【日本から米国に銀行口座を開く方法】米国ユニオンバンクとは

ユニオンバンクとは,メリット 資産運用

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【本記事で分かること】
✔︎ユニオンバンクとは
✔︎ユニオンバンクのメリット
✔︎USバンコープへの売却影響
→三菱UFJ銀行に問い合わせました

(2022年11月21日更新)

申し込みサイトに以下の案内が掲示されて、新規受付を停止してしまいました。残念ながら日本居住者の米国銀行口座開設ルートがなくなってしまいました。

ユニオンバンクの株式譲渡のため、カリフォルニアアカウント・プログラムは、2022年11月22日(火)郵送専用申込書(メールオーダー)当行到着をもって、新規受付を停止します。お申し込みを検討されているお客さまは、お早めにお申し込みください。また、郵送専用申込書(メールオーダー)の資料請求サービスは2022年11月12日(土)より停止します。

私は自己紹介でも記載の通り、米国証券口座(firstrade証券)をメイン口座にして資産運用を行なっています。その関係で、米国銀行口座も保有しています(私はユニオンバンクではないのですが)

米国に銀行口座を持てると資産運用のみならず、人生の選択肢が広がります。

しかしながら、(テロ資金封鎖に神経を尖らす)米国は世界でも金融業界のコンプライアンスが最も厳しい国の一つで、基本的に米国在住の人以外は銀行口座を開設できません。私は米国の銀行に片っぱしから50件ぐらい電話しましたが、『日本在住の日本人』と伝えた瞬間にNOの嵐でした。

結局、渡米して色々と苦労しながら口座開設しました。

しかし、そんな苦労しなくても日本に住んでいる日本人が口座開設できる数少ない例外の一つがユニオンバンクです。本日は、このユニオンバンクの概要・メリットを徹底解説します。

なお、USバンコープへの売却報道についてご関心ある方にもお役に立てるよう、三菱UFJグループに直接問い合わせたので回答内容も本記事でご共有します。

■本記事を書いている人
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✅20代で金融資産3,500万円達成(記録更新中)
倹約と資産運用がマイブーム

ユニオンバンクとは

ユニオンバンクは1867年にカルフォルニアに設立され西海岸を中心に305支店を展開する地銀です(西海岸以外ではニューヨークやテキサスにも支店があります)。

地銀といっても、そこは米国なので総資産は1,332億米ドル(約14.6兆円)の規模を誇ります。日本で言うと静岡銀行(全国12位/121)が同規模です。

現在は三菱UFJグループの100%子会社です(1975年に三菱UFJ銀行の前身である東京銀行が買収しました)。

三菱UFJグループが関与していることを背景に、日本語でやり取りが可能なユニオンバンクは日本人の海外駐在員の間で重宝されてきました。

ユニオンバンク口座を持つメリット

①と②は米国に銀行口座を持つ一般的なメリットですが、③と④はユニオンバンクならではの強みです。①と②に魅力を感じながらも、外国に銀行口座を持つことにハードルの高さを感じる人には③と④が心強いメリットになると思います。

これがユニオンバンクが日本人にとって魅力的であるゆえんです。

①米国証券会社へのアクセス確保

日本でもSBI証券や楽天証券の頑張りで、優良な投資信託やETFに低コストでアクセスできるようになりました。しかし、金融市場の本場はあくまでニューヨーク(米国)なのです。金融商品の充実度はやはり米国証券会社に軍配があがります。

日本の証券会社では購入できない優良ETFの例としてSCHDDGROなどが挙げられますが、こうした商品にアクセスするためには米国証券会社に口座開設が必要であり、米国銀行口座の開設が必須となります

また、SBI証券、楽天証券などは非居住者になると売買ができなくなるので、将来的に海外移住を検討している人は海外証券口座+海外銀行口座は避けて通れない道になります

②資産分散(日本の預金口座封鎖リスクへの対策)

日本は世界でも安定した経済と民主政治が行われている法治国家です。理不尽に国民の資産が没収されるリスクは限りなく低いと言えるでしょう。

しかし、そんな日本でも過去(戦後)には預金封鎖が行われて国民資産が強制没収されています。また、世界に目を向ければ現代でも預金封鎖は頻繁に行われています

<現代の預金封鎖>
1990年 ブラジル
2001年 アルゼンチン
2002年 ウルグアイ
2013年 キプロス

これらは北朝鮮のような独裁国家でもなくアフリカの最貧国でもありません。民主国家であり平時は国民経済も機能している国々です。そして、アルゼンチンは20世紀前半までは、ヨーロッパからも出稼ぎに移民が押し寄せる経済大国でした。

