【配当生活ポートフォリオ】を考える際のポイント

配当生活ポートフォリオ 投資戦略・考察記事

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■本記事を書いている人
✅Twitter(@gonfox21)でも情報発信
✅20代で金融資産4,000万円達成
✅米国ETFで資産運用(SPYDVYMSCHDHDV

私は2024年中のFIREを目標に資産形成を実施中で、配当重視のポートフォリオ(運用資産は約1,700万円)を構築しています。現在は月5万円程度の配当収入があり、これを月20万円に増やしていくことを当面の目標にしています

FIRE達成後は現在の労働収入と配当収入の比率は逆転していくものと思われます。配当収入の重要性が増していく未来が見えているわけですが、どんな点を意識して配当収入の源泉であるポートフォリオを構築しているのかを本日はまとめたいと思います

実際に配当投資をしている個人投資家の一例として皆様の参考になれば幸いです。

タコ足配当になっていないか

タコ足配当の銘柄でポートフォリオを構築しない

 タコ足配当とは、投資元本が配当金として自分の手元に帰ってきている状態を指します。これは投資として全く意味ないですし、投資商品の売買や運用には手数料が発生するのでマイナスの貯金箱にお金を預けているようなものです

配当金は本来、投資先がその資金を元手に作った利益を投資家に還元するものです。個別株や投資信託の中には利益が出ていないのに投資家からお金を集めて、実質的には手数料を差し引いて元本を減らしながら投資家に返金しているようなものがたくさんあります。

こんな金融商品に投資するぐらいなら、貯金しておいて計画的に取り崩した方がましです。したがい、タコ足配当の金融商品でポートフォリオを構築するのは避けます。これが第一のポイントです。あまりに当然かもしれないですが、表面上の配当利回りに目が眩んでしまって、この当たり前が見過ごされるケースをよく見るので念のためポイントに上げました。

証券会社は金融商品を売るプロです。マーケティングにもたくさんのお金を費やしていますし、何をアピールすれば消費者(投資家)は自分たちの投資商品を買ってくれるのかをよく分かっています。金融商品は消費者に見せたい良い部分だけが強調されがちですインデックスファンド(S&P500)という投資の基本から外れる場合は謙虚に投資商品の中身を精査する事が大切です

特に流行商品には注意です。流行商品は概して企業マーケティングの産物だからです。本当に良い商品は地味に太く長く支持を集めているものです。

配当収入は安定性を重視

配当収入は利回りよりも安定性を重視する

 配当ポートフォリオは『配当利回り』よりも『安定性』を重視しています。これまで色々な高配当ETFを見てきましたが、配当収入が長期間に渡って支払われる安心感と両立できる配当利回りは3.0%前後だとの感触を持っています(調整局面などではもう少し高い配当利回りで仕込むことは可能です)。

このため平均的な配当利回りが3.0%を超える金融商品は、『安定性』とのトレードオフが発生します。

キャッシュフローの安定感が確保できないと人生設計が難しくなります(特にFIREを実現した後の収入を配当に頼るのであれば)。今年は毎月20万円の配当収入が確保できたとして、上振れするなら良いですが、来年や再来年は毎月15万円かもしれないというポートフォリオでは安心して配当金生活を送ることができません。

私はSPYDを組み込んでポートフォリオ全体の利回りをあげていますが、ポートフォリオに占める比率が半分は超えないように意識しています(現在は3割程度)。これはSPYDの配当金実績が右肩上がりとはいえず、期待配当収入は割り引いてみる必要があると考えているためです。例えば、SPYDの配当収入が毎月8〜10万円の間でブレる(下振れリスクあり)なのであれば、私は毎月8万円の前提で配当収入を計算します。配当金生活ポートフォリオを考える上で、悲観的に構築しておいて上振れする分には人生設計に悪影響はありませんが、何となく楽観的な見積もりで構築して下振れした場合は人生設計に直接的な影響が出てしまう可能性があります。

この”可能性”がチラつくだけで、配当金生活はストレスフルになるでしょう。なので、私は配当金生活を前提にポートフォリオを組むのであれば、配当利回りよりも安定性の方を重視した方が良いとの考えです。

安定度を測る尺度は増配率

私が重視している指標は増配率です。右肩上がりの配当金実績がある米国高配当ETFを好んでポートフォリオに組み入れるようにしています。具体的な名前を挙げるとすれば、VYMが代表格です。

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リーマンショックの影響を受けた数年を除いて、綺麗な右肩上がりの配当金実績を示しています。2010年から約10年で配当金は約3倍に成長しています。配当金生活を送る中で安心して配当収入を待てると思います。

