初めての投資信託の選び方(中編)【初心者向け】

資産運用

【こんな方向けに記事を書いてます】
初めて投資信託を選ぶ方
インデックスファンドのポイントを知りたい方

【結論】
・投資信託はリスク許容度・分散性・適格性を考慮して選ぶ
・内容が複雑な投資信託は選ばない。

筆者
筆者

本記事(中編)では投資信託を選ぶ際の着目点を紹介します。
後編で具体的な投資信託も紹介しますが、自分で理解・判断することが大切なのでこの中編でポイントを掴んでください!

初めての投資信託の選び方(前編のおさらい)

投資1年生
投資1年生

前編の内容で手数料が低いインデックスファンドが良というのは分かったよ。

投資1年生
投資1年生

インデックスファンドは、国全体の経済成長に投資するイメージね
インデックスファンドも商品がたくさんあるので選び方が知りたいな。

良い投資信託を選ぶ時の着眼点

筆者ならこのようなプロセスで選択肢を絞り投資対象を決めていきます。

自分のリスク許容度を理解する。
心地良い分散性を決定する。
資信託の適格性(資産額・手数料)を判断する。

プロセスの①と②で自分の投資能力<買えるもの>と理想<欲しいもの>のバランスをとります。バランス結果と合致するコンセプトの投資信託<買える且つ欲しいもの>を探します。そして、目を引いた投資信託の中身を確認して問題なければ実際に投資という流れです<吟味して偽物を取り除く>。

自分のリスク許容度を確認

まず自分のリスク許容度を確認しましょう。リスク許容度とは自分の経済状況や性格を踏まえた上で投資出来る金額になります。

投資で最悪のケースはお金が0になることです。
従い、最悪の場合でも自分の生活が困らないように投資額を調整する必要があります。

自分のリスク許容度を図る際のポイントは次の4つです。
①非常用資金 ②収入 ③年齢 ④感情

非常用資金
最低限6ヶ月分の生活資金を投資とは別に用意しましょう。収入減少(会社の倒産等)や予測不能な出費(事故による入院等)のリスクが常にあります。

これらのリスクに耐えるには最低でも100万円の貯金は欲しいところです。この数字を下回る場合はリスク耐性が極めて弱いので、先に非常用資金を確保しましょう。

筆者
筆者

十分な貯金が無いまま投資に失敗すると生活が破綻します。
投資は適切な経済的土台があるから出来るんです。

収入
当然ですが、高収入を毎月安定的に得られる人はリスク許容度が高いです。毎月の給与が生活費数ヶ月分という人はリスク許容度が高いと思います。投資に失敗しても収入が多ければ短期間でリカバリー出来るからです。

給与から生活費を除くと手元に残るお金が少ない人は、投資額を低めにしてダメージコントロールを図りましょう。少額で出来るのも投資信託のメリットです

年齢
年齢も大事な要素です。若い人はリスク許容度が高いです。投資で失敗しても働ける期間が長いので経済的に挽回出来るからですね。

反対にご高齢の方は、どれだけ資産や収入が多くても投資に回すお金は少な目にしましょう。これは長期投資による恩恵(損失リスクの低下)を受けることが難しい年代に入っているからです。

感情
100万円の損を考えてみましょう。資産1億円の人からすれば1%の損失で、資産500万円の人からすれば20%の損失です。合理的に考えれば、明らかに資産1億円の人の方がリスク許容度は高いです。

しかし、人間には性格や感情がありますから、資産500万円の人が前向きに損失を受け入れることもあれば、資産1億円の人が夜も眠れないほどにショックを受けることもあります。

①〜③を踏まえて、生活に影響しない範囲で投資額を決めることが大前提ですが、④も踏まえて自分のリスク許容度がどれくらいあるのか考えてみましょう。

筆者
筆者

投資がギャンブルにならないように、資金管理は適切に。
大切なことなので強調しておきます。

心地の良い分散性を決める

ここで言う分散とは資産クラス地域です。基本的には前編で紹介したノーベル経済賞のハリー・マーコウィッツの主張する全ての資産クラスと地域への分散が経済学的には最も手堅く理に適った投資です。

『全ての資産クラスと地域への分散』とは究極の分散(世界全体に丸ごと投資する)を行うということです。

国や地域の栄枯盛衰は予測出来ないが人類全体(世界経済)は今後も成長していくだろうという発想です。

一方で、分散を極めると投資結果がプラスになる確率は高まるものの、リターンはマイルドになっていきます(インデックスファンドのリターンが平均点になるのと同じ理由ですね)

中には世界全体まで拡大しなくても地域に分散するだけで安心という人もいる訳です。そういう人は分散する範囲を絞ってその分リターンを高める調整を行えば良い訳です。
心地の良い分散性とは安心とリターンが折り合う地点ということになります。

資産クラスの分散
資産クラスとは株式・債券・国債のように投資先のカテゴリーになります。安全性とリターンの関係は概ね次のようになります。

上に行くほど利回りが高く、右側に行くほど安全な資産になります。例えば、国債はとても安全ですがリターンは一番低くなるということを示しています。

株式は国債とは真逆の特徴を持った資産クラスです。そして、債券は株式と国債の中間ですが、特徴が株式寄りの債券・国債寄りの債券と様々あることを広めの円が表しています。

