投資の基本として、『長期・積立・分散』という事がよく言われます。
そして、『長期保有する投資信託は信託報酬(運用手数料)が安いものを選べ』というのは、インデックス投資家の間ではよく知られた結論です。
しかし、『結論だけで満足するのではなく、その理由を数字で分析・理解してみよう』というのが、本記事のテーマになります。
ここまで1歩踏み込んで、『運用コスト』の重要性を理解している個人投資家は多くはありませんので、投資経験を積んで自分のスタイルを確立していく過程でお役に立てるのではないかと思います。
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長期投資では運用コストにも複利が働く
投資信託やETFの購入に慣れている投資家であれば、0.1%の運用コストの差が大切であることは直感的に良く知っていることです。
しかし、投資経験も慣れてくるとインデックス投資に飽きてきます。1%の差と言っても100万円の投資元本に対して1万円程度の差です。
この1万円という金額。大金であることは間違いないですが、投資という大義名分があれば許容できると思う人も多数いるのではないでしょうか。
しかし、長期投資家であれば単年のコストではなく、想定運用期間でのコスト比較を行うべきです。
運用コストは投資信託購入時点で発生が確定している現実です。未来の不確実なリターンとは異なり、このコストは正確に計算出来るので、投資判断の前には確実に押さえておきましょう!

例として、投資元本100万円を年利5%で長期運用する場合を考えます。運用コストの影響を見るために、ここでは全く同じ金融商品に投資したと仮定します。
運用コストの差が0.1%や0.2%であっても、30年以上などの長期資産形成の場合は、大きな差になります。
投資元本100万円で50年間運用すると、0.1%の差は50万円以上、1.0%ではなんと400万円程度のリターンの差を生みます。
実際の資産形成では、積立投資により100万円より遥かに大きな金額を資産運用すると思います。そうであれば、運用コストがリターンに与える影響はさらに大きくなります。
ご参考までに、運用資金が10倍の1,000万円の場合、運用コスト1.0%の差が50年積み重なると、運用リターンは約3,000万円変わってきます。

なので、運用資産が大きい人ほど、信託報酬(運用手数料)の差に注意する必要があります。
インデックス投資家なら知っていて欲しいと思われる『数字』にまつわることは、以下の記事でも書いてます。本記事が役に立った方は、こちらも是非。
まとめ
インデックス投資について少しでも知っている方であれば、長期投資における運用コストの重要性は理解していると思います。
しかし、具体的な金額ベースまで踏み込んで理解している人は案外少ないのではないでしょうか。今回の検証結果が示す通り、長期投資の場合、運用コストに無頓着だと数百万円〜数千万円の差になります。
逆説的ですが、これは長期投資において低コストのインデックス投資がなぜアクティブファンドに対して圧倒的な強さを誇る理由でもあります。
なぜなら、低コストというだけで、他の金融商品に対して数百万円〜数千万円のアドバンテージを競争前から貰っているようなものだからです。
やはり、資産形成が目的の投資は、シンプルなインデックス投資信託だけで良いと確信を深めてしまいます。
最後に
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