配当生活ポートフォリオの管理工数をかけない

メンテナンスに手間をかけない(ETFを活用)

 長期投資は不労所得のように思われがちですが、個別株投資の場合は別です。財務諸表を四半期ごとにチェックし、企業動向に目を光らせておく必要があります。金融商品は買ったら終わりではなく、期待通りの働きをしているかモニタリングをする事が欠かせません長期保有の場合は、この作業を長期間実施する必要があります

この作業を自分でやるのか、他の人に任せるのかという判断がここで生まれてきます。問題は何を基準に判断するかです。ずばり、時間コストをかけて自分で取り組むだけの付加価値があるかどうかです

例えば、インデックスに最も近い高配当ETFであるVYM(400銘柄以上に分散)よりも高い配当利回りとなるポートフォリオを自分で組みたいとします。当然ながら、配当利回りが高いものを適当にピックアップという訳にはいかないでしょうから、それなりの調査・分析時間が必要になるでしょう。これが定期的に発生します。つまり、『もっと欲しい』と『時間や手間はかけたくない』はトレードオフの関係です

時間コストに見合う成果を期待できるか

市場を出し抜くのは難しい。オマハの賢人と呼ばれるウォーレン・バフェットでも生涯平均リターンは年利20%程度(S&P500の直近10年の平均は約14%)。ウォーレン・バフェットは11歳の頃から現在まで80年間の投資キャリアを誇り、それを本業としている一流のプロです。資金も人脈も人材も我々のような個人投資家とは比べものになりません。その圧倒的なリソースを持って手間暇をかけた結果が、年間6%という市場平均に対するプレミアムです。

私たちが同じだけの時間を割いて手間をかけたとして、どれだけの+αが見込めるのでしょうか。私はメンテナンスはバンガード社、ブラックロック社、ステートストリート社などの一流の人材に任せてしまい、自分は自分の強みが発揮できる仕事や情熱を傾けられることに貴重な時間を割いた方が良いと考えています。投資は資産形成や人生の一部分でしかありません。この投資という一要素部分最適化されるよりも、資産形成または人生全体を最適化することを重視しています

このため、可能な限りETFをポートフォリオ構築の中心にする方針で投資しています。また、今は財務分析や企業動向をフォローする時間も体力もあるので個別株に手を出す余力はあるのですが、今後の人生で他に注力すべきこと(例:子育て、介護)が出てきた時に自分でメンテナンスする余裕がなくなる可能性も自分の資産形成計画に織り込んでポートフォリオを考えているというのも理由です。以下の記事でも触れた、『資産形成の計画には誤りの余地を残す』という考え方です。

なお、外注できれば何でも良い訳ではなく、手数料が安いETFにこだわるべきと考えています。私の配当金ポートフォリオの中で一番経費率が高いHDVでも0.08%です。手数料の水準としては個人的に0.1%前後を基準にしています。手数料は長期運用するなかで複利で運用資産を毀損するので非常に厄介な敵だからです(長期運用におけるコストの重要性はこちらで分析しています)。

それでも個別株でポートフォリオを組みたい

私はサイコロジーオブマネーという資産形成に関する書籍が好きなのですが、その中で取り上げられていた『インデックス投資が最適解との研究論文でノーベル賞を受賞したハリー・マーコウィッツが個別株投資をしていた』という逸話が好きです。

私たち人間は感情を持つ生き物です。ノーベル賞を取る学者でも合理性だけでは生きていない。こうしたことを踏まえれば、個別株投資に私たちが魅力を持つのはある意味当然かもしれません。個別株の方が愛着が湧きますものね。上記では個別株に対してのETFの優位性を書き連ねましたが、個別株を否定する気持ちはありません。何事もバランスだと思っています

個別株を通じて経済のことや、ビジネスのことに関心をもち金融リテラシーを高める方もいると思います。私は、失敗ができない資産形成のコアは一握りの優良な投資信託やETFの方が無難だとは思いますが、個別株に喜びを見出している方々に対して不合理だなんて余計なお世話を働くつもりはありません。『ETFを選好している人間はどんな理由から、そういう選択をしているのか』という一つの観点として受け止めて頂けると幸いです。

具体的にどのようなポートフォリオを構築すべきか

私は極端なところ、VYMの一本足打法でも良いと思っています(*)。VYMは割高局面を除けば、3.0%程度の配当利回りが期待でき、右肩上がりの配当金実績をがあります。これは、私が考える配当金生活ポートフォリオの最適な条件を満たしています。そして、400銘柄以上のバスケットで分散性も申し分ない。

