なぜ投資するのか(貯金のみが駄目な理由)
日本の年金制度は大丈夫なのか。給料は上がらないのに税金や社会保険料の負担ばかりが重くなる。
『自分や子供たちは本当にこの先安心して暮らしていけるのか』こんな不安を抱く日本人は年々増えています。
筆者にも日本国の未来を完全に見通すことはできません。
しかし、ほぼ確実に起こり得る(既に起こっている)ことであれば既に数字が明らかにしています。
この数字が見せる現実を受け止めて判断をすれば良いと思うのです。
本記事では実際に投資を始めた筆者が受け止めた現実を紹介します
好景気でも給料は上がらない時代だから

日本人の多くが給料が全く上がらない(税金負担を考えれば上昇率は微々たるもの)と肌感覚で感じているのではないでしょうか。
この肌感覚は客観的事実で裏付けられています。上の図表は日本銀行の検証結果です。
日本の公的機関が日本人の給料は20年間で下がったと認めているのです。
私たちは『失われた20年』と言われる不景気な時代を生きているから仕方ないのだと自分に言い聞かせていませんか?
それでは日本の景気が良くなれば本当に私たちの給料は上がるのでしょうか?

次の資料は財務省が発表している日本企業が各時代でどれだけ儲けているかを研究したデータです。
バブル経済の崩壊以降、日本人は不景気(=企業が儲からない)自分達の給料が上がらないのも仕方がないと言い聞かせてきました。
会社が仕事をくれるだけで有難いのだと信じてきました。
しかし、企業の収益はバブル崩壊以降も増加し続けています。
リーマンショックで一時的に落ち込みますが、その後は更に強烈な右肩上がりとなり史上最高水準の利益を上げています。
図表3をみてください。
内部留保(企業が自分の財布にためている貯金)はバブル経済時期の4倍以上にも達しているのです。
この単純な数字的事実は好景気でもこれ以上給料が上がらないことを物語っています。
つまり、私たちの給料が上がらないのは不景気だからではありません。
給料が上がらないのは企業が社員の給料を上げたくないからなのです。
耳を疑うかもしれませんが、自分が企業の立場になって考えれば分かることです。
麻生大臣の『コロナウィルス対策で給付金10万円を配っても皆貯金するから意味ない(外にお金を出さない)』との発言が物議を醸しました。
企業が考えていることは私達と同じです。
企業も私達と同様に将来が不安だから内部留保に貯金を溜め込むのです。
一度上げたら簡単に下げられない給料を上げることは間違っても絶対にしません。
このように衰退期を既に迎えた日本で好景気が発生しても会社員の給料は構造的に上がらないのです。
投資家の収入は増えている
『不景気だから』と自分の低賃金を慰めていた人は、企業は史上最高に儲かっていると聞いて驚きと怒りが芽生えてきたのではないでしょうか。
『それなら半分ぐらい寄越せよ!』と思った人もいるかもしれません。
それでも9割の人は数日もすれば、怒りも忘れ、諦めモードに戻ると思います。
『みんな給料が上がらないなら仕方ない』と言い聞かせることで諦めることを再度正当化するようになるのです。
皆さんには諦めて欲しくないので、もう一歩踏み込んだ現実を突きつけたいと思います。

財務省の資料から企業の収益UPと共に増加したのは内部留保だけではないことが分かります。
企業から投資家に支払われる配当金は企業収益と同じく右肩上がりに増えています。
好景気でも日本人の給料は上がりません(むしろ20年間で給料は減りました)。しかし、投資家は確実にその恩恵を受けているのです。
会社は株主(投資家)のものだから考えてみれば当然です。
社員の給料はコストだからカットしなければいけません。しかし、自分達の収入である配当金は上げたいと思うのが人間の心理です。
残念ながら、何を増やして何を削るかを決めるのは、私たちサラリーマンではなく株主(投資家)なのです。
社長も株主が決めたことを実行に移す、周りより少しだけ偉いサラリーマンに過ぎません。
現実を知ってどうするか
私たちはこれまでに次のことを学びました。
この現実を受け止めて何をするかはその人次第です。
9割の人は何もしないと思います。
なぜなら、給料が上がらないと聞いても、定年退職まで働き続けて終わりを迎えるまで自分の現実として実感を持てない人が多いからです。
『あの時分かってたのに、何もせず失敗してしまった。』
『”行動しない”という過ちをまた繰り返してしまった』
という感覚を抱いたことがある人は多いはずです。
筆者は高校受験で第一志望に合格できず(もっと必死で頑張ればよかった)。
大学受験でも第一志望に合格できず(また全力で努力しなかった)。
という強い後悔を抱いた経験があります。
筆者はこの経験があるから、現実を受け止めて行動に移さないと自分が迎える未来も、その時に感じるであろう後悔も、この瞬間に実感を伴って理解できます。
この現実に対する『行動』はシンプルです。
投資をして収入UPを受ける側に回るか、(何もしなかった自分を棚に上げて)文句を言いながら後悔する側で終わるかのどちらかです。
先が見えない階段を登り続けるのは苦しいです。しかし、登り終えた景色を見ることが出来るのは1歩目を踏み出した人だけなのです。これも揺るがぬ事実です。
筆者は前進の道を選びました。
もし本記事に対して何かを感じてくれた人がいるならば、を通じて一緒にこの道を歩いてくださると嬉しいです。
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