【最新情報ETF】VIG構成銘柄・利回り・増配率・配当金のすべて

連続増配株ETF(VIG) 米国株ETF

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
↑お時間ある方は応援クリックお願いします(^ ^)

(2022年8月8日更新)

本記事の要旨:キャピタル狙い(○)配当狙い(△)
10年以上連続増配の米国株で構成
②配当に優位性はない
③経費率(0.06%
暴落局面に強い
VYMを凌ぐリターン

VIGは正式名称をVanguard Dividend Appreciation Index Fund ETFと言います。コンセプトは非常に明快で『連続増配期間が最低でも10年以上の米国企業』です。

現在はこの条件を満たす、米国企業289社からなるポートフォリオとなっています。上位10銘柄に連続増配年数が65年を誇るP&Gを含めて40年以上が4社もランクインしています。

連続増配は、『安定した経営基盤(好財務)及び収益力』がなせる技であり、必然的に株価も安定した右肩上がりを描く企業が多いです。この明快なコンセプトと確かな実績から、日本でも近年人気が高まっているETFです。

筆者
筆者

ちなみに、日本で10年以上連続で増配を続ける企業数は僅かに38社(最長は花王の28年)に留まります。米国企業の裾野の広さがよく分かりますね。

【VIG】株価・配当金・経費率

運用会社 バンガード社
株価(2022年8月) $153.92
配当実績(2021年) $2.6601
平均配当利回り(直近10年間) 1.65%
配当利回り(2022年8月) 1.93%
年平均リターン(2010-2021) 12.9%
最大下落率 ▲43.8%(2008年)
銘柄数 289
経費率 0.06%
純資産総額 643億ドル(約8兆7千億円
設定日 2006年4月27日
ベンチマーク NASDAQ US Dividend Achievers Select (2006-2021)
S&P U.S. Dividend Growers Index (2021-)
出典: バンガード社Bloomberg

【VIG】上位構成銘柄

連続増配年数もさることながら、好財務体質の企業が上位を占めているのが特徴的です。

VIGはすでに他社の追随を許さないビジネスモデルやブランド武器に市場で圧倒的な地位を世界的に築いており、安定的な利益を見込める企業銘柄が多いのが上位銘柄から伺えます。

2021年8月

VIGは上位10銘柄が占める割合は31.6%(2021年8月末)となっています。

保有銘柄 保有割合 S&P格付 連続増配年数
Microsoft  4.46% AAA 19年
JPMorgan Chase 3.73% A+ 11年
Johnson&Johnson  3.69% AAA 59年
Walmart  3.40% AA 47年
UnitedHealth Group 3.20% A+ 11年
Visa 3.01% AA- 13年
Home Depot 2.85% A 12年
Procter & Gamble 2.84% AA- 64年
Comcast Corp. 2.25% A- 58年
Oracle Corp. 2.13% A 11年

2022年8月

2022年8月時点での上位10銘柄が占める割合は29.9%となっております。ヘルスケアが上位の中でも大きな割合を占めるようになったことが特徴でしょうか。また、生活必需品セクターであるCoca ColaとPepsiCo(New配当王銘柄)がランクインしたことも特徴的です。

保有銘柄 保有割合 S&P格付 連続増配年数
United Health Group 4.21% A+ 13年
Johnson&Johnson  4.08% AAA 59年
Microsoft 3.87% AAA 19年
Procter & Gamble 3.04% AA- 65年
JPMorgan Chase 2.89% A+ 12年
Visa 2.74% AA- 14年
Home Depot 2.50% A 13年
Mastercard 2.38% A+ 11年
Coca Cola 2.14% A+ 59年
PepsiCo 2.01% A+ 50年

【VIG】セクター構成

VIGは高配当株ETF(SPYD・VYM・HDV)では比率が高めのエネルギー・金融セクター・公益事業の割合が極めて低い点が特徴です。そして、上位を占めるセクターは時々により変化しています。

