【VYM】配当金生活の柱になる高配当株ETF(賢者の選択)

【VYM】配当金生活の柱になる高配当株ETFの賢者 米国株ETF

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本記事を読むと分かること:
①VYMの配当金実績増配率リターン
②VYMのセクター比率(2022年7月)
ライバル米国株ETFとの比較優位
④ VYMの買い時
⑤自分がVYMに向いているか

(更新日:2022年7月23日)

高配当株ETFの中で圧倒的な資産額高増配率分散銘柄数を誇るVYMは、安定的に成長するインカムゲイン(不労所得)の実現に最適なETFです。

そして、筆者も400万円をVYMに投資する現役保有者です

本記事では、保有当事者の目線でVYM特徴について解説したいと思います。

筆者はVYMを高配当投資の中心に据えていますので、保有経験を通じて感じたメリットの共有も本記事の目的です。

■本記事を書いている人
✅Twitter(@gonfox21)でも情報発信
✅20代で金融資産3,500万円達成
✅米国ETFで資産運用(SPYDVYMSCHDHDV

【VYM】基本情報(配当金・経費率・リターン・権利落ち日)

VYM基本情報(2022年7月23日時点)
設定日 2006年11月10日
銘柄数 443
価格 $103.40(最高値は$115.01)
資産額 452億米ドル(約5兆円)1$=110円計算
経費率 0.06% 
配当利回り 2.63〜3.64% (通常時目安)
配当回数 四半期毎(3月,6月,9月,12月)
権利落ち日 第4週であることが多い
(出典:Vanguard社Yahoo Finance)
VYMの権利落ち日

VYMの権利落ち日については明確な規則性がありません

第4週(偶に第3週)というのが基本ですが、2020年3月の権利落ち日は第2週に割り当てられました。配当権利を逃さないためには、配当月の第1周目に購入するのが確実です

  権利落ち日 ステータス
2022年3月期 3月21日 確定
2022年6月期 6月21日 確定
2022年9月期 9月19-22日 予想
2022年12月期 12月19-22日 予想
(出典:market chameleon
圧倒的な銘柄分散

VYMの銘柄数(400以上)は、高配当株ETFの仲間で80銘柄程度のSPYDやHDVと比較しても圧倒的な分散が効いています。

投資の原則は『長期・分散・積立』ですので、投資の大原則に最も忠実な高配当株ETFになっています

圧倒的な資産額

ETF資産額は長期保有する銘柄であるほど着目したいポイントです。

資産額が極小な銘柄は、経済危機時に需給バランスが崩れて売り買い出来なくなる可能性があるからです。

その点VYMは驚異の6兆7千億円(1$=121円で計算)になります。この1年半で2倍以上も増加しており、勢いも衰えがありません。

日本の投資信託の理想的な目安が150億円とか言われていますので、とんでもなく桁外れにでかいETFである事が分かります。

それもそのはず、この数字は小さな発展途上国のGDP規模を上回る水準です。

もし、VYMが危うくなるような経済危機が発生したら、文字通り世界の終わりでしょう。

そう思えるぐらいに信頼して持てるETFです

因みに、2022年3月時点(1$=121円で計算)でのSPYD(約7,540億円)やHDV(約1兆970億円)と比較しても流石の貫禄です

リーマンショックを耐えた実績

VYMは、よく比較対象にされるSPYDHDVの中で、一番古いETFです。

そして、リーマンショックを唯一経験しているのもVYMです

今般のコロナ危機と合わせて2度の大規模経済危機を経験しても揺るがずに安定運用されている実績は、長期投資家の間で確固たる信頼を築いている最大の要因の一つです。

【VYM】セクター比率

2022年2月末時点
VYM-Portfolio-composition
(出典:Vanguard社

VYMは上位3セクター(金融生活必需品ヘルスケア)でポートフォリオの約半分を占めます。

不況時でも底堅さを発揮するヘルスケアが大きな比率を占めているのが特徴です。

VYM保有者の目線
セクター別騰落率
(出典:Firstrade)

