インデックスファンドは下落相場でこそ輝く

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■本記事を書いている人
✅Twitter(@gonfox21)でも情報発信
✅20代で金融資産4,000万円達成
✅米国ETFで資産運用(SPYDVYMSCHDHDV

今回のお話は『ドルコスト平均法で取得単価が安くなるので、インデックスファンドは下落時にこそしっかりと積立すべし』という技術的なものではありません。どちらかというと、株価が持ち直すのか不安で夜も眠れないという方が精神的な安定を保つのにはインデックスファンドが最適ではないか、という心理面でのお話です。

インデックス投資こそが資産運用の最適解』というのが経済学的に議論し尽くされた末の結論ですし、米国有名投資家もこぞって個人投資家にはインデックスファンドを基本とした投資をすすめています。

次の古典的名著で語られているように、どんな投資も長期的には市場平均に収斂してしまうので高額な手数料の分だけインデックスファンド(*)には勝てないのだ(だから変に自己流を発揮しないで大人しくインデックスファンドに投資しなさい)というのが、その理由です。

✔︎インデックス投資は勝者のゲーム

✔︎敗者のゲーム
✔︎ウォール街のランダム•ウォーカー

(*)なお、ここで言うインデックスファンドとは米国市場全体(またはほぼ全体であるS&P500)に連動する投資信託(mutual fund)またはETFのことです

つまり、リターン面でのお話を中心にインデックスファンドこそが最善手であるとの結論が導かれていることが多いのです。しかし、自分がなぜインデックスに信頼を寄せているのかを考えた時に、インデックスファンドの究極の魅力はリターンの効率性よりも長期保有していれば期待値はほぼ確実にプラスに収斂するという安心感にあると思うのです。今回は、この点について掘り下げてみようと思います。

インデックスファンドが特別な理由

投資家が銘柄選びをする際には、バックテストを行い、過去実績から将来の傾向を予測するのが一般的かと思います。このバックテストの結果、優秀なリターン実績を示すということだけであれば、伝統的なインデックスファンドの他にも優れた金融商品は少なくないと思います。

例えば、近年の人気で言えばNASDAQ100に連動するQQQなどが挙げられるかと思います。ITバブルの崩壊後などは壊滅的なチャートになっていますが、それでもよほどの高値掴みをしなければ非常に高い期待リターンを産んでくれるとの安心感は十分にある実績です。

このように優秀だと思われるQQQなどと比べてもインデックスファンドが唯一無二なのは、米国株式市場の歴史200年間においてどの時点で投資を開始しても、20年以上保有した場合のリターンは必ず黒字着地したというトラックレコードがあることですつまり、これまでの投資成功確率は時間をかければ100%という脅威の実績なのです。この確率が100%なのか90%なのかで下落相場の時の保有握力に大きな心理的影響をもたらすと私は考えています。

もちろん未来のリターンも過去同様になる保証はありません。しかし、この見通しから大きく外れる可能性が低いこともまた事実と思います。

20年後には報われるだろうという安心感

コロナ相場を経験した人には共感いただけると思うのですが、下落相場で本当に辛いのは下落率の大きさよりも、下落前の水準に戻るまで一体どれぐらいの期間を要するのかが分からないということだと思います。コロナ相場は▲30-40%と下落率だけで見れば歴史に名を刻む下落相場でしたが、大金融緩和で即座に回復したので、辛い記憶を持っている人は少ないでしょう。

『自分は長期投資家なので、10-15年後のリターンが重要。それまでは含み損でも気にならない』と考える人はたくさんいると思います。過去の相場を振り返って、そう思うのかもしれませんが、自分が相場と向き合う時に株価低迷期間は何年で終わるのかは最後まで分からないということは再認識しておくべきだと思います。例えば、株価低迷が9年連続した時に、含み損を抱えた状態で強気でいられるでしょうか(弱気相場が終わるのが結局10年目なのか20年目なのか分からない状態で)。

以上のような相場環境におかれても、含み損を抱える最大期間を見積もることができれば、不安に対して少しは具体的に向き合うことができます。そして、インデックスファンドの場合は、どんなに悲観的に見ても20年という計算が立ちます。

筆者
筆者

この数字に対しても悲観的な見方もあるかもしれません(過去200年がそうでも、そのレコードが途絶えない保証はない)。しかし、これは株式投資をする前提だと投資家に求められる最低限のリスク(通行料)です。保守的な株式投資(インデックスファンド)であっても定期預金ではないので。

この計算が立つ、拠り所となる数字があることが、いつ終わるか見通しが立たない下落相場の中で希望の光と灯してくれる存在になると思います。老後資金として、そもそも当面は使わないお金なのだと思えば20年だったら証券口座を見なければ我慢できると思いませんか?

