【2022年】S&P500ベアマーケット期間や下落率の過去実績

S&P500ベアマーケット期間,下落率,日数,VIX 投資戦略・考察記事

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【本記事を読むと分かること】
①S&P500のベアマーケットの平均下落率
②S&P500のベアマーケットの平均日数
③ベアマーケット終了の合図の参考情報

米国はFRBの政策金利動向に注目が集まり、いつインフレがピークアウトするのかや景気後退をどれほど株式市場が織り込んでいるのかに注目が集まっています。2022年10月19日時点で現在の米国株式市場がベアマーケットであるという点についてはおおむねコンセンサスが得られているように思います。そして、この数日の米国株式市場は10月13日の米国消費者物価指数(CPI)の事前予想を上回るインフレ報告直後にNASDAQを中心に年初来安値を更新する暴落を見せますが、その日中にプラス数パーセントの黒字着地を見せるという大きなボラティリティを見せました(典型的なベアマーケットラリー)。悪材料の出尽くしと判断したのかNASDAQは5営業日で底から+8%以上の急上昇を見せています。S&P500も6.5%ほど上に跳ねました。

このような急転換を見せられるとベアマーケットの終わりも近いのではという期待感が生まれます。また、ベアマーケットの終了時にはどのような兆候が見られるのかが気になるところです。本日は過去の米国株式市場の弱気相場(ベアマーケット)がどのように終了したのかをいくつかの統計情報をもとに見ていきたいと思います。

なお、私には相場展開を読む力はありませんし、今後を予測するものではありません。ただ、いくつかの統計情報の事実をご共有するものです。

■本記事を書いている人
✅Twitter(@gonfox21)でも情報発信
✅20代で金融資産4,300万円達成
✅米国ETFで資産運用(SPYDVYMSCHDHDV

【S&P500ベアマーケット】過去の平均下落率と弱気相場期間

S&P500が年初来につけた現時点での底を見ると25.4%下落しております。REUTERSの記事は、この下落状況について1946年以降のベアマーケットの平均下落率が32.7%であったことを踏まえれば比較的軽微であるという事実を指摘しています。

S&P500ベアマーケット平均下落率

このグラフを見ると1946年以降にベアマーケットとして認識された相場は13回あり、現在の下落幅(▲25.4%)で底を打ったのは4回です。統計的には現行の下落水準で底を打ったのは全体の3割程度であったということです。2000年代以降のベアマーケットはいずれもその終了に30%以上の下落を待たねばいけなかったという事実も見えます。

1929年以降まで調査対象を広げた統計情報も見つけました。

Peak dateTrough datePercentage decline in S&P 500Number of days from peak to trough
9/7/192911/13/1929-44.767
4/10/19306/1/1932-83.0783
9/7/19322/27/1933-40.6173
7/18/193310/21/1933-29.895
2/6/19343/14/1935-31.8401
3/6/19373/31/1938-54.5390
11/9/19384/8/1939-26.2150
10/25/19396/10/1940-31.9229
11/9/19404/28/1942-34.5535
5/29/194610/9/1946-26.6133
6/15/19486/13/1949-20.6363
7/15/195710/22/1957-20.799
12/12/19616/26/1962-28.0196
2/9/196610/7/1966-22.2240
11/29/19685/26/1970-36.1543
1/11/197310/3/1974-48.2630
11/28/19808/12/1982-27.1622
8/25/198712/4/1987-33.5101
3/24/200010/9/2002-49.1929
10/9/20073/9/2009-56.8517
2/19/20203/23/2020-33.933
Average -37.1344
Median-33.5240
出典:Bankrate『The S&P500 in a bear market: How much lower could it go?

下落率の平均は▲37.1%、中央値は▲33.5%となっております。一番右側の行はS&P500が直近最高値をつけた後に底をつけるまでの日数になっています。バラつきが大きいので参考の仕方が難しいですが、平均で344日、中央値を取ると240日という情報です。S&P500が直近で最高値をつけたのは2022年1月4日なので平均値で言えば年明け(2023年1月)には底打ちをする見通しになります。中央値で言えば今年9月には底をつけていた計算です。

繰り返しながら、それぞれのベアマーケットにおいて金融市場の状態も外部環境も全く異なるので再現性については全くロジカルな裏付けはありません。この過去実績からわかるのはベアマーケットは短ければ1ヶ月程度で終わるし、長いと数年間に及ぶという事実です。つまり、ベアマーケットの終了時期を当てるのは難しい。

