ポンジスキーム(違法)とは?【詐欺から資産を守る】

ポンジスキーム(違法)とは?【詐欺から資産を守る】 倹約のコツ
本記事を読むと分かること■ポンジスキームとは何か
■最近の詐欺例
■ポンジスキームに騙されない方法

ポンジスキーム(違法)とは?【詐欺から資産を守る】

世の中には『楽してお金持ちになりたい』人を騙す詐欺が後を絶ちません。

古今東西、あらゆる詐欺が行われていますが、ことお金を増やす系の詐欺』に関して言うとポンジスキームに行き着きます

ネズミ講もポンジスキームの応用であり、まさしく詐欺の原点にして頂点とも言える仕組みです

時代や流行によって利用される商品は移り変わりますが、中身(詐欺の仕組み)はいつもポンジスキームであり、正しく内容を理解することで詐欺を見抜くことが出来るようになります。

資産形成を行う上で『増やす技術』も大切ですが『資産を守る』ことも同様に大切です。

もし、大きな資産を手にしても一夜で失えば何の意味もありません。本日は資産防衛のための知識武装の一環としてポンジスキームの内容および騙されないためのポイントを解説します。

ポンジスキームとは

ポンジスキームは1920年代に米国で詐欺で天才的な戦果を上げたイタリア人のチャールズ・ポンジに由来する詐欺の仕組みです。

内容はシンプルで『私にあなたの資産を預けて頂ければ毎月10%(2倍でも何でも魅力的な数字を約束します)の運用利益を乗せて返済します』と出資などの名目で不特定多数の人から多額のお金を集めます。

当然最初は、お金を出す人はごく僅かです(明らかに怪しいので当然ですね)。

しかし、ポンジスキームが巧妙なのは最初のうちは約束通りの儲けをきちんと払うことです

ポンジスキームが約束通りに支払を続けていると次のことが起こります。半信半疑だった出資者は、本当に莫大な儲けが出たことに驚くと共に『もっと儲けたい』と思います。

この信者となった出資者は更に沢山のお金を預けます。また、数ヶ月もこの状態が続くと、周囲の疑っていた人も『自分も楽して儲かる仕組みに乗っかりたい』とお金を出しはじめます。

しかし、ある日突然、全てのお金を持った詐欺師と連絡がつかなくなるのです。

この瞬間に詐欺だと全員が気づくわけですが、詐欺師はどのように運用が上手行っていると皆を騙すのでしょうか(最初に成功していると思わせることで人々の警戒心を解き、罠にかかる人を増やすこの詐欺のポイントです)。

全体を俯瞰して見ることができれば、実は至ってシンプルな仕組みです。

ポンジスキーム(違法)とは?【詐欺から資産を守る】

カモAから100万円を受け取った詐欺師は約束通りに200万円をカモAに渡しますが、このお金は運用で増えたお金ではなく、カモBとカモCから集めた物をカモAに流しているだけです

カモBやカモCに対しても後から入ってきたカモDやカモEのお金を使って同じことをします。

するとこの全体像に気づかないカモA〜Cは本当にお金が増えていると錯覚するのです。

この再分配はカモが流入し続ける限りにおいて永遠に続きます。しかし、永遠にカモを見つけることは出来ないのである日突然支払いがストップします

この時にはまとまった金額が詐欺師の手元には残っているので、この資金と一緒に逃げてしまうのです。

これがポンジスキームの全体像です。

実際の詐欺例

近年では仮想通貨(ビットコインなど)を利用したポンジスキームが横行しています。

詐欺師が管理している特定のウオレット(仮想通貨を管理する財布のようなものです)に送金すれば毎月10%の利息が発生するなどとアピールして、世間からお金を集めるのです。

最近では中国発のプラストークンという投資案件が1,000ドル(約12万円)分の仮想通貨を預けておけば毎月6〜20%の配当が出るという歌い文句で、300万人から3,000億円以上を集めました

プラストークンは集めた仮想通貨を既に1,300億円以上売却しており、詐欺が確定しています。

また、ソーシャルレンディングで借りたい人と貸したい人をマッチングするという建前でお金を集めるパターンもあります。

共通しているのは『お金を預けていれば勝手にお金が増える』という謳い文句でお金を集めることです

そして巧妙なのは最初だけ本当に約束を守ることです。最近はSNSやインターネットの口コミで情報が直ぐに拡散されます。

ポンジスキームを知らない人が、『嘘だと思ったけど、今のところ本当に毎月10%の配当がある』などの口コミを見ると今回は本物だと勘違いする人も出てくるのです。

悪意のない第三者の口コミなだけに説得力もあり、タチが悪いです

しかし、最初に約束通りの配当をもらっていていた人も、元本分の利息も貰えないうちに詐欺師が蒸発するので最終的に大損するのが王道のパターンです。

仮想通貨やソーシャルレンディングと隠れ蓑はその時々ですが、この裏で行われていたのは図で紹介したポンジスキームなのです。

筆者
筆者

お金を預けるだけでお金が増える』という甘言に注意です。

ポンジスキームに騙されないための方法

誰が騙されるのかと思うかも知れませんが、詐欺師からすると95%から無視されても5%から関心を集められれば儲かるのでポンジスキームは永遠になくならないのです

騙す人と騙される人で悪いのは騙す人に決まっています。しかし、世の中の残念な事実の一つに騙される人に救いは存在しないのです(奪われたお金はまず返ってきません)

