【HDV】配当金生活にはいくら毎月積立すればよいのか

HDV配当金生活 米国株ETF

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【本記事を読むと分かること】
①毎月の積立金額に応じた配当収入の長期見通し
②HDVを毎月積立(1〜10万円)する長期シミュレーション
毎月3万円積立ができれば配当金生活の可能性が開ける

【こんな疑問にお答えします】

投資1年生
個人投資家

HDVは配当利回りが中級の高配当ETFだけど入金力が数万円でも意味があるのかな?

投資1年生
個人投資家

どれぐらいの期間積立すれば、効果を実感できるのかな?

HDVは世界最大の資産運用会社BlackRockが低コスト(経費率0.08%)で提供する米国高配当ETFです。私はこのHDVに500万円以上を投資しています。なので、人生設計に大きな影響を与える中長期での配当収入見通しについて日々シミュレーションを行なっています。

今回はそんな当事者の立場で、HDVへの長期投資から見えてくる配当金生活の将来をまとめてみました。シンプルに表にすると以下のような感じですが、個人的には毎月の配当収入が10万円を超えてくると人生が変わる(選択肢が大幅に増える)のではないかと考えていますそのため、『配当収入が毎月10万円を超える』というのを一つの評価基準にしています。このために必要な毎月の積立金額や運用期間について分析していきます。

HDV-dividend-long-term-simulation
■本記事を書いている人
✅Twitter(@gonfox21)でも情報発信
✅20代で金融資産3,500万円達成
✅米国ETFで資産運用(SPYDVYMSCHDHDV

【HDV配当金】前提となる平均配当利回り及び増配率

計算前提となるHDVの平均配当利回りは3.57%、増配率は7.92%を採用します。この数字については以下の記事で詳細を書いています。

【HDV】毎月積立シミュレーションの前提

計算に使用する配当利回りは3.57%、増配率は7.92%(配当利回りは設定以来、増配率は保守的に直近7年間を採用)。そして、前年積立分は翌年の年初から増配率7.92%を加味した配当利回りで配当金を生むものとします。

例えば、3年目時点の配当収入を計算する場合、1年目の積立分からは3.57%、積立から2年経過した投資元本からは3.85%(3.57%✖️1.0792)、同じく3年経過した投資元本からは4.16%(3.85%✖️1.0792)の利回りで配当金が発生するものとして計算します。

そして、積立の過程で発生する配当金は再投資せずに生活費の足しや自分へのご褒美に使うものとします普通のサラリーマンが捻出できる毎月の積立金額だと運用は長期戦(20-30年)になります。

(配当金まで再投資する禁欲的な生活を送るのではなく)この配当金で少しづつ経済的に豊かになっていることを実感しながら、長期運用へのモチベーションとしていくのが多くの人にとっての最適なHDVとの付き合い方だと思います。サイコロジーオブマネーなどの良書を読むとわかりますが、投資は銘柄選びと同じぐらい自分の感情とどう付き合うかが資産運用結果に多大な影響を与えます

【HDV】毎月1万円を積立する場合

毎月1万円(年間12万円)を積み立てする場合は、それぞれ節目でもらえる年間配当収入およびその時点での配当収入の積み上げは次の通りになります。

10年目時点での配当収入

積み上げた投資元本は120万円で、年間配当収入は約6.2万円です。ポートフォリオ全体の配当利回りとしては約5.15%になります。

そして、1〜10年目までに蓄積する総配当収入は約30万円です。

20年目時点での配当収入

積み上げた投資元本は240万円で、年間配当収入は約19万円です。ポートフォリオ全体の配当利回りとしては約8.1%になります。

そして、1〜20年目までに蓄積する総配当収入は約157万円です。10年目時点の配当収入が30万円だったのに対して、後半10年間で蓄積された配当収入は127万円と前半で蓄積する金額の4.2倍にもなります。つまり、20年間で得る果実の8割は後半10年から生み出されることが分かります。

複利の力や長期継続することの大切さが数字にはっきりと現れていますね

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30年目時点での配当収入

積み上げた投資元本は360万円で、年間配当収入は約47.8万円です。ポートフォリオ全体の配当利回りとしては約13.3%になります。

このあたりまで配当収入が成長すると、毎月約4万円(税引後で3万円)が不労所得として入ってくるので、投資効果を感じやすくなるかと思います。

そして、1〜30年目までに蓄積する総配当収入は約490万円です。最後の10年間で生み出される333万円は前半20年間で生み出される157万円の2.12倍です。最初の20年間の収入より最後の10年間の収入の方が多い事実はブレることなく努力を継続できる人が最後に報われやすいことを象徴しています。

