投資信託の基礎を学んだ方、初めて投資信託を買う人に人気を集めている全世界株式インデックスファンド(通称:オールカントリー)について解説します。
個人的にも全世界株式インデックスファンドは、投資の王道で資産運用の柱になる存在だと思っています。問題は内容が同じファンドを色々な運用会社が販売しており、結局のところ何を買えば良いのかという点です。
本記事では各社商品を比較して、最適な選択肢について考察したいと思います。
結論的には、①純資産残高②運用管理費(コスト)③リターンの3点を総合比較した上で、eMAXIS Slim全世界株式に私は投資しています(利用口座は楽天証券)。
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主要な全世界株式投資信託の比較
eMAXIS Slim 全世界株式 |
楽天・全世界株式 | SBI・全世界株式 | |
設定年 | 2018年10月31日 | 2017年9月29日 | 2017年12月6日 |
純資産残高 | 2,898億円 | 1,222億円 | 357億円 |
運用管理費 | 0.1144% | 0.212% | 0.1102% |
インデックス | MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス |
銘柄数 | 2,478 | 約8,800 | 約8,800 |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 | 楽天投信投資顧問 | SBIアセットマネジメント |

念のためですが、eMAXIS Slimと似ているeMAXIS(手数料高い)を選ばないように注意しましょう!
純資産残高の比較
純資産残高が多いと次のメリットがあります。このメリットを一番享受できるのは現状、eMaxis Slimになります。eMaxis Slim全世界株式は、2番手の楽天・全世界株式に対しても2倍の差を、SBI・全世界株式に対しては8倍もの差をつけています。
運用コストが相対的に安くなる(顧客還元の可能性UP)
資産運用は1,000億円だろうが、1,000万円だろうが手間は大きく変わりません。また、人件費やオフィス家賃も運用資産に比例して高くなったりしません。
なので、運用金額が大きくなればなるほど、相対的に投資コストは下がっていきます。この運用コストが減少した分は、信託報酬の値下げを可能にします。
実際に、個人投資家への値下げ還元が行われるかは運用会社次第ですが、可能性は低いものより高いものを選んでおけば良いと思います。
ベンチマークへのトラッキングが安定
インデックスファンドは、特定のベンチマークに連動すること(トラッキング)を目標にしてします。優秀なファンドはこのベンチマークと同じ動きをします。
このベンチマークに対して運用成果がズレていることをトラッキングエラーと言います。トラッキングエラーが大きい状態が継続すると、狙った成果が残せません。
そして、純資産残高が大きい投資信託の方が、トラッキングが安定することで知られています。
流動性が高まる
投資信託は買うのがゴールではなく、将来的に売るまでがセットです。純資産残高が低い投資信託はコンセプトが素晴らしくても、運用停止になってしまう可能性もあります。
そして、運用停止に至らなくても、純資産残高が低い(=人気が低い)投資信託は自分が売りたいときに売れないかもしれません。
こういったリスクを避けるには純資産残高は100億円が最低ラインだと個人的には考えてます。
この点で行くと、この記事で取り上げた3つは全部クリアなので深刻に悩む要素ではありませんが、金額は大きいほど良いです。
運用管理費(信託報酬等)の比較
投資の鉄則は、『リターンに影響するコストは可能な限り低く』です。0.1%の違いであっても運用期間が長くなれば、リターンに与える影響は大きくなります。
運用管理費が、楽天・全世界株式は、他の2つに比べてコストが約2倍です。この観点で見ると、eMAXIS SlimまたはSBIから選択したくなります。
例えば、元本100万円を年間5%の利回りで50年間運用する場合、運用管理費が0.1%と0.2%が最終的なリターンに与える違いは約53万円にもなります。
シンプルですが、投資商品の中身がほぼ同じなら極力安いものを選びましょう(100円のおーいお茶と150円の綾鷹なら、前者を選ぼうという感じです)。

トータルリターンの比較
結論から言うと、どれも大差はありません。
emaxis slim全世界株式 | 楽天・全世界株式 | SBI・全世界株式 | |
6ヶ月 | 14.07% | 13.06% | 13.8% |
1年 | 32.50% | 32.83% | 33.11% |
3年 | – | 12.40% | 12.35% |
どの全世界株式インデックスファンドが最適か
まず前提として、本記事で紹介したインデックスファンドはどれも甲乙付け難い優良投資信託です。あえて1つを選ぶならemaxis slim全世界株式インデックスファンドが無難な選択肢かと思います。
基本的に中身が同じような投資信託は、コストが安いものを選ぶのが鉄則で、この基準だとSBI・全世界株式が有力な選択肢です。
その一方で、SBI・全世界株式は純資産残高が他2つに明らかに劣る弱点があります。
純資産残高で楽天・全世界株式にSBI・全世界株式に並ぶほどに成長した日には、身を乗り出して検討したいですが、eMAXIS Slim全世界株式とSBI全世界株式の運用管理費の差は僅かに0.0042%ではっきりした優劣にはなっていないことを踏まえると、純資産残高で大差をつけているeMAXIS Slim全世界株式を選んでおくのが自然かなと思います。
従って、『迷うぐらいなら、明確に有利なポイントを持っているeMaxis Slim全世界株式を選択しておけば良い』というのが私の考えです。
また、信託報酬の引き下げに積極的なブランドというのもeMAXIS Slimで良いかなと私が思う理由です。各社しのぎを削っていますので、最良の選択肢は変わりゆくのが投資の世界です。その都度悩むのは、普通の人には手間でストレスです。eMAXIS slimは他社がリードを奪えば、それに追随する傾向・実績があるので、個人投資家は乗り換えの検討に執着したりする必要がありません。
購入後に考えることを減らせるというのはメリットだと思います(投資は不労所得化出来るのが魅力の一つなので、判断事は少ない方が良いと私は思ってます。)。
まとめ
本記事で比較検討した投資信託はどれも甲乙つけ難い優良商品です。どれを選んでも間違いということは決してありません。
その前提で、どれが良いかの考察をした訳ですが、それは重箱の隅をつつくような観点です。私は投資は、大枠を間違えなければ1ミリ単位での分析は必要ないと思っています。
また、投資では時間を味方につける(出来るだけ早く投資を開始する)ことも大切なので、(少しでも得したいと思うのが人間心理の常ですが)あまり欲張らずに決断することも大切である点を最後に申し添えて筆を置きたいと思います。
最後に
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