【年齢別】投資ポートフォリオの組み方

Portfolio Management 資産運用

【こんな方向けに記事を書いてます】
・ポートフォリオの考え方を知りたい
・自分に合ったポートフォリオを見つけたい

【結論】
自分のリスク許容度を正確に把握する
損失限定をベースにリターンを調節する
国債を安全弁に守備力調整を行う

筆者
筆者

今回の記事は過去に紹介した記事内容の理解が前提です。まだ、下記記事をお読みでない方は是非目を通されてから本記事を読み進めることをお勧めします。

<参考記事>
【初心者向け】初めての投資信託の選び方 (前編)
【初心者向け】初めての投資信託の選び方(中編)
【初心者向け】初めての投資信託の選び方(後編)

ポートフォリオ構築時の思考法

投資は資産形成が目的なので利回りに注意が行きがちです。確かに、洗練された投資家でも日々のリターンに無頓着でいられる人は少ないと思います。

しかし、投資の基本は勝つことよりも負けないことです。これは致命傷を防ぎ長期投資を継続することでリターンは自然と蓄積していくからです。

つまり、最大期待損失を自分のリスク許容度に収めるというのがポートフォリオ構築のゴールになります。

そして、この理論を実践に移す際に、基礎となるのが国債100%ポートフォリオです。

<考え方の基礎>
■ 長期投資は撤退しなければ資産は自然増。
■(撤退を避けるため)最大損失を限定する。
■ 最大損失0%は国債100%で実現。

ポートフォリオの始祖(国債100%)

国債は国が価値を保証することから、最高の守備力を誇る資産クラスとされています。また、国債は償還期限までの長期保有を前提に購入時にリターンが確定します。

従い、理論的には国債100%ポートフォリオの最大損失は0%です。つまり、米国債等の安全資産に投資している限り損失が発生する可能性は極めて限定的です。

この国債100%ポートフォリオの一部を株式や債券に代替してリターンを調節していく作業が、私の考える最適なポートフォリオ探しの方法になります

この全ての基礎になる国債100%が全てのポートフォリオの始祖だと私は思っています。
全てのポートフォリオは守備から逆算です。

ポートフォリオの究極進化(株式100%)

先に述べたリターン調整を究極まで行うと株式100%ポートフォリオに到達します。

株式100%にすることで期待リターンは最大化しますが、期待損失も最大化します。

リーマンショック時の株価下落を最大損失と見積もると、この株式100%ポートフォリオ最大損失は56%程度と考えています。

究極のリスク許容度を誇る投資家のみに許される、守備を捨てた超攻撃的なポートフォリオです。

ポートフォリオの最適化

多くの投資家はリスク許容度が損失0%〜56%の間にあると思いますので、国債100%と株式100%の間でバランスを調節します。

例えば、自分の許容可能な損失が10%程度(1,000万円投資するなら100万円の損失)だとします。最大損失を10%に抑えるには次のようなポートフォリオになります。

国債部分の最大損失は0%、株式部分の最大損失を56%と前提を置きます。
ポートフォリオ全体の最大損失は18%(株式) ×56%(最大損失)=10.08%となります。

この18%という数字はエクセルのゴールシーク機能を使用して計算すると簡単に分かります。


『●%×56%(最大損失)=10%』から●%を逆算するのがゴールシーク機能です。

年齢別にポートフォリオを組むなら

過去記事でも触れた投資信託(eMAXIS Slim)でポートフォリオを構築するならという前提で年齢別にパターンを考えてみたいと思います。

下記具体例が唯一解でもなく全員にとっての最適解でもありません。勿論、確実に損失が出ない投資方法でもありません。

ポイントをより実感頂くのが趣旨ですので、自己責任の原則に則り最適なポートフォリオを自分で構築してください。

【50代〜40代後半】リスク許容度(低)

筆者ならeMAXIS Slim  バランス(8資産均等型)10年物米国債を半分ずつ(50%)組み合わせます。残された労働期間が短い40代後半や50代の方を想定しています。