【HDV】毎月3万円を積立する場合

毎月3万円(年間36万円)を積み立てする場合は、それぞれ節目でもらえる年間配当収入およびその時点での配当収入の積み上げは次の通りになります。

10年目時点での配当収入

積み上げた投資元本は360万円で、年間配当収入は約18.5万円です。ポートフォリオ全体の配当利回りとしては約5.15%になります。

そして、1〜10年目までに蓄積する総配当収入は約90.4万円です。毎月1万円から3万円(3倍)に積立金額を増やすと総配当収入(10年目時点)は約3倍になります。VYMで同様のシミュレーションをした時は4倍だったので、時間経過とともに複利の力がより強く働くのはVYMということも見て取れます。しかし、この時点では配当利回り勝るHDVの方が配当収入は年間2万円程度多いです

20年目時点での配当収入

積み上げた投資元本は720万円で、年間配当収入は約58.3万円です。ポートフォリオ全体の配当利回りとしては約8.10%になります。毎月4.85万円が給与(または年金)にプラスして受け取れるイメージです。

そして、1〜20年目までに蓄積する総配当収入は約470万円です。VYMの同様のシミュレーションよりも24万円程度多いです。

30年目時点での配当収入

積み上げた投資元本は1,080万円で、年間配当収入は約143万円です。ポートフォリオ全体の配当利回りとしては約13.3%になります。

毎月の配当金は約12万円(税引後は9.6万円)になります。ここがまさに、私の考える一つの達成目標です。毎月3万円をコツコツと積立していけば30年後には約10万円の配当収入(毎月)が期待できます。

この積立年数だけ聞くと、長く感じるかもしれません。しかし、この運用期間中の配当金は全て使っても良い(再投資しなくてよい)前提でのシミュレーションです。

このコツコツ期間(30年)にHDVが副収入としてもたらす総額は約1,468万円(48.9万円/年)VYMの同様のシミュレーションよりも48万円(1.6万円/年)多い計算です。30年目にはVYMが配当利回りではHDVを追い抜きますが、それまでの蓄積の差をVYMが埋めるにはまだしばらくかかる結果となりました。

個人的には、この『毎月3万円積立を30年継続するつもりでHDVに投資する(配当金は今を豊かにするために使う)』はVYMへの積み立て投資同様に人生にインパクトを与えるには十分な成果をもたらしてくれるのではないかと思っています。

【HDV】毎月5万円を積立する場合

毎月5万円(年間60万円)を積み立てする場合は、それぞれ節目でもらえる年間配当収入およびその時点での配当収入の積み上げは次の通りになります。

10年目時点での配当収入

積み上げた投資元本は600万円で、年間配当収入は約31万円です。ポートフォリオ全体の配当利回りとしては約5.15%になります。

そして、1〜10年目までに蓄積する総配当収入は約151万円です(VYMで同様のシミュレーションを実施した場合よりも16万円多い)。

20年目時点での配当収入

積み上げた投資元本は1,200万円で、年間配当収入は約97.2万円です。ポートフォリオ全体の配当利回りとしては約8.10%になります。

そして、1〜20年目までに蓄積する総配当収入は約783万円です(VYMで同様のシミュレーションをした場合よりも56.3万円多い)。

30年目時点での配当収入

積み上げた投資元本は1,800万円で、年間配当収入は約239.1万円です。ポートフォリオ全体の配当利回りとしては約13.3%になります。

そして、1〜30年目までに蓄積する総配当収入は約2,450万円です。毎月5万円積立できる人の未来はさらに明るいですね。30年後に積立をやめても毎月20万円(税引後18万円)の配当収入が見込めるほか、運用期間中に使えるお金は2,450万円(81.6万円/年)にもなります

インデックス投資などと並んで、HDVへの投資も勝ちパターンの一つになりそうです。

VYM長期積立との比較

VYMとHDVを比較して、配当利回りを深く考察した人は次のように思うはずです。『配当利回りはHDVの方が高いけど、増配率ならVYMの方が高い。それでは長期運用していれば、どこかで配当利回りが逆転するはずである自分の人生においてより厚いキャッシュフローが必要な時期がどこなのかを考えて、その時期により豊かなキャッシュフローをもたらしてくれるようにHDVとVYMの保有割を調節したり工夫する余地があるのではないか

