VYMは昨年までに11年連続増配中の記録を持っており、12年連続をかけた最初の配当金予定額が発表されました。VYMは400万円以上を投資中で、私のポートフォリオの主要銘柄でもあります。
VYMは高値を切り上げていく成長力を持っており、配当投資家の天敵である『高値掴み』が起こりにくい特性を持っています。このため、米国高配当ETFに関心を持つ人がポートフォリオの中心に据えるにはVYMが有力手になるかと考えています。今回は、そんなVYMの配当金状況と年初来リターンの状況についてまとめました。
【VYM】2022年3月の配当金状況
発表によれば権利落ち日は3月21日となっています。肝心の配当予定金額は$0.6622で前年同月比で0.88%の増加です。

【VYM】2022年の年初来リターン
市場インデックス(VTI)と比較すると年初来のパフォーマンスはVYMが大きく凌駕する展開が続いています。3月18日時点では両方ともマイナス着になってますが、VTIは▲8.6%と大きな下落になっているのに対してVYMは▲0.6%の微減に留まっています。このようにあまり株価が下がっていないので、後述の通り配当利回りの見通しは伸び悩んでいます。

【VYM】配当利回り状況
配当利回りは基準となる配当金額(通年)を株価で割って算出します。2022年の最終的な配当金額は現状分からないので以下の3パターンで評価してみました。個人的には3%を超える水準で購入したいと考えているVYMですが、足許株価$112に対する現状の配当利回り見通しは以下の通りです。
総括すると現在株価に対する2022年配当利回りは恐らく2.8%〜2.9%の間の水準にあるのではとの感触を個人的には持っています。
2021年の配当金を基準とする場合
VYMは第一四半期時点で増配基調の様子を見せていますが、それを織り込まずに配当利回りを算出する保守的なケースです。基準となる配当金額は2021年実績($3.0961)です。
$3.0691/$112=約2.77%
これまでのVYMの平均配当利回りよりも低い水準です。これは前述の通り、VYM株価が力強く成長しているので増配がそのスピードに追いついていないためです。
VYMホルダーとしては複雑な心境です。
2021年配当金実績の1Qだけを今年の金額にアップデートする場合
つまり、確定した2022年第一四半期の配当金実績に変更して、残り3回の配当金(未確定)を保守的に増配しないものとの想定で2021年実績値を据え置くパターンです。基準配当金額は$3.1019です。
$3.1019/$112=$2.77%
第一四半期の増配が微増すぎて、最初のパターンとあまり変わりませんでした。
2021年実績値に平均増配率を掛け合わせた予測値を利用する場合
VYMは昨年終了時点で設定以来、年間平均をとると約8.80%の増配を実現しています。この増配率を昨年実績にかけ合わせた$3.369を基準として計算します。
足元の増配状況や足元の世界経済情勢を見ると、かなり楽観的な試算であると思います。
$3.369/$112=約3.01%
【VYM】2022年3月時点の今は買いタイミングなのか
前段落の試算を踏まえると、かなり楽観的に考えても現在株価では3%前後の配当利回りとなりそうです。本音ではもう少し下がった水準で購入したいところですが、最近のVYM株価は好調なのでこのまま上昇を続けてしまう可能性があります。将来のある時点で、例えば10%調整が発生しても、よく比較してみると現在の$112で購入したほうが安かったなんて結果になるリスクもあるということです。
過去の配当利回りを基準に考えると割高に感じても、将来視点では今が安値かもしれないのです。そして、これはVYMがそもそも中長期的に株価上昇を継続しているからこその悩みです。購入を躊躇する主な理由が高値掴みにあるのだとすれば、『VYMはその懸念が少ないので定期買付をしても差し支えがないETF』だと今の状況をある程度割り切って見ています。
株式市場は平均に回帰すると言いますから、長期積立していれば、最終的な買付け配当利回りの平均も3.0%前後に落ち着くのではないでしょうか。こればかりは蓋を開けて見なければ分かりませんが、以上のように考えられる人は、ドルコスト平均法で購入しても良いと思います。
以上

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