2021年8月では、SPYDでは割合の低い、資本財・サービスやヘルスケア等が上位を占めました。

2022年8月時点では以下のようにセクター構成比率が変化しています。情報技術や生活必需品の割合が大きく増加したことが見て取れます。いずれにせよ、高配当ETFの顔であるネルギー・金融セクター・公益事業の割合は引き続き限定的です。

VIGセクター比率-2022-august

同じ配当系ETFでも『高配当』なのか『増配』に注力するのかでポートフォリオが大きく異なることを示唆する内容となっています。

この違いが『リターン』や『暴落耐性』そして『配当利回り』にどう影響するのかが、注目ポイントですね

【VIG】最大下落率(暴落耐性)

VIGはこれまでに見た通り、安定した財務基盤を持ち高い信用格付を得ている企業が構成銘柄の上位を占めていること、また、景気敏感セクターよりはデフェンシブなセクター(生活必需品やヘルスケア)の割合が高いことから相対的に暴落に対して強いことが最大の特徴です

コロナショック時

2020年のコロナショック時にはあらゆる資産クラスが売られ、デフェンシブ銘柄が多いと言われるVIGも例外でなく大きな下落を見せました。

しかし、他の米国株ETFと比較すると下落率は最も低い部類であり、株式ETFでは高い暴落耐性を見せました。

最大下落率(VIG)

VIG暴落局面の回復速度(コロナショック)

VIGはダメージを受けてからの回復速度でも優秀でした。VIGはコロナショックによる暴落直後から約6ヶ月で株価を全戻ししています。同時期に暴落を経験したVYMは約11ヶ月、SPYD及びHDVは約13ヶ月、VOOは約7.5ヶ月を要しているので、VIGは暴落に強い株式ETFと言えます

VIG回復速度(コロナショック)

リーマンショック時

大前提として主要米国ETF(VOO・VTI・SPYD・HDV・VYM・VIG)の中でリーマンショックを経験しているのはVTI・VYM・VIGの3銘柄のみになります。この中で一番の下落耐性を見せたのがVIGとなります。

『安定した財務基盤を持つ選りすぐりの連続増配株』の強みがまさに反映された結果と言えると思います。

VIG最大下落率(リーマンショック)

VIG暴落局面の回復速度(リーマンショック)

VIGのような連続増配株は株価が下落して高配当化した場合には、インカム狙いの買いを集めやすいので回復局面での株価戻しも相対的に早い傾向があります。

2008年5月の約55ドルを直近高値としてVIGにも金融危機(2007-2008)が直撃します。そして、この高値を回復するのに要した月日は約2年9ヶ月です。

VTIやVYMは約4年2ヶ月を直近高値回復に要したことを考えると、相対的に回復局面でVIGは強いということが言えそうです。

VIG回復速度(リーマンショック)

【VIG】年平均リターン

VIGは直近5ヵ年のリターンを比較するとVOOに肉薄し、VYMには差を明確につける高リターンを実現しています。時期によってはS&P500のベンチマークもアウトパフォームしています。足元はGAFAの伸びが著しいので、再びVOOが差を確保していますが、今後の展開次第ではVOOをアウトパフォームする時期が来るかもしれません。

日本人投資家の間でのVIGへの認知・人気が高まりは、この『暴落時の耐性が強く、安定したリターンが見込める』という特徴への評価が理由にあると思われます。

【VIG】リターン比較(直近5年間)

過去5年間の年平均リターンはVOOの16.8%には僅かに及びませんが、VIGも15.5%と善戦しており、VYMの12.5%に対しては優位に立っています。

VIGリターン比較(直近5年)

【VIG】リターン比較(直近10年間)

過去10年に広げるとVOOやVTIには及ばず、トータルリターンでVYMに僅かに上回る程度に勢いは縮みますが、それでも『安定財務・連続増配』は経営が安定し収益力の高い企業でなければクリア出来ない指標なので、この明快なコンセプトで選ばれ、確実に実績を残すVIGはやはり魅力的なETFの一つなのだと思います。

