【BNDX】全世界債券ETFを簡単解説/バンガード

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BNDXは正式名称をVanguard Total International Bond ETFといい、この1本で世界の債券市場に分散投資できるETFです。分配金頻度は毎月です

BNDXが投資するのは(1)米ドル以外の通貨建(2)投資適格(BBB以上)を満たす債券になります。このため主要な投資地域は米国以外になります。また、もっというと投資適格(BBB以上)が条件なので先進国が占める割合が自然と多くなるのも特徴です。さらに保有債券の発行体は外国政府(国債)に限らず地方自治体や企業など多岐にわたるのも特徴です。

また、BNDXは米ドル通貨建以外の債券に投資するので、そのままだと様々な国の通貨をバスケット保有することになり為替リスクが発生します。全世界株式ETFであるVTなどは為替リスクをそのままとる運用になりますが、BNDXは米ドル建でヘッジを行います

BNDXは楽天証券やSBI証券など主要なネット証券で取引可能です

投資対象(通貨) 米ドル以外
投資対象(発行体) 外国政府、政府機関、企業、ABS
信用格付 BBB以上
為替ヘッジ有無 米ドル建へのヘッジあり

ABS=Asset Backed Securities(資産担保証券)→家賃収入などを証券化した金融商品

基礎概要(株価・配当金・経費率)

(2023年1月30日時点)総資産は470億米ドルと5兆円を超える規模であり流動性も全く問題ありません。マーケットで厚い需要を集めていることが読み取れる数字です。また、経費率は0.07%と激安であり長期保有に向く銘柄の一つでしょう。全世界の債券市場への分散投資をこの低コストで実現できるのは、ひとえに規模の経済が働くバンガード社の強みでしょう

運用会社 バンガード社
株価 $48.61
設定日 2013年5月31日
ベンチマーク Bloomberg Global Aggregate ex-USD Float Adjusted RIC Capped Index (USD Hedged)
分配金頻度 毎月
総資産 470億米ドル
経費率 0.07%
銘柄数 6,750
最終利回り 5.9%
平均残存年限 8.9年
平均デュレーション 7.4年
出典:Vanguard Total International Bond ETF

【BNDX】投資先国割合

BNDXは40カ国の地域と国際機関で発行される債券からなるポートフォリオです。その筆頭は日本と欧州先進国で上位10カ国で全体の75.20%を占めます。

BNDX構成国比率
日本 16.80%
フランス 11.70%
ドイツ 10.30%
イタリア 7.30%
カナダ 6.50%
イギリス 6.40%
スペイン 5.30%
国際機関 4.10%
オーストラリア 3.60%
米国 3.20%
韓国 2.90%
オランダ 2.80%
ベルギー 2.10%
スイス 1.50%
オーストリア 1.40%
スウェーデン 1.30%
中国 1.20%
インドネシア 1.20%
マレーシア 0.90%
デンマーク 0.80%
フィンランド 0.80%
メキシコ 0.80%
タイ 0.80%
アイルランド 0.70%
ノルウェー 0.70%
ポルトガル 0.70%
シンガポール 0.70%
チェコ 0.50%
ニュージーランド 0.50%
ポーランド 0.50%
イスラエル 0.40%
ルーマニア 0.30%
チリ 0.20%
コロンビア 0.20%
ハンガリー 0.20%
ペルー 0.20%
スロバキア 0.10%
スロベニア 0.10%
クロアチア 0.10%
ルクセンブルク 0.10%
サウジアラビア 0.10%
合計 100%

【BNDX】保有債券の格付構成

各債券の組み入れ比率は債券市場における時価総額加重平均で配分され、以下の要件に従って特定の発行体の信用リスクに集中しないように調整・メンテナンスされております

【集中回避のルール】
(1)どの発行体のエクスポージャーも25%を超過しない
(2)エクスポージャーが5%を超える発行体のエクスポージャーを合計しても50%を超過しない

 

