自分が実際に投資するにあたり、手元に残すべき現金の割合で悩んだことはありませんか?
私は、対象を米国株式ETFに絞った投資をしているので、現金管理については適切な判断根拠をとても重要視しています。
自分でも散々調べましたが、多くの記事が『現金比率=年齢』と単純に決め打っているのには納得がいきませんでした。
このように当事者の立場で悩んだ結果、自分なりに一つの結論に至ったので、本記事では筆者流の現金比率の決め方について解説したいと思います。
✅これまでに読んだ投資関連書籍は100冊を超える。
✅座右の銘『投資に必勝法はない。投資はまずは負けないこと』
投資に対する現金比率の決め方

私たちが現金比率を決める際に悩むのは、そもそも何故でしょう。

数学の公式のようなもので、空欄に数字を埋めて自動的に現金比率を算出できれば、これほど楽なことはないのに

『この現金比率がベスト!』という感じで詳しい人が私の代わりに決めてくれたら悩まないのに。
と思う人も多いのではないでしょうか。
私が思うに、現金比率の公式が誕生しても、このタイプの人は悩み続けると思います。
何故なら、人は判断のポイントが分からないままに機械的に判断を下すと、その判断に不安が残るからです。自分のお金のことであれば尚更です。
それ故に、『現金比率=年齢』と機械的に判断を下す決め方が、実際には多くの投資家の助けになっていないのです。
逆に言えば、現金比率に不安を残さないためには、現金比率を決める際のポイントをまず理解しましょう。
現金比率を考える際のポイント

もちろん資産形成を効率的に行うためだよ。
答えは、有望な成長市場で長期間に渡り運用することです。
この投資家の間で知られた普遍的事実は統計的検証もされています。
例えば、著名な米国投資家ジェレミー・シーゲルは膨大な研究データを検証した結果、米国株式市場のどの期間で確認しても、20年以上運用した投資家は必ずリターンに恵まれていた事実を発見しました。
この長期投資の前提に立つと、含み損を抱えた時も市場から撤退しないことが重要です。
そして、緊急時に市場から撤退しないために現金を確保します。
この目的(長期運用)と手段(現金確保)の関係を押さえることがポイントになります。
現金比率=年齢は必ずしも正解ではない
『現金比率=年齢』は一見正しいように思えても、一部の投資家にしか有効ではありません。
例えば、家計の収支がカツカツな人は、『現金比率=年齢』では余裕資金が足りず緊急時に市場撤退というリスクが高まります。
一方で、生活費が低く抑えられている高所得者は、現金比率が年齢以下でも市場撤退のリスクに晒される可能性は低くなります。
このようにリスク許容度が実際は年齢以外の要素でも決まるのに、年齢だけで一律に判断することに無理があるのです。
現金比率を年齢だけ決定すれば、市場撤退の回避に十分に備えられなかったり、必要以上に資金運用量を絞り過ぎて市場の上昇局面で恩恵を十分に受けられない恐れがあります。
それでは、『市場撤退リスクを抑えて投資効率を最大化するような現金比率』を決めるにはどうしたら良いでしょうか?
現金比率は2段階構成で決める
投資家が市場から撤退してしまう理由は次の2つです。
なので、適切な現金比率とは①および②を防ぐのに十分な現金水準ということになります
つまり、『現金比率=Tier 1(生活防衛資金)+Tier 2(心理的防衛資金)』が筆者流の現金比率になります。
高齢者は、これに加えてTier 3(老後資金)が必要です。
投資を始める年齢が遅ければ遅いほど、現金比率を高める必要がある(究極的には投資出来ない)ということになります。
早く投資を始めるようの勧められる理由はここにあります。
Tier1 生活防衛資金
『投資は余裕資金で行う』のが基本です。
理想は1年分(最低6ヶ月)の生活費をTier 1に積み立てたいところです。
ご家庭がある人は、必要に応じて『教育資金』や『介護資金』などもTier 1に積み増します。
ポイントは明日収入が断たれても、Tier 1資金で1年間生活を維持出来る状態を作ることです。
ご家庭や個人によって年間支出は異なりますから、当然必要なTier 1資金も違ってきますね。
これはミニマリスト的な生活様式で支出の最適化が出来ている人は、現金比率を下げられる可能性を示唆しています。
Tier2 心理的防衛資金
Tier 1資金を念入りに準備したのに、Tier 2資金を軽視するばかりに市場からの撤退に追い込まれるケースも実は少なくありません。
投資は感情のある人間が行うものですから、コンピューターのように機会的に状況判断が出来ないのです。
例えば、100万円の含み損は資産1,000万円の人間(A)からすれば10%の損失で、資産500万円の人間(B)からすれば20%の損失です。
つまり、投資家Bが受けるダメージは投資家Aの2倍です。
合理的に考えれば、投資家Aの方が現金比率が少なくても市場撤退のリスクが少ないように思えます。
しかし、投資家Bは『Tier 1資金があるから大丈夫』と枕を高くする一方で、投資家Aは夜も眠れないほどにショックを受ける(狼狽売りする)ということが現実には起きます。
これはリスク許容度が経済環境だけでなく、投資家個人の性格にも左右されるということを表しています。
だから、Tier 1資金に加えて、自分の感情と付き合うためのTier 2資金が必要なのです。
Tier 2資金を増やし、投資金額を減らすことで期待損失を自分が許容できる範囲まで下げるようにしましょう。
日々の値動きが気にならない水準(夜もぐっすり眠れる)まで現金比率を高めることを目安とすると良いと思います。
ゴンぎつねの実例
私の場合は1年間の支出を100万円として、Tier 1資金を準備しています。
一方で、Tier 2部分はゼロ円で設定しています。
現在の資産残高は約1,100万円なので現金比率は10%を切っても問題ないと判断していることになります。
『現金比率=年齢』からすると、だいぶ挑戦的な水準ですね。
筆者は現在独身であり、年間400万円以上を貯金出来ていることが背景にあります。
仮に投資運用がパーになったと仮定しても、1年間をTier 1資金で耐えることが出来れば、翌年には400万円の資金が復活しています。
400万円あれば数年間は生活に困らないので、投資で失敗しても問題ないと筆者は思えます。
こうしてシミュレーションした結果、Tier 2資金はなくても、感情と付き合った投資が可能だと私は判断を下しました。
今後、家族環境や雇用の安定度に変化があれば、Tier 1資金やTier 2資金を見直して、現金比率も修正する必要があると考えています。
まとめ
本ブログでは資産運用(米国株中心)や節約につき研究し、その研究成果や考察結果を公開しています。ご関心をお持ち頂けた方はお手数ですが、下記の『米国株』バナーに応援クリック頂けると執筆の励みになります(→より多くの人に読んでもらえるので)!
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