VIGリターン比較(直近10年)

【VIG】配当金推移

VIGは2006年の設定以来、概ね連続増配を継続しています。減配に転じたのは過去15年間で3回(2009・2013・2016)のみです。

この3回減配に転じた際も翌年には必ず過去最高額を更新しています。こうした実績からもVIGは安定した増配に信頼がおけるETFと言えます。

VIG配当金推移
出典:バンガード社HP

【VIG】増配率推移

■増配率の傾向
増配率に絶対の優位性がある訳ではない。ただし、配当金の暴落局面での下方硬直性が強く水準に安定感が見られることが魅力。

VIGの過去11年間の平均増配率は8.86%となります。VIGは連続増配を謳っているので、増配率では高配当ETFに遥かに勝る(長期では配当利回りで逆転する)とのイメージを持たれがちです。しかし、数十年に一度の規模であるリーマンショックなどの異常期を含めなければ増配率自体に大きな優位性はありません。VIGの増配傾向で特質すべきは平均上昇率ではなく下方硬直性です。リーマンショック時の配当金減少幅はVYMよりも少なく、金融危機前水準への回復もVYMより早かった実績があります。コロナ経済危機の影響もVIGの方が少ないですね。

一方で、ベースとなる配当利回りの違いから増配率を加味しても配当金投資としての効率はVYMのような高配当株ETFに軍配が上がることは特徴として押さえておきましょう。将来の高配当化を期待しての保有であればVYMの方に利があると思います(VYMの配当金シミュレーションはこちら)。

  VIG VYM
2008 17.53% 5.88%
2009 ▲4.58% ▲18.75%
リーマンショック以後
2010 7.05% ▲6.84%
2011 11.83% 26.67%
2012 20.03% 19.55%
2013 ▲1.34% 10.06%
2014 14.19% 9.14%
2015 14.76% 12.57%
2016 0.60% 2.79%
2017 15.68% 8.60%
2018 6.18% 10.42%
2019 4.72% 7.17%
2020 7.62% 2.46%
2021 15.83% 6.54%
年平均(1) 8.52% 6.53%
年平均(2) 8.86% 8.70%
(1)2008-2021、(2)2010-2021

【VIG】配当利回り推移

VIGの足元の配当利回りは1.80%程度で、傾向的に2.0%に届くことは基本的にありません。高配当を期待して買うETFではないことが分かります(VYMとも差が歴然です)。

VIG配当利回り

【VIG】まとめ

VIGはS&P500のベンチマークにも肉薄するリターンを実現しながら、暴落時には下落耐性と回復力を示す防御性が魅力です。

個人的にはキャピタル重視のVTI(またはVOO)とインカム重視のVYMの中間のようなETFという印象です。場合によっては、VTIやVOOをアウトパフォームする可能性も期待させてくれる夢のあるETFでありながら、経費率も激安ですので、人気拡大もうなづけます。

VIGの魅力については以下の記事でもポイントを絞って掘り下げました。

関連記事

本ブログでは資産運用(米国株中心)や節約につき研究し、その成果を公開しています。ご関心をお持ち頂けた方はお手数ですが、下記の『米国株』バナーをクリックの上で本ブログをフォロー頂けると執筆の励みになります!

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
VIGに関心がある方に、おすすめの記事
【米国連続増配株ETF】
【DGRO】VIGを圧倒する連続増配株ETFを徹底解説
【米国高配当株ETF】
【SPYD】不動産もポートフォリオに組める高配当株ETFの王者
【VYM】配当金生活の柱になる高配当株ETFの賢者
【HDV】米国高配当ETFを徹底解説(本記事で全部丸わかり)
【SCHD】VYMにリターンと増配率で上回る高配当株ETF
筆者
筆者

1秒割いて頂ける方は、上の『米国株』バナーをクリックして、当ブログをフォロー頂けると執筆活動の励みになります。お願いします!

コメント

タイトルとURLをコピーしました