筆者
筆者

安全でリターンも高い右上が理想だけど、そんな都合の良い投資はありません。一方で、灰色エリアの安全性もリターンも低い投資商品は数多いので気をつけましょう。

地域の分散
人類全体としては成長し続けることに自信が持てるが、どの地域が成長していくかは分からないという考え方の人は世界全体に投資する(究極の分散)のが最適解になります。

2010年代は米国市場の隆盛が目立つ投資期間でしたので、まだまだ先進国(中でも米国)だという声が今日では多数派でしょう。しかし、2000年代は中国市場が成長の原動力の時代でした。今後の成長地域に関して、自分なりの考えを持つ人は地域を絞るのも良いと思います。

筆者
筆者

分散を緩めて絞って投資する場合は、納得のいく理由や根拠が必要になってくるということです。

投資1年生
投資1年生

僕の場合、地域は先進国全体の分散で十分安心できるかな。
資産クラスは保守的にいきたい。

投資1年生
投資1年生

絞るだけの自信ある根拠がまだ見つからない。
世界全体を丸ごと買うことからスタートしてみようかしら。

投資信託の適格性(資産額・手数料)

自分のリスク許容度が分かっても、意味のないリスクをとってはいけません。投資信託の中には金融機関の儲け優先で作られた意味のない投資信託が山のようにあるのです。
検討に値する投資信託は全体の1割程度とも言われています。

この1割の投資信託は資産額手数料でふるいにかけることが出来ます。

資産額(安全性)
資産額とは投資家達(あなた)から投資信託が集めて運用している金額になります。
資産額が小さいと投資信託会社の運用が難しくなり、解散の危険が高まります。

投資は長期間継続が前提ですので、解散リスクのある投資信託は避けなければいけません。
具体的には100億円以上の資金を運用している投資信託が好ましいです。

手数料
手数料は投資信託を購入・運用する時に発生する費用です。確実にリターンを削るので安いほうが良いのは明らかです。大まかに次の3種類の手数料が発生します。

<1>購入手数料
投資信託を販売している銀行や証券会社に払う手数料です。優良な投資信託はノーロード(課金しない)と言われるもので、この手数料をゼロ円にしています。

購入手数料がかからないノーロード投資信託から選ぶようにしましょう

<2>信託報酬(運営管理費用)
投資信託を運用・管理する投資会社への手数料です。最近では優良な投資信託が投資額の0.1%程度に設定していますから、0.2%を下回る水準のものを選びたいです。

<3>信託財産留保額(解約時手数料)
投資信託を解約して利益を確定する時に支払う手数料です。0〜0.5%以内のものが多いですが、最近はこの解約時手数料を無料にしている優良な投資信託もあります。

ですから、信託財産留保額(解約時手数料)はゼロ円の投資信託を選びましょう。

駄目な投資信託とは

駄目な投資信託とは前段落の基準に当てはまらない投資信託です。具体的には資産額が100億円以下で手数料を数パーセントも取る投資信託です。

数パーセント(3〜5%)の手数料ぐらいなら良いじゃないかと思う人もいるかもしれません。しかし、リターンから手数料を除いたお金が投資家の手元に残る利益です。手数料はリターンと同じだけ重要なのです。

あなたの利益=リターンー手数料

そして、リターンが高いと言われる株式も平均するとリターンは年間5%程度に集約すると言われています。

手数料で数パーセントも払うのは、最初から負けが確定しているようなものです

●絶対に成功する投資はありませんが、絶対に失敗する投資はあるのです。
絶対に失敗する投資信託を避けるというのが、適格性の考え方です。

駄目な投資信託の典型例

手数料は投資家には損失ですが、金融機関には儲けです。なのであの手この手で手数料を高くしようとしてきます。手数料を高くするには商品の中身を複雑にすれば良いのです。

(投資信託を複雑にする金融機関が大好きなフレーズ)
・外貨建て
・レバレッジ
・●●戦略
・AI(又はロボット)が選んだ
・ファンドラップ

良い投資信託は地域資産クラスを考えるだけのシンプルなものでした。一方で、上にあげたフレーズからは結局何に投資しているのか全く見当もつきません。

意味不明というのがポイントです。意味不明(複雑)であれば、中身を理解出来ない顧客は手数料の妥当性を判断できません。

これらの投資信託は間違いなく数パーセントの手数料を取っているはずです。

他にも期待の新商品注目の商品、厳選というワードには気をつけましょう。これは金融機関が皆さんに買って欲しい商品ということです。

また、5%以上の高利回りをアピールしている商品には要注意です。見かけの利回りを無理やりよく見せているか、とても危険なリスクを顧客に負わせている商品がほとんどです。

筆者
筆者

自分が理解出来ない投資信託は購入しないのが吉。

どんな時に利益が出るのか(反対に損するのか)自分で人に説明出来ないものは手を出してはいけません。

まとめ

投資1年生
投資1年生

投資信託を選ぶ前に自分のリスク許容度心地良い分散性を確認することの大切さを学んだよ。

絶対に失敗する投資を避けることが大切だね。

投資1年生
投資1年生

投資信託は資産額100億円以上で手数料合計が0.2%より安いのものを選べば良いのね

筆者
筆者

後編では学んだポイントを基に実際に投資信託を選ぶプロセスを体験して頂きます。
また、投資信託をどこで買えば良いかも紹介します。

関連記事初めての投資信託の選び方(後編)【初心者向け】
初めての投資信託の選び方 (前編)【初心者向け】

最後に

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