【GAFA】今からテクノロジー株への投資はありか?

知識・哲学

【結論】
・相場は誰にも読めない
GAFAの成長継続≠株価高騰継続
GAFAへの集中投資は要注意

はじめに

2010年代の米国株は絶頂の極みであり、S&P500はリーマンショック時のボトムから2020年2月につけた史上最高値まで約11年で4.5倍にもなりました。

通常時には考えられないリターンです。まさに直近は米国経済の一人勝ちであったと言えるでしょう。

そして、この大躍進を前面に立って牽引していたのがGoogle Apple Facebook Amazonで、総称してGAFAと呼ばれます。Microsoftを加えてGAFAMと言う時もありますね。

S&P500でもボロ儲けした投資家でしたが、GAFAへの一極集中投資をしていた人はどれほどの富を得たのでしょうか。

2009-2020のGAFA株価成長率

下記の図は、GAFAの2009年最安値と2020年史上最高値(5/3時点)を比較して何倍に成長しているかを一覧にしたものです。

Facebookのみ上場が2012年なので、それ以前のデータがありません。従いFacebookのみ2012年の最安値と2020年の最高値を比較しています。

AlphabetはGoogleの親会社なので、実質的にGoogleだと思ってください。

どれもあのS&P500指数をさらに上回る伸びですが、Amazonに至っては何と50倍以上に達しています。

100万円を当時に投資していれば5,000万円になっていた計算であり、最近のGAFA熱狂ぶりにもうなづける結果です。

しかし、愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言います。本記事では過去の米国市場で同様の歴史が繰り返されてきたことにも触れていこうと思います。

IBMとスタンダードオイルの明暗

IBMは今でこそ時代の落伍者の烙印を押されていますが、元祖IT時代の革新者であり時代の寵児でありました。

そのIBMと当時から業界の成長に疑問符が付いていた石油株のスタンダードオイルが長期投資家にそれぞれどのようなリターンをもたらしたかをご紹介したいと思います。

まずは当時の企業状況を比較してみましょう。企業成長ぶりや利益率のどれを取っても、IBMに大きく軍配があがる状況でした。

(出典:ジェレミー・シーゲル『株式投資の未来』)

IBMは当時の最先端技術スーパーコンピュータを擁する紛れもない時代の覇者だったのです(IBM最盛期にはMicrosoftも赤子同然の下請けだったのは有名な話です)。

前述の状況を尻目に、業界の将来に疑問符がついていた成熟企業スタンダードオイルには誰も期待しておらず、株価はIBMに対して大きく割安に放置されていました。

(出典:ジェレミー・シーゲル『株式投資の未来』)

周囲の高い期待を集めたIBMに対して、事業実績に基づく実力が過小評価されていたスタンダードオイルですが、それぞれに1950年から投資をしていたら2003には次のようなリターンになっていました。

(出典:ジェレミー・シーゲル『株式投資の未来』)

株価上昇ではIBMに軍配が上がるものの、割安に置かれたことで配当利回りが高まっていたスタンダードオイルにトータルリターンで軍配が上がっています。

その差は年間0.59%ですが、スタンダードオイルの勝利を当時の投資家は誰も予測していなかったでしょう。だからこそ(割安放置)の結果だと言えるかもしれません。

そして、年間0.59%の僅差でも53年後には24%ものリターンの差になります

$1,000を投資していれば、53年後にIBMの$961,000に対してスタンダードオイルは$1,260,000を投資家にもたらす計算です。

つまり、その差は約30万ドル(約3,300万円)にもなるのです。単純に企業の成長力だけでベストな投資判断は出来ないことを物語っています。

成長の罠

人々は新技術を武器に圧倒的な成長を遂げる業界や企業に投資するのが、最良のリターンを得る方法であると考えています。

しかし、『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』で膨大なデータを分析した著名米国人投資家のジェレミー・シーゲルは全く反対の結論を出します。

シーゲルは投資リターンは企業成長速度に比例せず、成長ピークに向かうにつれて利回りが悪化していくことに気づきました。

彼はその分析結果を成長の罠と呼んでいます。

<成長の罠>

■成長過渡期の企業は多大な期待により株価は割高になる

■新技術はやがて陳腐化し、利益への貢献は限定的(成長<期待)になる

■割安に置かれた成熟業企業の配当利回りは上昇する

配当再投資による複利効果で成熟企業のリターンが成長企業を逆転する

現在のGAFA株価水準はどうか

賢者が最初にやることを愚者は最後にやる
-ウォーレン・バフェット-

インターネット検索(Google)やスマートフォン(Apple)は我々の日常に欠かせず、触れていない日はないと言っても過言ではないでしょう。

そして、Facebook(インスタグラムも傘下です)やAmazonは利便性の域を超えて既に我々の生活の一部となっています。

2009年当時は、GAFA企業の提供してきた新規ビジネスは人々の予想を超えて生活を変えていく革新的なものでした。

しかし、2020年現在の我々は彼らの革新性に慣れきっています。このような環境下で人々の期待値を常に超えた進化を続けるのはGAFAといえども容易ではないと思うのです。

2009年当時にGAFAの真の価値に気づいた人は正に先見の明があった投資家でしょう。しかし、今ではGAFAの価値は誰もが知っていることです。

そして、永遠に高騰を続ける株は存在しないことを投資家は十分に肝に命じるべきです。

愚者とも言える株価高騰につられて投機的に参入して来た投資家が増えるにつれて、株価は割高となり、その企業の根源的な価値では株価に見合う成長が困難になっていきます

行き着くところまで行くと、株価はバブル水準となり、最終的には萎んで行くのです。

GAFAが今後も素晴らしい企業成長を続ける可能性は高いと思います。

しかし、経済雑誌や素人までもがその株価に関心を持ち始めている今、現在のGAFA株価がその将来の成長に見合う水準かは慎重な判断が必要と思います。

まとめ

テクノロジー企業が今後も経済成長を牽引するからといって、長期リターンで他セクターの銘柄を凌駕するとは限りません。

リターンとは企業成長が投資家の期待を超えてくる時に大きく発生するからです。つまり、企業成長が折り込み済み又は投資家期待値を下回る場合は株価上昇には繋がりません

GAFAが今後も成長を継続するという見通しは正しいかもしれません。ただし、それだけを持って投資根拠とするのは十分ではありません。

GAFA成長継続は既に多くの投資家に期待されている未来であり、株価にも一定程度折り込まれていると見るのが妥当だからです。

投資決定をする際は、未来のGAFA成長が今の投資家期待を十分に上回るか検証の上、GAFAの未来は現在も十分に評価されていない(割安)と判断出来ることが重要です。

この点を踏まえると投資知識があるだけではなく、テクノロジーにも精通していなければ、現在の株価がGAFA未来に対して十分に割安かの判断は難しいと筆者は思います。

従い、テクノロジー専門家以外は、GAFA株保有は一定比率以下に留めるのが無難です。

GAFAの成長を逃す機会損失が怖いなら、S&P500連動ETFからの恩恵で十分だというのが現在の筆者見解です。

<本記事要旨>
■GAFA株は既に未来成長を折り込んでいる
■未来のリターン=投資家期待<未来の企業成長
■現在のGAFAへの投資家期待はかなり高い
■時代の寵児IBMも期待の壁に直面し停滞
■株価高騰の継続はGAFAにも容易ではない

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