最後に、この点を考察してみたいと思います。

VYMとHDVの割合を考える際のポイントとして個人的には以下3点を重視しています。

①入金力水準
②相続の意思
③運用方針への共感

結論的には、入金力が高くないうちはVYMに絞って配当金生活の計画を立てることで問題ないと思います。入金力高めの人はHDVをブレンドすることは人生の選択肢を増やす観点で大いに意味があるでしょう

入金力水準

資産運用において資金力入金力は投資収益の意味合いを大きく変えます。例えば、投資元本100万円の年利10%は10万円ですが、これが投資元本1億円なら年間1,000万円です。

1年間で10万円増えても人生における選択肢に大きな差は生まれませんが、これが1,000万円だと話は変わってきます。同様のことが、今回も言えます。

毎月3万円の積立シミュレーションを例に取ると、資産運用30年目で生まれるHDVのリードは約49万円で税引後では40万円程度です。これは毎月に直すと1,000円(ラーメン1杯)の差にしかなりません。この程度のキャッシュフローが若年期に追加されても人生の選択肢に影響を与えないでしょう。つまり、毎月3万円程度の積立であれば永久保有を前提にVYMがベターな選択肢と個人的には思います

一方で、入金力が大きい場合は話が少し違ってきます。例えば、毎月の積立金額が30万円になれば、そ配当収入は10年目で94万円、20年目で338万円、30年目では465万円の差になります。年平均で12、13万円のキャッシュフローの差になります。

ラーメン1杯の差が海外旅行も出来るレベルになってくると人生に影響が出てくる人もいるでしょう。

若い時期の方がエネルギーもあるし、お金の使い道も間違いなく多い。この期間における10万円は70歳過ぎてからの100万円よりも価値があると個人的には考えます

私はこう考えた末に、若年期のキャッシュフローを厚めにするべくHDVをポートフォリオに組み込んでいます。このアプローチが正解なのかは月次の運用報告で検証していきます。

筆者
筆者

当ブログをブックマークやお気に入りに追加(30秒でできる方法はこちら)の上で月次運用報告も定点観測してみてください(記事最後にPocketやはてなブックマークも設置してみました)。

相続の意思

基本的に資産運用はご本人のために行われている方が多いと思いますが、人である限り寿命は必ず尽きます。断言しますが、手塩にかけて育てた運用資産は血縁の者(多くは子供や孫)に引き継いで自分亡き後も大きくしてもらいたいという欲が晩年に生まれます

この観点では30年目以降で配当利回りを逆転して、その後も加速度的に複利で配当利回りを成長させていくであろうVYMが選好されるものと思います。

運用方針への共感

長期運用する銘柄選定にあたっては、その銘柄に対する深い理解および共感が前提になってきます。正直最も無難なのがFTSE US High Dividend Yield Indexに連動するVYMです。VYMは平均以上の配当利回りを持つ米国企業400社に分散投資します(上位10銘柄が全体に占める割合は2割程度)。良く言えば長期投資の基本原則(大切なものは一つのカゴに盛るな、分散せよ)にどこまでも忠実、悪く言えば個性がない(見返りもそれなり)とも言えます。

一方のHDVはこちらの記事でも特徴をまとめていますが、Morningstar Dividend Yield Focus TR USDをベンチマークとしており財務健全性でスクリーニングをかけた銘柄を高配当順に並べ上位75銘柄でポートフォリオを構成します。上位10銘柄が全体に占める割合が約5割と大きめなのが特徴です。顔ぶれを見ると財務基盤が強固な連続増配銘柄が上位を連ねており、コロナ影響で他のETFが減配や現状維持に精一杯な中でも大きな増配を見せたのは記憶に新しいです

両ETFを比較すると、HDVはVYMよりも人の判断を含む運用方針となっています(財務健全性の基準などを作るのは人ですから)。一方で、VYMは広く分散することで市場(自然)に任せるスタイルです。VYMが好調なのは株主還元重視の文化など米国市場が強いことが遠因にあります。ここには『米国市場に任せておけば良いんだ』というバンガード社の企業理念を感じます。

何かそのまま社風の違いを感じますね。

まるで「神の見えざる手(市場に任せれば理想的な結果はおのずと導かれる)」を説いたアダム・スミスに対して「政府(人)による経済介入」の必要性を説いたジョン・メイナード・ケインズの違いのようです。どちらも現代資本主義で欠かさすことのできない経済学者です。同様に、VYMとHDVのどちらが優れているという話ではありません。長期間運用するにおいては、どちらにより共感するかという話です。

ちなみに、私は両方に共感してます(笑)。

以上

筆者
筆者

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