コロナ危機で各セクターが軒並み年初来で赤字を記録する中でもヘルスケアテクノロジーはプラス圏内に回復しています

また、マイナス圏ではありますが、消費財(▲4.76%)や通信(▲4.67%)も健闘しています。

以上の4セクターを不況下でも強い『デフェンシブ』と定義すると、VYMに占める割合は34.2%にも上ります

これもまた、筆者がVYMを安心して長期継続保有できる理由になっております。

米国では今後も人口増加が見込まれており、これらの生活関連需要は引き続き底堅いと考えているからです

2022年7月時点

この直近半年の間の動きですが、景気敏感セクターの金融が2%程度比率を下げ、景気後退時に比較的底堅いと言われるヘルスケアが3%ほど増加しています。エネルギーや一般消費財も伸びています。

VYMセクター比率,2022_07
出典:バンガード社HP

【VYM】上位銘柄

2022年2月末時点
vym-portfolio-holdings
(出典:Vanguard社

米国を代表する企業がずらりと並んでいます。

これら10社でポートフォリオの23.4%を占めます

SPYDの上位構成銘柄と比べるとVYMは大企業が占めるウェイトが高いポートフォリオである特徴が際立ちます。

赤字でハイライトしたのは連続増配年数が25年超えの配当貴族銘柄です。Johnson & Johnson(59年)、P&G(65年)、 AbbVie(50年)、Coca-Cola(60年)は特に連続増配年数が50年を超える配当王と呼ばれる銘柄たちになります。優良財務に高収益性を兼ね備えるピカピカの企業のみが、なせる技です

【VYM】2022年7月ポートフォリオ

上位顔ぶれは大きく変わっていません(構成比率はヘルスケア優位に変わっていますが)。バンクオブアメリカが姿を決して、1876年創業の米製薬会社であるEli Lily & Co.が新たに名前を連ねました。

VYM-portfolio-2022-july
VYM保有者の目線

上位銘柄から受けるVYMの個人的な印象としては、誰もが知る米国の成熟大企業の詰め合わせパックです。

これらの企業は成長のピークを過ぎているものの、株主重視・株主還元』の精神が企業文化に根付いている企業が多く、大規模な経済危機の場面を除き大抵のことでは減配しません

この特徴は後述の安定した増配率にも表れており、配当金見込みをほぼ正確に計算出来るのはインカムゲインを生活の柱に考えている投資家にとっては他に代え難い長所です。

過去の関連記事でも言及しましたが、筆者に1億円以上のキャッシュがあれば、VYM1本のポートフォリオでも良いかなと思います。ここまでの信頼がおけるのは、理論的に最も完成度の高いインデックス投資に一番近い高配当ETFがVYMのベンチマークだからです(詳細はこちら)。

VYM配当利回り

過去最高:5.10%(終値)
過去平均:3.12%(終値)
過去最低:2.44%(終値)

VYMの設定来の平均配当利回りは約3.12%でした。

これは同じ高配当株ETFの仲間であるSPYDやHDVと比較するとマイルドな結果です。

VYMからの配当金のみで生活支出を賄うためには、多額な投資元本が必要となります。

具体的には、月額20万円(税前)の配当金を得るためには約6,400万円が、税引後で月額20万円を得るためには約8,000万円の投資元本が必要です。しかし、必要金額を減らすには時間を味方につけて増配の恩恵を受ける戦略もあります。人によっては、VYM1本でも投資目的を実現できるでしょう。

VYM配当利回り

比較(SPYD)

VYMはSPYDに2〜3%程度、配当利回りで劣後する結果になりました。

VYM・SPYDの配当利回り推移
(出典:ETF Replay)

比較(HDV)

VYMはHDVに1〜2%程度、配当利回りで劣後する結果になりました。

VYM・HDVの配当利回り推移
(出典:ETF Replay)

VYM配当実績および増配率

設定年度が2006年とSPYD(2015年)やHDV(2011年)に比べて長期間運用されていますが、リーマンショック期間の例外を除いて綺麗な右肩上がりの増配曲線を描きます。最新状況はこちらにてモニタリングしています(毎四半期更新)。