そして、さらなる真実はこの世から詐欺師がゼロになる日を我々が見届ける可能性はほぼ無いに等しいことです。

従い、私たちは知識武装をして自分で資産を守るしかないのです。

以下の3点に注意を払っているだけで、ポンジスキームを見破れる可能性は一段と高くなります。

利回りの相場感覚を持つ

騙されないようにするためには、相場利回りについて常識的な感覚を身につけることです。

ペットボトルのお茶を5万円(本)で販売してくる人がいれば、あなたは『No』と言うはずです。

なぜなら、お茶の相場は150円程度と我々は皆知っているからです。

投資に関しても同じ常識が身につけば、おかしい話にはすぐ気づけるはずです。

【相場感覚を身につける①】
史上最高の投資家(オマハの賢人)と言われるウォーレン・バフェットの年平均利回りで20%程度です。

【相場感覚を身につける②】
株式の一般的な平均利回りで年間5〜7%程度だと言われています。

この二つの数字が頭にあるだけで、月利10%なんて不可能なことは明らかです。

月利10%で運用できれば年間では314%のリターンになります

世界最高と言われるウォーレン・バフェットでも20%を超えるのが難しい相場の中で年間314%のリターンを約束する案件があれば、歴史を塗り替える天才か詐欺師のどちらかです。

もし、この案件が本物なら国が主導して国民全員に投資させれば貧困問題・年金問題は全て解決します。

筆者は5%以上のリターンを約束するような宣伝をしている案件は詐欺であるか大きなリスクを顧客に隠している可能性が高いので近づきたいと思いません。

対策1:常識的な相場利回りを知る。

伝統的資産で運用する

株式・債券・投資信託・ETFといった伝統的金融商品で運用することが詐欺から遠ざかる手段の一つです。

伝統的金融商品とは、投資対象としての歴史が古く、公的な組織が市場に目を光らせて法律で規制をかけている分野です

米国では米国証券取引委員会が取引のルールや投資商品の販売許可などを統括しています(米国証券取引委員会が認めない金融商品は市場で取引をすることができません)。

このような仕組みが存在することで詐欺師が活動しにくい環境になっているのです。

一方で、仮想通貨やソーシャルレンディングはこうした規制の外で行われている取引なので詐欺師を排除する機能が欠如しているのです。

また、伝統的金融商品を購入する場所も重要です。SBI証券や楽天証券などきちんとした企業が運営しているプラットフォームで購入するようにしましょう。

よく分からない個人やインターネットサイトで購入注文すれば架空取引など別の詐欺にあう可能性が出てきます。

対策2:投資は信頼できる証券口座で買える伝統的金融商品に限定する。

相手の立場で考える

美味しいお金儲けの情報をインターネットで見つけた時には『拡散者はなぜ儲け話を他人に簡単に教えるのか』という基本的な質問を自分にしてみましょう。

百歩譲ってその儲け話が真実だとして、なぜ他人に教えるのでしょうか。どんな儲かる仕組みでも皆が気づいて同じことを始めれば、すぐに儲からなくなってしまいます

従い、普通儲かる話というのは一部の仲間内だけで共有して誰にも教えないものです。

貴重な情報を特に親しくもなくコストも払っていない他人に対して漏らす人はこの地球上にどれだけいるでしょうか。

このように相手の立場(メリット)を踏まえて考えれば、情報を拡散することで自分に利益があるからだとの結論が導き出せます。

ポンジスキームで言えば、”簡単に儲かる”案件を親切にも他人に教えて、広くお金を募るのは自分たちが儲かるからです。

対策3:儲け話は相手にどんなメリットがあるのかを考える

ポンジスキームまとめ

<ポンジスキーム>

①『お金が自動的に増える』を謳い文句にお金を集める
高利回りを約束するのも特徴

② (最初だけ)約束通りに分配金を出し信頼を集める
口コミ等でカモが増えるのを待っている

③ 配当金を突然停止してお金を持ち逃げする
結局は元本を回収できずに大損(詐欺師大儲け)

【対策】
① 運用利回り5%以上の案件に近づかない

②規制された伝統的金融資産に投資を限定

③相手にも狙いがあることを常に意識

以上、大切なお金を危険にさらさないようにしましょう(君子危うきに近寄らずです)。

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