インデックス投資がつまらないと感じ始めたら、投資初心者を卒業して次のレベルに進んでいる証拠だと思います。
でも、なぜ『面白くない、つまらない』と感じるのでしょうか。投資最適解の一つは、長期・積立・分散です。インデックスファンドはそれ自体が分散効果を持つので、積立設定もネット証券で自動化したら、やる事は長期保有しかありません。
つまり、インデックスファンドは最初の購入設定の5分以外に何もすることがないのです。自分で何もすることがない、これが面白くないと感じる最大の理由だと思います。
しかし、強いて言うならこれがインデックスファンド最大の罠だと私は思います。『この罠を認識すると共に、なぜインデックスファンドが強いのかを思い出して、この罠を意識的に回避しよう』というのが今回のテーマです。
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インデックスファンド最大の罠(欠点)

インデックスファンド最大の罠は、暇であることです。インデックス投資の場合、最初に楽天証券やSBI証券での積立設定を行い、後は究極放置が最善且つ基本的な対応だからです。
インデックス投資は簡単で誰にでも出来ると思われがちですが、意外と継続出来る人は少ないです。それは人は暇や退屈に極端に弱い生き物だからです。
インデックス投資を始めて、金融リテラシーが上がり始めるとネットやTwitterで『●●株でいくら儲けた。これからは●●株が有望』などの情報が目に付くようになります。
これらの情報を見ているうちに、インデックス投資では物足りなくて『個別株や流行りのETFに自分も投資してみたい』と思う人が多いのではないでしょうか。
そして、そのうちの半分以上は、インデックス投資と併用する形で他の投資手法に手を出すようになります。そして、その更に半分は気づかないうちに、インデックス投資の割合が小さくなり、いつの間にか投資成績はインデック投資とはかけ離れたものになっていくのです。
以前の記事でも書きましたが、金融業界のエリートであるファンドマネージャーでもインデックス投資に10年以上継続して勝てるファンドは全体の10%未満であり、この10%でさえ、リスクに対する見返りは微々たるものです。自分の時間の大半を費やすプロでさえこの結果ですから、個人投資家がインデックスに勝ちに行くのは基本的に負け戦です。
インデックス投資よりも優れたリターンを狙うのは宝くじが当たるのを期待するようなものと頭では理解しながら、別のリスク選好型の投資手法にシフトしてしまう。
これが、私の考えるインデックス投資の抱える最大の罠(欠点)です。つまり、インデックス投資は、この暇や退屈にどう上手く付き合っていくかが一番のポイントだと思います。
インデックスファンドが強い理由

✅人の欲がプラスサムゲームを崩す
まずは、インデックスファンドがなぜ、金融のプロが試行錯誤を重ねたアクティブ運用に勝ち続けるのかを思い出し、インデックス投資を堅持する意志を改めて強くしましょう。
インデックスは市場全体を丸ごと保有する投資方法です。つまり、個別銘柄の信用リスクは取りませんし、頻繁な売買も不要なので余計なコストを発生させません。
こうすることで、長期的には右肩がり(プラスサム)の確実な果実を得るのがインデックス投資の本質であり強みです。
米国株式市場(S&P500)では1923年の開始以来、どのタイミングでインデックス投資をスタートしても15年以上保有すれば必ずリターンはプラスになったという事実と組み合わせることで、資産形成の勝ちパターンの王道となりました。
インデックス投資は、余計なことを全くせずプラスサムの市場リスク100%でやっているから強いのです。
個別株(信用リスク)やレバレッジ(追加コスト)など市場リスク以外の要素を加えていくと、それは本来の勝ちパターンから乖離していきます。
インデックス投資で勝つためには、余計なことをせず暇であることが重要なのです。
インデックスファンドの退屈を解消

インデックスファンドを軸に長期投資を継続すれば、将来的なリターンがプラスになる目算が高いです。だから、失敗出来ない資産形成とインデックス投資は相性が良いのです。
多くの投資初心者は、この点に魅力を感じて投資を始めたのであり、決して明日金持ちになるのが目的ではなかったはずです。それでも、投資期間が長くなり、経験値が貯まるに連れて欲が出てくるのは普通の人の心理的反応です。
辛い食事制限だけのダイエットが上手くいかないのと同じで、自分の気持ちを抑圧して完璧を目指すと結果的に上手く行かないことが多いです。
そこで、インデックス投資の成果を歪めない程度、具体的には資産運用額全体の10%程度を上限に自分の心理的高揚感を優先するのはありだと思います(リスク許容度に応じて1〜10%の間でコントロール)。
インデックス投資の値動きの小ささが不満な方
株式銘柄を集めた投資信託は、実は値動きが大きい金融商品に分類されます。しかし、1年で2倍や3倍にする欲を持ってしまった人からすると退屈になるのは理解出来ます。
投資の神と言われるウォーレン・バフェットでも、年間リターンは平均して20%程度なのは理解した上で、それでも2倍や3倍を目指すと言うのであればビットコインを小額ずつ積み立てるのは如何でしょうか。
日によって10%程度の値動きも珍しくないですし、現物であればレバレッジ投信のように高額な手数料もないので、価値がゼロになっても困らない範囲の金額で手を出すには夢のある選択肢であると思います。ビットコインは急に2倍•3倍はおろか、10倍になることもありますからね。
ただ、2倍•3倍の上昇が期待できる商品は、2分の1や3分の1に価値が暴落する可能性も等しくあることを決して忘れずに、あくまでポートフォリオの大部分を占めるのはインデックスファンドであるべきです。
インデックス投資では知識欲を満たせず不満な方
ETFに手を広げるとかなり種類が広がるので勉強することが増えます。これだけでも知識欲は満たせますし、ポートフォリオの幅が広がることであれこれ悩む楽しみが増えますよ!
私も何を隠そう、配当金というモチベーションにもなる勉強材料を作るため米国高配当株ETFに手を広げています。
純粋にリターンを最大化するならインデックスファンド100%が一番良いのは分かっていますが、配当金は自分の投資目的(FIRE)との相性もよく、自分の肌感覚にしっくりくるのでインデックス投資の割合を減らして、高配当ETFの割合を増やしています。
投資初心者でもポートフォリオの10%を上限に、自分の好きな投資スタイルを確立するのは問題ないと思います。そこで満足感を得て、完璧でなくてもインデックス投資を長期継続することが資産形成の上では大切だからです。
まとめ
インデックス投資がつまらなく感じるのは暇だからです。しかし、インデックス投資の強さであるプラスサムゲームの効用を最大限に引き出すためには、この暇が最も重要な要素になります。
インデックス投資で失敗するのは、この退屈さに負けて余計なことをするうちに、プラスサムゲームから乖離してしまうからです。
この『余計なことをしない』のは案外難しく、この合理的な判断を妨げる不合理な心情を克服するのがインデックス投資家の一番の課題でしょう。
意外と初心者よりも投資のことを分かってきたと感じている中級者の方が、インデックス投資の罠に嵌りやすいので気を引き締めていきましょう。
現実的な対応策として、完璧を目指して気持ちを押さえ込むのではなく、上限を自分で決めてその範囲でインデックス投資以外にも挑戦するのが丁度良い塩梅なのではないかと思います。
重要なのはインデックス投資をコアに資産運用を長期継続することです。
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