直近10カ年の年間増配率は平均8.9%を記録しています。この増配率はSPYDやHDVをしのぎます。

vym-dividend-history-since-inception-date
(出典:Vanguard社データを基に筆者作成)
VYM保有者の目線

この高い増配率は高配当銘柄を長期保有する上で非常に重要なポイントであると感じています。

仮に年間8.9%のペースで増配すると7年後には5%の配当利回りになります

下記は3.12%の配当利回りでVYMを購入すると、過去実績通りに年間8.9%増配すると5年毎にどれだけ配当利回りが成長するかをシミュレートしたものです。

VYM-dividend-increase-simulation

長期投資の目安である20年後には15.76%の配当利回りに達します。

そして、配当利回りの成長速度は年を追う毎に加速するのが良く分かりますね。最初の15年では+10.29%ですが、後半15年では+26.69%です

VYMは長期保有することで威力を発揮するETFということが分かります。

VYMトータルリターン

VYMのトータルリターン結果のポイントは次の通りです。

①インデックス投資(VOOやVTI)には成績で劣る。
②高配当株ETF(SPYD+HDV)内の比較では最高のリターン。

比較(VOOおよびVTI)

VOOの設定時(2010年9月)から2020年5月12日までの約10年で計測しました。

VYM・VOO・VTIのトータルリターン
(出典:ETF Replay)

結果は、VYMの172%増に対してVOOは216.7%増になりました(リターン差は44.7%)。

やはり配当金重視のVYMはインデックス投資の王道であるVOOに対して、長期のトータルリターンでは不利になる傾向がはっきりしています

VTIでもほぼ同様の結果(リターン差44.4%)になります

VYM・VOO・VTIのトータルリターン
(出典:ETF Replay)

VYMはインカムゲインを重視するETFなので、リターンの最大化が強みのインデックス投資(VOOVTI)には成績で劣後する結果となりました。

比較(SPYDおよびHDV)

VYMは好況時も不況時も、高配当株ETF(SPYD・VYM・HDV)の中では最も優秀なリターンを残すことが次の結果から分かります

好況時

検証期間はSPYDの計測がスタートした2015年10月21日から2019年12月31日までとします。

VYM・HDV・SPYDのトータルリターン
(出典:ETF Replay

結果は約4年間で62%のリターンを残したVYMが、SPYD(57.6%)およびHDV(53.6%)にリードする結果となりました。

VYM・SPYD・HDVのトータルリターン
(出典:ETF Replay

不況時

検証期間は2015年10月21日からコロナ危機を含む2020年5月12日まで延長します。

VYM・SPYD・HDVのトータルリターン
(出典:ETF Replay)

不況期間を挟んでもVYMの長期リターン(31.4%)はSPYD(6.0%)やHDV(26.8%)に勝る頃が判明しました。

VYM・SPYD・HDVのトータルリターン
(出典:ETF Replay

【VYM】暴落時のボラティリティ

SPYD, VYM, HDVの最大騰落率
(出典:ETF Replay

上の円柱グラフは、コロナ危機時の最高値からの最大騰落率になります。

こうして見ると、VYMの暴落耐性は及第点と言えると思います。SPYDと比較するとデフェンシブ銘柄の割合が高いので、よく耐えています。

VOO・VTI・VYM・HDV・SPYDの年初来騰落率
(出典:VOOVTI, VYMSPYDHDV

また、2枚目は、2020年3月末時点での年初来騰落率ですが、一番深手を負ったタイミングからの回復力を見るのに役立ちます。

VYMは最大暴落時(3月23日)の▲35.2%から短期間で11.2%戻しており、HDV(16.7%)には劣るもののSPYD(9.7%)に比べてそれなりに戻りが早いことが分かります。

以上をまとめると、VYMは不況時の暴落耐性はまずまずと言えそうです。

VYMの買い時

従い、配当利回りが平均値(3.12%)を超えてる期間中、一定額を毎月積立てる(ドルコスト平均法)購入方法がおすすめです。

VYMは増配率も安定しており、高値づかみしない程度に機会損失を避けながら投資するスタンスが良いと筆者は思っています。

3%を超えている水準購入すれば、5年後に配当利回りは5%まで成長するからです

配当利回りはこちらで確認出来ます。

VYMが向いている人

<VYMの強み・弱み>
【強み】
①安定性(400銘柄の分散
②高い増配率
資産増も狙える
【弱み】
①マイルドな配当利回り

VYMの強み・弱みを踏まえると、20年以上の資産運用を目的にETF購入を検討している長期投資家に向いているETFになります

増配シミュレーションも行いましたが、VYMを通常通りに購入出来れば配当利回りは20年後に15.76%30年後に36.98%に達します。

これは国に頼らなくても自分で年金を準備出来うる水準であり、長期での高配当株投資を検討しているならポートフォリオに組み込まない理由がないETFだと個人的には思っております。

