【学んで損なし】米国債を知れば投資が分かる

【学んで損なし】米国債を知れば投資が分かる 投資戦略・考察記事

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国債については、その金融市場における重要な役割(影響力)や投資対象としての重要性についてこちらの記事で説明をしました。簡単におさらいするとリスクフリーレートという概念の理解が投資では重要であること、日本国債は固定金利型変動金利型の2種類がある(物価連動型国債がないのが残念)ということが結論でした

今回は世界の基軸通貨米ドルを有する、文字通り世界経済の中心たる地位を占める米国の国債について掘り下げて学んでいきたいと思います。米国債は世界金融市場におけるリスクフリーレートであるのに加えて、世界有数の発行残高と圧倒的な流動性を誇ります(そのため金融危機など金融市場に動揺が広がると最後の防波堤としての役割を期待して、世界中の資金が米国債に流れ込みます)。

米国債を知らずして、世界の金融市場の動きは理解できません。また、インデックスファンドを足掛かりに資産運用を開始する方が多いと思いますが、世界のトレンドが利上げへと向かう中で米国債は魅力的な金融商品になるポテンシャルがあるので学んでおいて損はありません。

■本記事を書いている人
✅Twitter(@gonfox21)でも情報発信
✅20代で金融資産4,300万円達成
✅米国ETFで資産運用(SPYDVYMSCHDHDV

米国債を理解する際のポイント

米国債を理解する際のポイントは、次の言葉を理解しておくことです(①クーポン、②利付債、③割引債ゼロクーポン債)、④ストリップ債)。これらの言葉は米国債の商品設計に深く結びついているので、これらの言葉を理解すれば米国債についての理解が深まると思います。

【米国債】クーポン

クーポンと聞くと、ショッピングの商品割引券を思い浮かべますが、金融の文脈で使う場合は全く関係ありません。クーポン=利息です。

【米国債】利付債

利付債とは、息が券のことです。つまり、利息(クーポン)が年2回支払われるタイプの米国債です。『国債なんだから利息がつくのは当たり前じゃないか?なぜ、わざわざ利付債なんて表現があるんだ、まるで利息がつかない債券があるみたいじゃないか』と思われた方は良い線いってます。

米国債には利息がつかない(別の方法で債権者にリターンを提供する)タイプがあるので、このタイプの米国債と区別するために利付債という言葉があるのです。

【米国債】割引債(ゼロクーポン債)

利付債と対極にあるのがゼロクーポン債です。ゼロクーポンは文字通り、クーポン(利息)の支払が行われない国債のことです。しかし、お金を国に貸して、その元本がそのまま返ってくるだけでは慈善事業になってしまいます。そこで、ゼロクーポン債を購入する債権者は、額面金額($100)よりも安い購入金額($93)で購入できるようになっています。満期になれば額面金額($100)が償還されるので、その差額が購入者の儲けになるように設計されているのです

額面金額より割引価格で販売されるところに注目して割引債と呼ばれることもあります。利付債はクーポン受領の度に課税されますが、ゼロクーポン債はクーポンがないので課税が繰り延べられる、つまり実質的に複利運用できるというメリットがあります

【米国債】ストリップ債

ストリップ債は英語名称をSTRIPS(Separating Trading of Registered Interest and Principal of Securities)と言います。この商品名がストリップ債が何かをそのまま説明しているのですが、ストリップ債は利付債を元本部分クーポン部分に切り分けて(Separating)、それぞれをゼロクーポン債として販売する(Trading)する米国債のことです。

元本部分は利付債の償還日を満期とする運用期間の長いゼロクーポン債に、クーポン部分(年2回)は各支払予定日を満期とする運用期間の短いゼロクーポン債になります。上述の通り、複利運用をしたい投資家は半期に1回の頻度でクーポンが支払われる利付債よりもゼロクーポン債の保有を選好します(課税頻度を減らしたい)。そして、その中でも満期が長い物が欲しい、短いものが欲しいとの個別ニーズに応えるため利付債を分解してバラ売りしたものがストリップ債になります

具体的には、投資銀行が米財務省発行の米国債の基本設計では満たせないニーズを狙って、利付債の権利を元本部分と利息部分に切り分けて投資家にそれぞれ販売するのです。これがよくあるストリップ債組成の仕組みです。

後述の通り、米国政府が直接発行する割引債は期間が1年未満のT-Billのみですが、ストリップ債の仕組みにより、年限がより長いゼロクーポン債が市場では取引されています

米国債の種類について

米国債は期間に応じて以下の3種類が米国財務省より発行されています。

Treasury Bill(T-Bill)
期間が1年未満の割引債
Treasury Note(T-Note)
期間が1年超10年以下の利付債
Treasury Bond(T-Bond)
期間が10年を超える利付債

 

そして、上記の利付債は前述のとおり、ストリップ債として分解されて販売されることもあります。また、元本とクーポンがそれぞれインフレ率に応じて変動する効果を付加した米国物価連動債(TIPS: Treasury Inflation-Protected Securties)という派生商品もあります。個人的には国債にはインフレ保険としての役割を期待するので物価連動国債が個人も購入できる米国が羨ましいです。なお、日本人がTIPS債を購入することはできず、どうしてもエクスポージャーを持ちたければTIPS債の値動きに連動するETFを保有するしかないようです。

TIPS債に連動するETFはバンガードからVTIP(期間が0-5年)や、ブラックロック社からTIPが展開されています。TIPの場合は構成年限がより多様化されています。