運用期間が短くなるのでポートフォリオは保守的に組むべきです。

eMAXIS Slim  バランス(8資産均等型)の特徴としては地域分散資産クラス分散を最大限に行なっている点です。

過去記事でも紹介した米国経済学者のハリー・マーコウィッツがノーベル経済学賞を取ることにつながった『世界全体に丸ごと投資する』考え方に一番近い商品です

balanced investment portfolio
(出典:eMAXIS Slim交付目論見書)

究極の分散がなされており、これ1本でもポートフォリオが組めてしまう簡便さに魅力を感じます。

リターンUPを目指す調整部分の資産クラスも広く分散されており、米国債のクッションも手厚いので最大損失をかなり限定出来ます。高い守備力と安定的リターンの両立を目指します。

コロナウィルス関連の暴落時にも守備力を発揮

コロナショックの影響を受けたeMAXIS Slim  バランス(8資産均等型)の2020年3月末時点の年初来リターンは▲16%でした。

同時期に▲30%以上の損失が出た株式に比べるとダメージを大きく緩和できています。

コロナ騒動下でも仮想ポートフォリオ全体の損失は▲8%に収まっていた計算です。

【40代前半〜30代後半】リスク許容度(中)

筆者なら先進国株式インデックス30年物米国債を組み合わせて投資します。

この年代は一定期間の運用が可能な方々なので、株式割合を高めてリターンをもう少し重視しても良いかと思います。

組み合わせの配分については、ご自身の経済状況や性格を踏まえてのご検討をお勧めします。

例えば、米国債の割合が50%の場合、先進国株式インデックスが最大限ダメージを受けると投資全体としては25%程度のダメージになります。

(出典:eMAXIS Slim交付目論見書)

先進国への地域分散でリスクを一定程度軽減した株式でリターンを狙いつつ、やはり安全資産である米国債で全体の守備力を調節するポートフォリオです。

運用期間を一定程度保てる特徴を活かして、米国債も30年と長い年限を採用します(基本的に年限が長くなると利回りも良くなります)。

【30代前半〜20代】リスク許容度(高)

複利効果を最大限に高めてくれる『時間』に恵まれており、損失に対するリカバリー期間を持てるのも30代前半から20代の特徴です。

筆者ならこの強みを活かすためにeMAXIS Slim  米国株式<S&P500>をポートフォリオの中心にします。

この投資信託を通じて米国経済成長の果実を長期間着実に受け取ります。

(出典:eMAXIS Slim交付目論見書)

上位10銘柄には誰もが知るマイクロソフト・Amazon・Apple・FacebookやGoogleの親会社であるアルファベットの株式が組み込まれています。

米国は世界経済の3割を占める超大国で今後も人口増加が見込まれている唯一の先進国です。

そして、才能豊かな人材が世界中から集まる土壌もあります。以上のことから、今後も米国経済の見通しは明るいと筆者は考えています。

筆者ポートフォリオはこの米国株中心に近く、50%の最大損失を覚悟しています。

不安な人は30年物米国債をトッピングして期待損失の調整を図ると良いと思います。

国債関連の補足

筆者は安全弁に米国債を利用していますが日本国債に代替する考えもあると思います。米国債の価値はドル建ベースなので日本円で生活する日本人には為替リスクがあります。

例えば、利息収入で3%利益が出て、円高が進み米ドルの価値が5%安くなるとします。この場合、トータルでは2%の損失になります。

この為替リスクを嫌う人は日本国債で代替するということになります。

米国債と日本国債の長期保有成績は米国債に軍配が上がるという過去の統計データを参考に、筆者は米国債を選好しています。

また、日本依存へのリスクヘッジとして米国債を評価しているのも理由です。

まとめ

<ポートフォリオ構築の基礎>
■ 自分のリスク許容度を判定。
■ 国債100%から差し引きでバランスを調整。
■ 米国債か日本国債はお好みで。

最後のメッセージとしては『リスク許容度の把握』は真面目に取り組んだ方が良いと思います。投資は慎重すぎて問題になることはありません。勝負の7割はここで決まります。後の2割はゴミ商品を掴まないように勉強すること。そして、最後の1割が運です。

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