配当利回りの水準的に爆発的な生活変化を短期間に感じるのが難しいことが、ほぼ唯一のデメリットですが、SPYDと組み合わせるなどの工夫や時間を味方につけて育てる戦略が投資家の腕の見せ所です。

何れにせよ、高配当株投資家のポートフォリオの柱にオススメの1本だと思います。『インデックス投資よりも非効率なVYMに投資するのはなぜ?』という疑問がある方には以下の記事もおすすめです。

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コメント

  1. えりんぎ より:

    初めまして。
    コメント失礼致します。
    質問なのですが、もしお時間ありましたらご返答いただけると幸いです。

    投資は初心者で、現在はつみたてニーサでのインデックス投資をしています。
    余剰金300万程度?をETFに投資してみようと思っているのですが、VYMに投資する場合は今の時期に一括投資は微妙なのでドルコスト平均の毎月積み立ての方が良いでしょうか?
    積み立てしてる間に置いているお金がもったいない気もするので、その分はQYLDもいいかなとも思っていますが色々悩んでしまいなかなか行動に移せない状態です。
    今後どうするのが良いかご教示いただけると幸いです。

    • ごんぎつ ごんぎつ より:

      えりんぎさん

      ご返信が遅くなり申し訳ありません。また、コメントありがとうございます。私見ですが以下の通り回答しますね。
      (1)VYMへの投資は一括投資とドルコスト平均のどちらが良いか?
      私は迷う場合はドルコスト平均法が良いと思います。理由としては一括投資直後に暴落すると精神的に辛いですし、後悔が残ります。ドルコスト平均法であれば総合的な取得単価は良くも悪くもない水準に落ち着くので極端な含み損を抱えるリスクは回避できるので、1年程度かけて投入するイメージではいかがでしょうか。
      (2)待機資金=機会損失がもったない
      機会損失が嫌なのでとりあえずQYLDに資金を入れるというスタンスはおすすめしません。QYLDは近年人気の銘柄であることは承知していますが、仕組みは非常に複雑であり投資初心者が気軽に手を出すべきETFではないからです。一般に言われるのは適切なリスクと両立できる配当利回りの限界値は5.0%程度だと言われています。一方で、QYLDなどのカバードコール戦略をとる金融商品は配当利回りが10.0%を超えてきます。なぜ、QYLDは(他のETFや個別株では到底不可能に近い)10.0%の配当利回りを提供できるのかという点をご自身の中で咀嚼して理解・納得できていないうちは手を出さないほうが無難と思います。もし、リスクを高めずに配当利回りが10.0%以上確保できる投資商品が存在するなら、他のETFや米国個別株に投資する人はいないはずです。

      QYLDは元本保証のある定期預金ではありませんので、分配金以上に株価が下落すれば現金で置いておいたほうがマシだったというシナリオも当然あり得ます。そして、『色々悩んでしまい行動に移せない』とあるので、まだ投資の軸が固まっていないと推測いたします。そのような状況であれば、余剰資金とはいえ300万円は貯めるのに苦労された大切なお金だと思いますので、より無難なVTIやVYMへの投資金額を増やすか、または現金で置いておくのが良いかと思います。私なら機会損失よりも理解が十分でない銘柄に投資することによる絶対損失を避けたいと思います。

      以上が私の回答になります。えりんぎさんのお役に立てていますと幸いです。また、質問やコメントはいつでもウェルカムですので気軽にご連絡ください。

      • えりんぎ より:

        ご返信ありがとうございます。
        とても詳しくわかりやすい説明助かりました。
        おっしゃる通り、リスクのない10%の高配当はありえませんよね。
        一括投資はせずに、VYMもしくは将来的な総合リターンを考えてVTIにコツコツ投資してみることにします。

        重ね重ねありがとうございました。

  2. あえぱぁ より:

    始めまして。いつもブログを拝見して勉強させていただいております。
    最近話題の超高配当ETFのJEPIに関して投資ポートフォリオに組み込むべきかやVYM,HDV,SPYDと比較したメリットやデメリットなどごんぎつさんのお考えがあればぜひ教えていただけますと幸甚です。
    宜しくお願い致します。