BNDXの構成要件の一つが投資適格(BBB以上)であることですが、わずかに投資適格未満または格付不明の債券が含まれるのは運用期間中に格下げもしくは格付停止になり、まだ指数から取り除かれていないものが発生しているのだと思われます。

【以下、割合は2022年12月31日時点】

信用格付 ポートフォリオに占める割合
AAA 23.30%
AA 26.00%
A 29.70%
BBB 19.10%
BBB未満 1.50%
格付なし 0.40%

【BNDX】トータルリターン(ボラティリティ)

米国総合債券ETF(BND)を比較対象に持ってくると総じてBNDXの方がリターンは高めです。債券のリターンは信用リスクに比例しますから、BNDよりリスクが高めのBNDXの方がリターンが高いのはある意味当然です。一方で、2014-2022年の実績ベースで標準偏差(ボラティリティ)はBNDX(4.04%)の方がBND(4.40%)よりも低めです。以上2点を加味すると債券をポートフォリオに組み込みたい人はBNDとBNDXをミックスすると良いかもしれませんね。

なお、金利感応度を示す平均デュレーションは7.4年(債券価格の理論上、金利1%の変動で7.4%の値動きがある)で、BNDの6.5年よりも高くなっています(2023年1月30日時点)。

BND,BNDX,リターン比較

また、2022年は先進国と新興国の区別なく全世界的に大幅な利上げが相次いだので、金利上昇に伴う債券価格の下落からトータルリターンも大幅マイナスを記録しています。先進国を中心に長年の低金利で債券市場は歪められていたので現在は正常化プロセスといえる局面であり、利上げが全世界的に一服してくればBNDXも買いやすくなるでしょう。2022年にこれだけ下げたということは、利上げがひと段落したのちには上昇余地もそれだけ確保されるということです。

【BNDX】分配金推移(年間配当金)

BNDXは前述の通り、毎月分配金が払い出されます。設定以来(2013〜2022)の分配金実績は以下の通りとなっております【出典:Yahoo Finance】。なお、2013年は7月からの半年分です。

BNDX分配金,年間配当金

【BNDX】配当利回り・分配利回り

BNDXの次の期間(2014-2022年)における平均配当利回りは2.21%最大で3.74%最低で1.11%を記録しました。

BNDX分配利回り,配当利回り

【BNDX】VTIやBNDとの株価相関度

2013年7月から2022年末までの期間におけるBNDX、BND、VTIの株価の値動きの相関性について実績を確認しました。1に近づくほど相関性が高い(同じ値動きをする)、0に近くづくほど値動きに相関性がない、−1に近づくほど逆相関の関係にあることを意味します。

BNDXとVTIの相関性は0.37なので、ほぼ両者の値動きに相関性は認められないという結果でした。BNDとは0.86なので比較的同じような方向に株価が動くETF同士ということも見て取れます。

BNDX.VTI,BND相関性

BNDXのメリット・デメリット

【○】低コストで世界の債券市場を丸ごと保有できる
【✖️】日本人が円債券を米ドル建ヘッジする違和感

メリットは、シンプルに低コストで世界の債券市場に分散投資できることです。米国債券に広く分散投資するAGGやBNDと組み合わせれば全世界の債券市場に満遍なく投資できます。また、全世界株式ETF(VT)と組み合わせれば世界の株式市場と債券市場を丸ごと抱えるポートフォリオが簡単かつ低コストで自作できてしまいます

デメリット(もしくは気になる点)としては、為替ヘッジ有(米ドル建)のETFを通じて日本に対するエクスポージャーを持つのに違和感を感じることです。全体に占める割合は2割程度といえ、日本はBNDXの中では最大です。日本で暮らす日本人なら円建債券は為替リスクのない円建でそのまま持つのが一番自然です。それをわざわざ米ドル建でヘッジするのは変です。一方で、不安定な新興国通貨も含む全世界債券ETFには為替ヘッジが必要なのも頷けるし、やむなしの話ではあると思います。

メリデメを総括すると、世界中の債券市場に分散投資する現実的手段としてBNDXは最有力の一つでしょう。

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筆者
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