TIP-ETF-Blackrock
出典:iシェアーズ物価連動国債

米国債に投資する上での注意点

私たちが保有することになる米国債は、米国財務省が新規発行する新発債ではなく、セカンダリーマーケットで取引される既発債になります。新発債購入の機会は限られるので、通常は既発債を取引することになります。

日本の証券会社(例:SBI証券、楽天証券)でも米国債の取り扱いはありますが、基本は既発債です。つまり、30年物や10年物が欲しいと思ってもすでに残存期間が26.5年や8.4年となっているものしか入手できないということです(自分が望む保有期間にマッチする既発債があるとは限らない)。そして、証券会社によって同じ米国10年債や30年債であっても残存期間のレパートリーはかなり異なります。個人的にはかなり面白いです。株は同じ銘柄であれば証券会社が異なっても違いはありませんが、米国債は品揃えに差があるのです。まるで店舗ごとの仕入れで品揃えが違うお寿司屋みたいです

また、米国債は満期まで保有すれば確定したリターンを確保できますが、途中売却すれば損失を被る可能性があります。これは他の金融商品と同じく米国債も時々の需給によって取引価格が変動するからです(日本の個人向け国債のように中途換金の仕組みはありません)。

そして、米国債に限らず海外資産を保有する場合につきもののリスクですが、米国債には為替リスクがあります。例えば、日本円で暮らす私たちが米ドル建で元本に対して5%の利息をもらっても、その間に10%円高に振れればトータルで▲5%の損失です。

米国債に投資する場合は上記のリスクについてはよく考慮する必要があります。

【米国債】金融商品としての魅力

あらゆる金融商品は目的あっての手段(価値)です。米国債のメリット理解するためには、日本国債や米国インデックス投信との比較が役に立ちます。今現在は自分のポートフォリオには必要ないという人でも、将来的に保有メリットが生じる人は多いと思います

米国債投資については、林敬一氏の『証券会社が売りたがらない米国債を買え!』が詳しいです。同書における過度な日本悲観論は同調しませんが、米国債の“使い方”については非常に参考になるものがありますので、おすすめです。同書ではリタイア世代は利付債(30年物)によるコンスタントなインカムゲインを、現役世代にゼロクーポン債(30年物)によるキャピタルゲインをすすめています

日本国債との比較

POINT❗️:日米金利差が大きいほど魅力は増す

ゼロクーポン債で複利運用の選択肢があるのも米国債の魅力です。資産形成期にはクーポンを受け取らない(課税を繰り延べる)ことで効率的にリターンを増やすことが可能です。また、米国債は米国政府が額面金額での元本償還と利払いを保証しているので、この複利運用結果は購入時点で確定しているリターンです(日本円で生活している我々は前述の通り為替影響はあります)。

複利運用の選択肢があるのは日本国債にはないメリットでしょう

そして、相対的に高利回りの無リスク資産というのも米国債のメリットです。日本国債は利回りがゼロに張り付いていますし、信用力が高いドイツ国債なども同様です。

また、繰り返し述べている為替リスクは必ずしもデメリットではなく、適切にポートフォリオの一部に組み込んでおけば日本円の価値が他国通貨に対して毀損していくようなシナリオに対してのヘッジになります

米国インデックスとの比較

POINT❗️:購入時点でリターン確定の米ドル建運用

米国債は米国政府が元本と利払いを保証するリスクフリーレートです。購入時点でリターンが確定するのが最大の魅力です。日本国債との比較でも述べましたが、米国債の利回りはゼロ金利に張り付いている日本国債と比べて利回りが高い傾向にあります

米国債の利回りは高金利時代には10%を超えた時代もありますので、人によってはある一定の利回り水準を迎えた段階で米国債を購入すれば、あえてインデックス運用により市場リスクを取らなくても目標とするリターンを確保できる可能性があります

私の米国債に対するスタンス

金融緩和の時代が長く続いたため、住宅ローンなどのベンチマークになっている米国債の利回りも低く抑えられてきました(その反面として株式相場には大量のチープマネーが流れ込み好況を呈しました)。ポストコロナの欧米諸国は、高インフレ発生に端を発する大きなトレンド転換(金融緩和→金融引締め)の予兆が見え始めていますから、米国債の利回りが改善していく可能性が高まっています。

私はキャッシュインフローの充実(配当金重視)を優先しているので、これまで米国債の魅力は必ずしも私の資産運用にマッチしてきませんでしたが、金融資産が5,000-6,000万円と増えてくれば、一部を利回り改善後の米国債で運用することの妙味は確実に増していくものと思います(リスクフリーで5%とかリターンが確保できるのであれば美味しい)。

つまり、私にとって足元すぐに組み込むつもりはなくても常に意識している投資先の一つが米国債です。リスクフリーレートで必要な利回りを確保できるのであれば、それにこしたことはないからです。冒頭で深刻な金融危機時には米国債が買われると言いましたが、これは質への逃避(Fly to Quality)と呼ばれます。米国債は世界基軸通貨の米ドルを有する米国政府が発行する国債ということで、国債の中でも特別な存在なのです。私にとっては、資産形成期→資産防衛へと軸足を移すタイミングで米国債は検討のテーブルから外せないオプションです。

株式中心のポートフォリオに逆相関性のある銘柄を組み込む目的では、米国債ETFの形で組み込むのも手段になるかと思います。

以上

リスクフリーレートの概念と日本国債については、こちらで書きました。日本国債と米国債はそれぞれ特徴があるので、学んでおいて損はないです。

筆者
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