筆者
筆者

日本でも有名な『母を訪ねて三千里』は、イタリアからアルゼンチンに出稼ぎに出た母を少年マルコが探しに出るお話です。

このように、日本であってもリスクはゼロではなく、起きれば致命傷ですから対策できるなら対策しておいた方が良いと私は考えています。海外口座を持っておくのは最もシンプルかつ効果的な手段です。

③日本在住でも口座開設ができる

外国人が日本で基本的に口座開設ができないのと同様、アメリカの銀行口座も基本的には外国人に門戸は開かれていません。ソーシャル・セキュリティナンバー(日本のマイナンバーのようなもの)が必須で、対面での本人確認必要になるケースがスタンダードだからです

ユニオンバンクが特別なのは、日本に本拠地を持つ三菱UFJグループの100%子会社という点です。ユニオンバンクの口座申し込みを三菱UFJ銀行が仲介するプログラムがあり、これを利用することで日本にいながら米国口座を開設できてしまいます。

ソーシャル・セキュリティナンバーも、米国での対面形式の本人確認もなしで日本人が口座開設できるのはユニオンバンクだけです(私が知る限り)

④開設から利用まで日本語対応

ユニオンバンクは日本人対応窓口が用意されているので、口座開設(そもそも三菱UFJがやってくれる)はもちろん口座利用上のサービスも日本語でサポートを受けることが可能です。

英語にハードルを感じて、二の足を踏む人には大きなメリットです。

ユニオンバンクの注意点

ユニオンバンクは当然ながら米国の銀行です。米国の法律や商慣習に従って、サービスを提供しています。つまり、サービス内容は米国基準です。日本の銀行常識とは違うので、利用前に正しく理解しておく必要があります。

①〜③は、米国の銀行口座を持つ一般的な注意点。④はユニオンバンク固有の注意点です。

①条件を満たさないと口座維持手数料が発生する

米国銀行は毎月の判定日で銀行残高が一定水準以下だと口座維持手数料を取られます。また、日本同様に電信送金には手数料がかかるのは当然として、(ACH送金でない場合)入金時にも手数料(※)が発生します。

(※)米国国内の送金手段が電信送金とACH送金の2種類があり、後者を利用することで送金・入金の手数料はゼロ円にすることができます。ACHは電信よりも数日程度多めに時間がかかるのですが、急ぎじゃないお金のやりとりは、こちらを利用する米国人が多いです。

ユニオンバンクの場合、月間平均残高$1,500(約17万円)が基準になっています(ユニオンバンクのホームページ(日本語)はこちら)。これは多くも少なくもなく、米国銀行と平均的な業界水準です。

チェッキング口座(Checking Account)と貯蓄口座(Savings Account)について

米国の場合チェッキング口座(Checking Account)と貯蓄口座(Savings Account)の2種類があり、最初は困惑するかも知れません。日本は決済口座と貯蓄口座が分けられておらず普通口座として一緒になっていますが、米国では分けられています

入金・送金やクレジットカード代金の引きとしなど決済用に使われるのがChecking Accountです(この口座に残高があっても利息は発生しません)。つまり、チェッキング口座は必須で貯蓄口座は希望があればという感じですね。

口座開設手数料は無料で片方開くも両方開くも手間は同じなので、両方開いても良いです(私は両方持っています)。

②放置すると休眠口座扱いで口座凍結される(解消手続きは面倒)

米国の銀行口座は一定期間何も取引がないと、休眠口座扱いとなり凍結されてしまいます(ユニオンバンクは12ヶ月のようです)

凍結口座はさらに放置期間が長期化すると、凍結口座の残高は各州政府の財務機関の管理口座に移されてしまいます。この期間は各州に委ねられており、例えば、カリフォルニア州だと3年以上何も取引がないと徴収対象になります。

手続きすれば、州政府から残高の返却を受けることは可能ですが、煩雑な手続きが要求されます。

なお、日本では休眠口座(10年以上放置)が毎年1,200億円相当も発生しているようです。知らない人が意外に多そうですが、日本も休眠預金は金融機関から預金保険機構という国の機関に移されます。