(*)米国以外にも分散しなくて良いのかという論点はある。しかし、他の地域で安定的に配当を出している企業は驚くほど少なく『配当』という観点では地域分散が難しい。

 『ポートフォリオはVYMで十分なんて聞いたことないぞ』と思われるかもしれません。恐らくですが、それがなぜかと言えば、私の方法では配当収入の効果を実感するのに時間がかかるためです。または、ETF1本で良いということになればブログのネタに困ります(個別株でポートフォリオを組む方がオリジナリティを出せるので、そのことについても記事が書けます)。

『10年、20年の時間をかければ、あなたが欲しいものはほぼ確実に手に入ります』と言ったところで、読者からは『俺は明日にでも金持ちになりたくて情報収集しているんだ。つなまらない話をするな。』とそっぽを向かれてしまいます。読者にとって本当に為になる(と私が考えている)話とブロガーにとって有益な話(PVが稼げるもの)にトレードオフの関係が発生しています

人が欲しいものにはトレードオフがつきものです。(両方のニーズを満たす選択肢があれば良いのですが)『早く欲しい』と『安定確実に欲しい』はトレードオフです。どちらかを得るには、もう一方を諦める必要があります。

読者のニーズとして『早く欲しい』が強いので、そうした記事が優先されて量産される傾向にはありますね。誰でも簡単に出来る方法で忍耐を必要としない期間(1年とか2年)でお金持ちになる方法なんて存在しません。配当生活も同じです。

時間という対価ぐらいは配当生活への交通料として払うべきです。この対価を払う意思がある人にはVYMという完成されたポートフォリオがおすすめです。

もっと配当利回りが欲しいんだが?

高い配当利回りは安定性および持続可能性とのトレードオフです。ウォーレン・バフェットやジェレミー・シーゲルのように右肩あがりに配当金成長を続ける優良株を長期間保有した結果として、YOC(Yield on Cost:自分が投じた投資価格に対する配当利回り)が高配当化したポートフォリオを保有している有識者は見かけます。

一方で、配当利回りが10%を超えているような超高配当銘柄でポートフォリオを固めているような有識者を私は見たことがありません。日本でも海外でも投資家Youtuberでそうした銘柄をよく取り上げている人がいるのは私も知っています。配当利回りが高い金融商品を作るのはさほど難しくありませんし、世界三大資産運用会社のバンガード社、ブラックロック社、ステートストリート社なら片手間で出来るでしょう。しかし、これらの投資家の間で最も権威のある集団は、そういう金融商品を開発•販売していません。ニーズはあり、経費率を高めに設定しても買ってくれる人がたくさんいるだろうに、何でなんでしょうか。そうした金融商品は投資家に多大なリスクを寄せざるをえず、利益と引き換えに自分たちの評判を毀損することをよく理解しているからだと思います。

私はこうした”ファクト”には敬意を払うべきだと考えています。配当収入を短期間で増やしたいのであれば、配当利回りをあげなくても入金力を高めることでも同じ目的を達成できます。

入金力を上げるよりも、配当利回りを上げる方が(表面的には)簡単だから魅力に駆られるのは理解できます。しかし、おうおうにして『楽で簡単』と『価値あるものの獲得』はトレードオフです。本当に配当利回りがべらぼうに高い金融商品が配当生活向きなのであれば、ジェレミー・シーゲルやバフェットは真価を発揮するのに20年もかかるインデックス投資を推奨せず、そちらを勧めれば良かったのです。日本政府は年金改革に悩まなくてもつみたてNISAの商品に超高配当ETFを早く追加すれば良い。なぜそうしないのか?私が考えつくのは以下の3通りの可能性です。

①著名投資家はYoutuberに劣る馬鹿
②許容できない欠点があり、一般に推奨できない
③人に教えたくない金持ちが情報を隠している

私は②の解釈でおり、配当収入は(1)入金力を高める(2)時間をかけて複利増配で増やす方が堅実であると考えています。両方できるのが理想ですが、(1)ができないにしても(2)は誰でもチャレンジできるでしょう。

VYMで(2)に取り組んだ場合の成果シミュレーションをこちらの記事でまとめています。どれぐらいの入金力でどれぐらいの時間をかければ目標とする配当収入の水準に達するのかの参考になれば幸いです。私は読者を大切に思うのであれば媚びるのではなく、時に不合理なことは不合理であると記事にすることも必要だと思います。今回の書き振りで不快に感じた方がおりましたら、お詫び申し上げます。お考えと異なる場合は、そうした物の見方もあるのだなぐらいに思って頂けると幸いです。

筆者
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