億円は時代の恩恵もあると思いますが、日本人の給与水準であれば誰でも資産数千万円は目指せると思います。
現代生活に置き換えると、手取り20万円であれば5万円、30万円であれば7.5万円は先に貯蓄・投資口座に移してしまいます。
家賃や通勤費など固定費用は決まっているので、浪費できる金額はおのずと決まります(浪費に対して罪悪感を抱く必要もありません)。
これが投資・消費・浪費の適切なバランスです。
多くの人が不満を抱く人生から脱却出来ないのは、理想や高い意識に行動が伴わないからです。
実際に成功するための道は意外とシンプルです。明暗を分けるのも単純な行動を継続できるか否かとシンプルなことが多いのです。
筆者は収入の9割を貯蓄・投資に回すことで3年間で資産1,000万円を実現しました。
これが結果を伴った証明です。『給与の4分の1と臨時収入の全てを貯金に回す』シンプルな行動規範ですが、行動すれば必ず資産数千万円は実現出来ると自分の経験から確信が持てます。
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