日本でも面倒なことを米国でやるのは、もっと面倒です。なので、銀行口座を放置してしまう人は米国銀行口座を持つのに向かないでしょう

③貯蓄口座の利息は確定申告対象

米国で発生した利息でも、日本居住者の場合は日本での確定申告の対象になります。納税基準など詳細について明るくない方は利息を発生させない方が無難です。

私も面倒くさいので、全額をチェッキング口座に入れておいて利息は発生しないようにして管理しています。このパターンなら、貯蓄口座は正直最初から開設しないのも一つです(同じ名義のチェッキング口座で動きがあっても貯蓄口座の利用歴が定期的にないと貯蓄口座だけ凍結されることもあります)。

④日本語サービスの継続に一抹の不安がある(2021年9月売却報道)

三菱UFJグループはユニオンバンクの全株式をUSバンコープという米銀に売却することで合意しています。つまり、今後、ユニオンバンクは三菱UFJグループの傘下ではなくなります。

日本人利用者の間(私の知人も含め)では、日本語のサービスが受けられなくなる(普通の米銀になる)のではという憶測が広がっています。

こればっかりはどうなるか分かりません。しかし、よく内容を読むと『売却対価の一部は三菱UFJグループがUSバンコープの株式を2.9%取得する形で受け取る。今後は両行で業務提携を進めていく』とあります。

ユニオンバンクの三菱UFJグループの一員としての歴史はすでに40年以上で、日本人顧客も相当数いるはずです。『もう、日本の出資を受けてないから日本人向けのサービスはやめるね。バイバイ。』とはいきなりならないと思うのです。

後述の通り、三菱UFJ銀行に直接問い合わせたところ、『今後については発表できる内容は何もない』とのことでしたし、まさにこのあたりをUSバンコープと調節しているのでしょう。業務提携の形で三菱UFJ銀行が間接的にでも残る意味について、個人的には期待をしているところです。

ユニオンバンクの安全性

馴染みのないユニオンバンクに口座を持つのに不安を感じる方もいると思います。では、なぜ日本の銀行は安全だと私たちは信じているのでしょうか。

身近な存在なので、『潰れそうかどうか雰囲気で分かる!』のかも知れませんが、本質的には日本政府がペイオフ(預金者保護制度)で預金残高1,000万円とその利息までを保証しているから私たちは銀行の財務状況を細かく理解していなくても枕を高くして安眠できるのです

米国にも同じような制度(正確には日本が欧米のまねをしている)があります。ユニオンバンクは米国の預金保険制度(FDIC)の対象になります。

もし、ユニオンバンクが破綻した場合は、FDICが預金口座の元本と利息の合計に対して25万米ドル(約2,800万円)を上限に保証してくれます。国としての財務格付も保証内容も米国の方が日本より上です。

ユニオンバンクの口座開設方法

カリフォルニア・アカウントプログラムという三菱UFJ銀行とユニオンバンクが提携しているサービスを利用します。

三菱UFJ銀行が本人確認等を代行することで、渡米しなくても日本から口座開設ができるサービスです。留意点としては同プログラムを利用するためには①三菱UFJ銀行に口座があること日本居住者であることの2つが条件になります

つまり、三菱UFJ銀行に口座を持っていても、すでに海外在住で非居住者である場合は、このサービスを利用することができません。(特に米国以外)海外駐在用に口座開設を検討される方は、日本にいるうちに手続きを済ませておくことが必要です

USバンコープへの売却影響について三菱UFJ銀行に問い合わせてみた!

まず、このカリフォルニア・アカウントプログラムは引き続き有効なのかについて聞いてみました。結論としては、現在も新規口座開設の申し込みは受付中である(2022年2月10日時点)とのことでした

なお、冒頭に補記した通り2022年11月22日をもって新規受付を停止しました(2022年11月21日追記)。

そして、口座開設後に日本語サービスの提供が停止になったり、口座自体を閉じないといけないことはあるのかについて聞きました。回答は、(予測通りですが)今後のサービス内容はUSバンコープと協議中で現段階で公表できることはない、とのことでした。

日本語サービスは五分五分かなと思いつつ、現在も新規口座開設を受付中ということは今のうちに開設しておけばそのまま使い続けることはおそらく可能ではないかと見ています(USバンコープと日本人口顧客の扱いについて握れてないのに、新規口座開設の受付を継続するのはリスクが高いですから)。

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