【S&P500ベアマーケット】VIXから見る弱気相場の合図

前段で述べた通り、ベアマーケットの終了時期を見通すのは非常に難しいのですが、現在のVIX指数は過去の中央値より高い水準で推移しているものの過去のベアマーケットで記録したいずれのピークにも達していない(=恐怖を覚えるには程遠い)水準のようです

ベアマーケットVIX
出典:Analysis: As U.S. stocks rip higher, investors hunt for signs of market bottom

過去のベアマーケットにおけるVIXを参考にするのであれば、40を超える数値を記録してからが底打ちの合図ということになるようです。その相関関係を推考するに、市場センチメントの悪化により非合理的な価格水準まで叩き売られて初めて『この価格より下には行かない』という安心感が臆病な投資家の間に生まれる(また握力弱い投資家が退場しきる)のがVIXが40を超えてくるような状況なのだと思います。相関関係という表現をしましたが、底打ちとVIXに因果関係とまで呼べる裏付けはないと思うのでやはりあくまでも目安というところかと思います。

【S&P500ベアマーケット】2022年のベアマーケットラリー

S&P500は年初来から右肩下がりの展開ですが、何度も繰り返し急回復の動きを見せております。残念ながら現在までに『そろそろ反転だろう。これがその兆し』という投資家の期待はその数だけ裏切られております。急回復するたびに一定期間おいて下値を更新する展開が続いてます

S&P500ベアマーケットラリー

やはり人は忘れる生き物なのかインターネット上の個人投資家(インフルエンサー含む)の反応を見ていると底打ち反転予想が多いと感じます。その結論自体は良いと思うのですが、この急回復⇨下値更新を繰り返してきた時と今回は何が違うのかを合理的説明できることが重要だと思います。国際金融情勢でも地政学でもFRB金融政策でも焦点を当てる材料はなんでも良いのですが、あの時と今回では何が違うのか。これが説明しきれない予想はどこまで言っても勘に過ぎないと思います(底は必ずくるので反転を言い続けてればいつか当たる)

ベアマーケットでどのように投資をしていくか

この問いに対しての答えはは投資スタイルや考え方の違いによると思いますが、インデックス投資に関しては好調時も低調時も常に一定金額を積み立てるのが前提になっているので迷うことはないでしょう。私のように配当利回りをベンチマークにしている人は常に安値で仕込みたい誘惑に駆られます。

あくまで私の場合ですが、インデックス投資については積立設定を組んだまま放置しております(私の意志は関係ありません)。米国高配当ETFに関しては長期保有に向くVYMSCHDを毎月50万円単位で買い向かう方針でいます(買い時がベストでなくてもダメージは大きくないため)。下がる余地はまだあるかもしれませんが、リーマンショックのような大暴落になったとしても現水準からマイナス30%程度だと考えれば上記ペースで買い向かう分には数字上も精神上もあまりダメージはないと考えているからです。アプローチとしてはワーストシナリオを置いてみて許容できる買い方になるかを検証しつつ買い向かっているような感じです。デメリットとしてはフルインベストメント状態に比べると機会損失が発生する可能性があります。この点に関して、私は資産運用は労働収入等も含めてトータルで見ているので投資では機会損失には寛容な姿勢でいます。

FICAを念頭に配当金をベンチマークにしてますが、機会損失は人生の選択肢に影響があるかという観点で評価をしています。私の目下の状況での評価基準は機会損失が発現した場合に『今の仕事を辞めるリスクを取る心境になるか(現在の待遇を捨て別の物事に挑戦)の判断に影響があるか否か。私が機会損失の可能性をコストにしても現金比率を高めているのは、マーケットが今よりも20%程度下落するような場合には上記基準の達成が数年早まる可能性があるためです。現段階でフルインベストメントにする場合も、今後より高い株価水準で本格的にINする場合(機会損失が発現したケース)でも現在の職場で働き続けるのが基本シナリオという意味では大きな違いが私の中ではありません。だとすると、この機会損失(+●%の利益を逃す)は私の人生という観点では大きな意味を持たないといった具合です。そうであれば現金温存はこの機会損失を許容する価値のある”賭け”だなとか考えています。

本記事をお読みいただいている皆様におかれましても人生における投資の位置付けやゴールから逆算した時の優先事項によって取るべき行動は変わってくると思います。

色々な気持ちが生まれるベアマーケットですが、みんなで乗り切りましょう!明けない夜はないので大怪我しないように気をつけながら朝日を待てたらと思います。

筆者
筆者
 

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