    • ごんぎつ ごんぎつ より:

      あえぱぁさん、初めまして!いつもご覧いただいているとのことありがとうございます:)。
      ご質問もありがとうございます。結論からいきますね。
      (1)私は自分のポートフォリオに入れない
      (2)興味ある人は1割などサテライト的に扱うべき

      メリット
      ①配当利回りが非常に高い(10%超え)
      ②トータルリターンも良い(今年は指数をアウトパフォーム)

      デメリット
      リスクが未知数(でかいのは間違いない)
      ②データ期間が短い(実績に乏しい)

      私が自分のポートフォリオに入れないのはハイライト部分が全てです。オープンな金融市場においてリターンとリスクは常に表裏一体です。ウォーレンバフェットなどが賞賛されるのは極めて例外的に長期間に渡り市場を出し抜いているからです。裏を返せば、プロや素人に関係なく9割以上は基本原則(リターンとリスクは表裏一体)から逃れることはできません。
      このことを頭に入れた上で、すぐに疑問に感じるのは以下2点です
      (1)個別高配当銘柄の上限とも言える配当利回りは7%+αというような金融市場において、なぜ10%を超えるような配当利回りが可能なのか
      (2)基本的に高配当と高リターンは両立しない(そんな都合の良い銘柄があれば誰も苦労はしない)はずだが、どのように実現しているのか

      このようにJEPIは市場の基本原則から考えれば通常は成り立たないメリットを投資家に提供しています。JP Morganのファンドマネージャーが優秀であるという結論でも良いですが、基本原則から外れていない(JEPIも例外ではない)と考えるのであれば、それ相応のリスクをとっていると考えるのが自然な発想です。そして、ご存じかと思いますがELN債という聞きなれない仕組み商品がJEPIの運用には介在しています、それを活用したカバードコール取引を行うなんとも複雑な金融商品です。いわゆる仕組み債ですが、仕組み債は数えきれないほどのリスク要素を抱えている金融商品でリスク量を外野が正確に推し測ることはできません。当事者にだって分からないと思います(分かるという人がいればそれは金融を知らないか、よほど楽観的な人です)。

      こうした複雑なリスクの取り方をしていると、ある一定の状況下では素晴らしいリターンを生むこともあるし、不可能を可能にすることもあります。しかし、持続性が問題になります。。そして、これが永続するものでないのであれば、どこかでリスクが逆回転する瞬間がきます。その時は、大きなマイナスリターンが投資家に帰ってきます。リスクとリターンが表裏一体とはそういうことです。

      つまり、JEPIをどう思うかは、『市場の基本原則の例外になり得るかどうか』の問題だと私は位置付けますが、そうだとする根拠は乏しいです。そもそも運用開始から日も浅くデータが全然ないですので。冒頭の結論につなげますが、私はそのような不透明な金融商品をポートフォリオに組み込む必要性に迫られていないので、入れません。一方で、関心を持つ人を否定する立場にもないです。実際に年初来からのパフォーマンスは悪くないので気になるようなら少し組み込むのも判断の一つとしてあると思います(何事も経験)。しかし、上述のような高リスクがどう隠れているのか未知数ですのでリスク管理はすべきで入れる場合も1割など限定的にしておくのが無難ではないかというのが私の考え方です。

      • ごんぎつ ごんぎつ より:

        基本的には上で頂戴したQYLDに関するコメントでの返信の中でも触れたような感覚を持っています。よく中身を理解しないままに、表面的な数字に惹かれて手を出すべきではないと思っています。

  3. あえぱぁ より:

    JEPIと従来のいわゆる高配当ETFの相違点に関して非常に詳細かつ明快なご回答を頂きありがとうございました。大変腑に落ちた次第です。確かに複雑な仕組みでかつ年数も浅いというところでリスクが読めないですね。VYMやSPYDの積み立てを引き続き続けていくのが現実的だと感じました。

    • ごんぎつ ごんぎつ より:

      ご丁寧に返信頂きありがとうございます。少しでも判断材料をご提供できましたようで、嬉しいです。あえぱぁ様の資産運用が実り多きものになりますようにお祈りしております:)。

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