(2022年12月18日更新)
以前に記事にしましたが、2022年2月に楽天証券がポイント還元の改悪を発表しました。主な内容として、これまでクレジットカード積立で対象を問わずに1.0%還元したものが、一部対象を除いて0.2%に還元率が低下してしまったのです。趣旨としては低コストの投資信託(皆さんが大好きなeMAXIS Slimシリーズを筆頭にインデックス投信は全滅)にはこれまでのような高還元は適用されないというものでした。
以上の楽天証券改悪にショックを受けたインデックス投資家を中心に『もう、SBI証券に乗り換える!』と憤慨して実際に行動に移した人も少なくありません。これまでeMAXIS Slim S&P500やeMAXIS Slim全世界株式などの長期投資を目的として積立を実施しながら、ついでに毎月500Pのポイント還元を受けられるのが美味しかった訳ですね。500Pの還元を維持するために高コストの投信積立を継続するのは本末転倒です。だから、SBI証券に乗り換えようという結論になるわけですね。
しかし、SBI証券に乗り換えなくても一工夫を加えれば、楽天証券でインデックス積立を継続しながら毎月1.0%(500P)の還元を受け取ることは可能です。今回はその方法をご紹介したいと思います。
インデックス積立を継続しながら1.0%を維持する方法
まず、結論からお見せします。私は楽天証券で現在3つの積立設定(合計15万円)をしています。
楽天証券改悪後の積立設定(合計15万円) | ||
投資対象 | 積立方法 | 口座 |
eMAXIS Slim全世界株式 | 口座現金 | NISA |
eMAXIS Slim全世界株式 | 楽天キャッシュ | NISA |
東京海上円資産バランスファンド(年1回決算型) | 楽天カード | 特定 |
楽天証券改悪前の積立設定(合計10万円) | ||
投資対象 | 積立方法 | 口座 |
eMAXIS Slim全世界株式 | 楽天カード | NISA |
eMAXIS Slim全世界株式 | 楽天キャッシュ | NISA |
この改悪前後の積立設定から読み取れる私の意図は何でしょうか?単純に積立対象と金額を増やしたようにも見えますが、一番重要なのは、クレジッカード決済(5万円分)の対象をeMAXIS Slim全世界株式(オルカン)から『東京海上円資産バランスファンド(年1回決算型)』という聞きなれないファンドに変更していることです。
理由をストレートに説明すると、eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)の還元率は0.2%ですが、東京海上円資産バランスファンド(年1回決算型)では1.0%の還元率が維持適用されるからです。その差は0.8%で年間ポイント数としては4,800Pもの差になるので大きいですよね。
しかし、ポイントのために長期投資に向かないものを積み立てるのは冒頭に触れた通り本末転倒です。なので、このクレジットカード積立設定で購入する投資信託は即時売却します。
これと並行して、eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)は現金積立で継続することで、トータルで見た時に『1.0%還元を維持しながら実質的な積立内容も変更しない』というのが狙いになります。
なお、即時売却を前提に投信積立を設定する時には『特定』口座でお願いします。間違ってもNISAを選択しないように!!非課税枠を無駄に消費するので売却できなくなります。
また、即時売却する投信の選定基準は次のとおりです。これに当てはまるものなら何でも良いと思いますが、その一つが『東京海上円資産バランスファンド(年1回決算型)』というわけです。
①は当然として、②と③が大切だと思います。②は売却時点で獲得ポイント以上に値下がりしているリスクを避けるためです。③については、後述します。
なお、この方法にもリスクはあります。値動きが小さいものを選ぶとはいえ市場リスクに晒されるわけですから即時売却(保有期間:1日)の場合でも未曾有の金融危機に巻き込まれたらポイント還元以上に投信の価値を毀損するかもしれません。また、この即時売却は高コストファンドの長期保有を促そうとする楽天証券の意向に逆らうものですので塞がれる可能性はあります。
これらのリスクを理解した上で、妙味があると感じる方は自己責任で取り組んでみてください。また、この方法は毎月1回の売却作業が発生するので、これを忘れないことも求められます。
東京海上円資産バランスファンド(年1回決算型)とは


まずは左上に『クレカ決済1%ポイント還元』とあるので、0.2%還元への改悪対象外ということが分かります。そして、運用方針から、国内債券多めで且つボラティリティが高まる時は株式やREITの比率をさらに下げることで値動きの小さな運用を目指すファンドということがわかります。この点は即時売却を狙う人からすれば、余計な値動きリスクを抑えられるのでGOODですね。
このキャプチャ時点でも前日比-0.03%と値動きは穏やかです。しかし、管理費用は0.924%と激高なのでインデックス投信を選好する投資家は絶対に長期保有しないでしょう。この管理費用(信託報酬)の内訳は以下の通りです。

これらの費用は日割りで毎日発生していくので、1日の保有で発生するコストは概ね次の通りです。0.924%/365日✖︎1日✖︎5万円=1.27円。実際には約定日から受渡日(売却可能になる日)まで数営業日はあり、この金額は数円程度上振れするので3-4円は見ておくとして、500Pを維持するための追加コストが数円程度であれば許容範囲内で妙味があると私は考えています。これに値動き0.1%程度を考慮しても50円程度のリスクです。
ここで気をつけるのは信託財産留保額です。これはファンド解約時に発生する手数料だと思ってください。このコスト次第では、この即時売却法の妙味が薄れるために必ずチェックします。東京海上円資産バランスファンド(年1回決算型)の場合は、この費用に関しては0円です。このため即時売却との相性が良いというわけです。
最後に
手順をまとめると、次の通り。
もし、『これよりも良い即時売却向きの投信があるよ』という方がいましたらぜひコメント欄で教えていただけると嬉しいです。また、楽天証券には楽天キャッシュ積立というポイント還元のある投信積立ルートがあります。この還元率は通常0.5%しかありませんが、これも一工夫することで3.0%超えの還元率を実現することが可能です。
現在は楽天キャッシュ積立のポイント還元が熱いですね。毎月10万円を積立できる人は両方チャレンジすれば年間で25,500円相当ものポイントをとることができます。ポイントの有無に関係なくやっている投資という行動に対してここまでのポイント還元がつくのは大きいですね。

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