そして、インデックスファンドは積み立て設定ができるので、リアルに20年後まで放置するということが技術的にも可能な投資手法です。つまり、下落相場でこそ輝くのがインデックスファンドだと私は考えています

長期投資は勉強や仕事と同じように継続するのが一番難しい(私たちは感情を度々揺さぶられてしまう生き物だから)。その一番の難題に対して技術的にも精神的にも大きな支柱となる機能と実績を持って解を用意できることからインデックス・ファンドは多くの人にとっての最適解になり得るのでしょう。

インデックスファンドのホルダーは下落相場でどう動くべきか

上述のように、トラックレコードから判断するのであれば、インデックスファンドは一時的に含み損を抱えてもいずれは再び高値更新をしてくれる公算が高いです。

下落相場で失敗するならば、それは人為的ミスによるものであることが多いです。具体的には、生活費等の日常の資金繰りが苦しくなって含み損を確定する形でインデックスファンドを売却しないといけなくなるケース。そして、資金管理をミスり追加投資資金が枯渇する(下落相場を指を加えてみているしかない)ケースなどが考えられます。

手許資金が十分かを再点検する

最低限の手許資金を確保できているかの確認が急務と考えます。インデックスファンドを予定外に取り崩す必要がないように、生活費数ヶ月分と事故・怪我などの急な出費に耐えられるだけの現金を手元に確保しましょう

もし、手元にない最低限の流動性を欠く状態なのであれば追加投資を控える(もしくは減らす)ことで現金を増やしておきましょう。

追加投資は資金管理を万全に

株式市場が長期低迷したのは、2009年のリーマンショックが最後です。従って、(私を含めて)経験が浅い個人投資家は、株価が急落するような場面では勇足で追加投資を反射的にしたくなるかもしれません。

しかし、ドカンと下げた株価がコロナ相場の時のようにV字回復する保証はどこにもありません。ドカンと下げた後にジワ下げを長期間続けるような展開もあり得るかもしれません。また、ドカンと下げ、ジワ下げが続いた後に、ドカンと下げるかもしれません。

コロナ相場の時とは反対に、世界各国の中央銀行が歴史上類のない金融引き締めを行なっている金融環境なので保守的に資金管理をして相場に臨む方が精神衛生上良いと思います

このような保守的な対応をするデメリットとしては機会損失を招くかもしれません。これは好みの問題ですが、個人的には長期投資をする上で機会損失は受け入れています。ベストタイミングで追加投資ができなくても、そこそこの水準で買い増しできるだけで十分なリターンは見込めると考えているからです(それが時間をかけることの最大の強み)。

ストレスフリーで80点取れるなら、終始緊張して100点を目指す必要はない(自分の考える合格点はクリアしている)というような考え方です。私は機会損失を天秤にかけた上でも、精神衛生上の安定を優先するということで下落相場とは向き合う方針です。

【おまけ】私のポートフォリオについて

ここまでインデックスファンドを推しておいて私のポートフォリオはどうなんだ?という声が聞こえてきそうなのでご回答しておくと、私のメインは米国高配当ETFが中心となっております。

それでは、私がインデックスファンドの理論体系を軽んじているというとそうではありません。NISA枠(年間120万円)をeMAXIS Slim全世界株式オール•カントリーで埋めるように積み立てしています。また、配当重視の投資をする中でも、可能な限り、『市場全体を丸ごと保有する』というインデックス理論の根幹から外れないように意識してポートフォリオを構築しています。

具体的には400銘柄の大型米国株式に分散投資するVYMを軸に、全体の配当利回りを現実的な範囲で調整する形で他の保有銘柄を加えるイメージです。

つまり、私のポートフォリオは100%純正のインデックスファンドではないですが、それでもベンチマークと理論的な土台はインデックスファンドに依拠しているということです。分散は十分に効いているか(理想は市場全体と一致)、長期的には高値を切り上げることが期待されるのか

これが私が下落相場でも枕を高くしてストレスフリーで眠ることができる最大の要因(条件)であり、純インデックス・ポートフォリオから外れる場合も、このインデックス要素は薄まらないようにポートフォリオのバランスを考えています。

この塩梅は難しいところもあるので、投資初期はインデックスファンドだけが良いと思います。私の当初ポートフォリオ(3年目ごろまで)は、eMAXIS Slim先進国株式とeMAXIS Slim新興国株式からなる擬似的な全世界株式インデックス・ポートフォリオでした。今は、同じようなポートフォリオが投資信託一本で組めます。

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